『ランス03 リーザス陥落』
『ランス03 リーザス陥落』は2015年にWIN用として、
アリスソフトから発売されました。
本作は1991年に発売され、シリーズの世界観を作り上げた、
ランス3のリメイク作品になります。

ゲームジャンルはノベル系ADVになります。
あらすじ・・・
LP2年、4月。
その日、東の大国リーザスの王都が陥落した。
侵攻軍は、皇子パットン率いる北の軍事大国ヘルマンの精鋭たち。
そして何人にも傷つけられぬ、他を冠絶する力を持つ存在――魔人。
城は瞬く間に制圧され、指揮を執るべき王女リアは囚われの身となった。
――リーザス、滅亡。
一夜にして過去の存在と成り果てたリーザスから、
ひとりの忍者が落ち延びていた。
手にするのはリーザスの国宝。そして、王女からの最後の伝言。
一握りの最後の希望を抱えて向かう先は…………西の自由都市、アイス。
美女の事しか頭にない、あの鬼畜戦士の許だった。
本作は1991年に発売された『ランス3』のリメイク作になります。
普段は新作ばかり追いかけているので、リメイクはほとんどプレイしません。
しかし大好きなランスシリーズとなると、話は変わってきます。
もっとも、前2作に関しては、リメイクをプレイしていませんでした。
ランスシリーズが飛躍的に面白くなり、
現在につながる世界観が作られたのが3作目だったので、
もしリメイクをプレイすることがあったとしても、
3からだろうなと思っていたものですから。
従って、ランス旧作のリメイクをプレイしたのは、
今作が初めてとなります。
まぁリメイクが初プレイというだけであり、
「ランス3」自体はかなり前にプレイしていますし、
記事でも既に扱っています。
なので、今更ここで扱う必要もないかなと考えていたのだけれど、
せっかくプレイしたわけですからね。
変更点などを中心に、
今回は半分以上は自分の備忘録として残しておきたいかなと。
今回のリメイクで、ある意味一番目玉だったのが、
ランスシリーズにボイスが付いたことなのでしょう。
アリスの新作には普通に音声が付いているものの、
古い歴史を持つランスシリーズは、
昔からのファンのイメージを崩さないことを第一に考えたのか、
これまでは新作でも音声がありませんでした。
そのランスシリーズに音声が付くというのは、
個人的には今年最も衝撃的な話題だったかもしれません。
古くからのファンとしてはイメージが崩れることが懸念されたのですが、
いざプレイしてみると、この点に関しては全くの杞憂で終わりました。
私だけでなく他の人も褒めているようなので、
多くの従来からのファンが納得したのでしょうね。
歴史がありファンも多いシリーズだけに、
そのファンを納得させるのは言葉でいうほど簡単ではないはずですが、
よくここまでマッチする人を見つけてこれたものです。
アリスは声優選びも上手いという印象があるのだけれど、
本作をプレイしていて一番驚かされ、良い意味での誤算だったのは、
間違いなく音声なのでしょうね、
サブのイベントとかは増えていましたが、
基本的にリメイクだし、以前に書いたことの繰返しになるので、
ここは大幅に割愛します。
ファンタジーものというのは、今ではすっかり定着していますし、
何も珍しくはないのでしょう。
ただ、コメディ性の高い本格的なファンタジーものとなると、
シリアス系よりもずっと遅れての登場となります。
今日のラノベの基礎を作り上げた『スレイヤーズ』も、
1巻の発売は1990年のことですしね。
そのような時代背景だったからこそ、
91年の段階で、しかもゲームで、この内容というのは、
本当に衝撃的だったのです。
だから自分は非常に高く評価したのだけれど、
その後、90年代前半にコメディ性の高いファンタジーも急激に増えましたし、
上記のように今ではすっかり当たり前の存在となりました。
なので、自分は心配でもあったんですよね。
オリジナル版、或いは456版を楽しんだ世代は、
画面が綺麗になっただけでも楽しめるかもしれないけれど、
新規に始める人には凄かった点が分らず、
あまり楽しんでもらえないのではないかと思ったものですから。
でも、評判を見ていると、新規で始めた人にも好評のようですし、
20年以上前のストーリーが今でも受け入れられるわけですから、
それだけ元がしっかりしていたということなのでしょうか。
まぁ、極論としては自分さえ楽しめれば、それでも構わないのだけれど、
それでも新規ファンが増えたと聞くと、
やっぱりちょっと嬉しいですね。
ランスシリーズは戦闘方法も作品によって異なるのだけれど、
確かオリジナルの3と4はタクティカルコンバットシステムでした。
90年頃からSRPGが流行り出したということもありますし、
あの時代の旬の方式だったと言えるのでしょう。
今作は、スマホとかタブレットのRPGのような戦闘方法になっています。
戦闘・探索方法について、
発売時の時代性を反映させるというのであるならば、
今作のような方向性も十分にありだと思うし、
今風のシステムにするのがランスシリーズなのだとしたら、
ランスシリーズらしいと言えるのかもしれません。
だから、細かい部分でスキルが活かしきれないなどの不満はありつつも、
大枠としてこういう方式で行くことに対しては、
一般論としては文句はないです。
ただ、ただね・・・
次第にポンコツ化していく見当かなみですが、
オリジナルの3や4では非常に活躍していたんですよね。
そのかなみちゃんの最大の特徴は回避であり、
四方八方を的に囲まれながらも鬼のように回避する姿と、
敵味方の位置関係を表示するタクティカルコンバットは、
非常に相性が良かったのですよ。
今作のシステムでは、かなみちゃんの回避が全然活かされていないし、
タクティカルコンバットでなくなった時点で、
彼女の大きな見せ場が失われてしまったように思うわけでして。
新作では新キャラとか他のキャラがメインになるのだから、
せめて3と4くらいには、かなみちゃんの見せ場を残して欲しかったなと、
個人的には少しやりきれない思いも残ってしまいました。
ランスシリーズでは、『ランス4』が初のHDD対応になり、
それもあってかグラフィックも大いに進化しました。
言い換えるならば、3までは、
それほど良いグラフィックではなかったのです。
3までのファンの中には、
せめてグラフィックだけでもという想いもあった人もいたでしょうし、
今回のリメイクで綺麗になった点は、非常に喜ばしいものでした。
ただ、2点ほど気になった点もありまして。
一つ目は、これはストーリーやゲームデザインとも関連するのですが、
特別多いわけでもない一枚絵を、モンスター娘に割く必要があったのかと。
女モンスターを捕まえて脱がすというのは、
例えば『カオスエンジェルズ』(1988)などから続いた、
エロゲRPGの伝統要素でもあるのでしょう。
だから90年代のRPGで入れるのなら分かるのですが、
今は決して珍しくはなくなりましたし、
アリスにしても女モンスター特化作品を作っているわけですし、
今更何もランスシリーズに入れなくても良かったのではないかと思うわけで。
今風にアレンジするのであれば、イチャラブ人気なども踏まえて、
もっと各ヒロインとのHやイベントを充実させ、
そこにCGを回して欲しかったように思います。
それと二つ目は、本作はストーリー性の高い作品ということで、
印象的なシーンも多数存在します。
オリジナル版よりもプラスアルファがあれば嬉しいのはもちろんですが、
まずそれよりもオリジナル版の名場面の一枚絵は、
きちんと移植して欲しかったです。
オリジナル版のランス3において私が最も好きだったシーンの、
その部分のイベントCGが本作ではなくなっており、
何ともガッカリしてしまいましたから。
グラフィックについて纏めるならば、
確かに画面は綺麗になったのだけれど、
そのCGの内容というか配分に疑問が残った形となりました。
絵が綺麗になり音声が付いたという良くなった部分はあるものの、
気になったりマイナスになった部分も少なからずあったわけで、
一長一短あるリメイクとなるでしょうか。
従って、完全にオリジナルの上位互換とまでは言えないのかなと。
むしろマイナス要因が大事な部分に多いことから、
個人的にはやや消化不良な感じですかね。
それと、上記のように個々に判断するとプラスに感じられても、
トータルで考えた場合に、それを優先するのかと、
少し疑問に残る部分もありまして。
リメイクとして何がやりたかったのか、どういう方向にしたかったのか、
その意図が少し見えにくいのが気になりました。
ただそれでも、トータルとしては十分に面白かったです。
リメイクなのでランクは表示しませんが、
最低でも良作以上の作品と言えるのでしょう。
一般的に、リメイク作をプレイして、
オリジナルを知っているかのように語られるのは、
個人的には好きではないのですけどね。
でも、そんなことは関係なしに、
本作をプレイして新たにファンが増えてくれるならば、
それはそれで、ただ単純に嬉しいですね。
AMAZON

駿河屋

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春ゆきてレトロチカ AMBITIOUS MISSION 蒼の彼方のフォーリズム EXTRA2
アリスソフトから発売されました。
本作は1991年に発売され、シリーズの世界観を作り上げた、
ランス3のリメイク作品になります。

<概要>
ゲームジャンルはノベル系ADVになります。
あらすじ・・・
LP2年、4月。
その日、東の大国リーザスの王都が陥落した。
侵攻軍は、皇子パットン率いる北の軍事大国ヘルマンの精鋭たち。
そして何人にも傷つけられぬ、他を冠絶する力を持つ存在――魔人。
城は瞬く間に制圧され、指揮を執るべき王女リアは囚われの身となった。
――リーザス、滅亡。
一夜にして過去の存在と成り果てたリーザスから、
ひとりの忍者が落ち延びていた。
手にするのはリーザスの国宝。そして、王女からの最後の伝言。
一握りの最後の希望を抱えて向かう先は…………西の自由都市、アイス。
美女の事しか頭にない、あの鬼畜戦士の許だった。
<感想>
本作は1991年に発売された『ランス3』のリメイク作になります。
普段は新作ばかり追いかけているので、リメイクはほとんどプレイしません。
しかし大好きなランスシリーズとなると、話は変わってきます。
もっとも、前2作に関しては、リメイクをプレイしていませんでした。
ランスシリーズが飛躍的に面白くなり、
現在につながる世界観が作られたのが3作目だったので、
もしリメイクをプレイすることがあったとしても、
3からだろうなと思っていたものですから。
従って、ランス旧作のリメイクをプレイしたのは、
今作が初めてとなります。
まぁリメイクが初プレイというだけであり、
「ランス3」自体はかなり前にプレイしていますし、
記事でも既に扱っています。
なので、今更ここで扱う必要もないかなと考えていたのだけれど、
せっかくプレイしたわけですからね。
変更点などを中心に、
今回は半分以上は自分の備忘録として残しておきたいかなと。
<サウンド>
今回のリメイクで、ある意味一番目玉だったのが、
ランスシリーズにボイスが付いたことなのでしょう。
アリスの新作には普通に音声が付いているものの、
古い歴史を持つランスシリーズは、
昔からのファンのイメージを崩さないことを第一に考えたのか、
これまでは新作でも音声がありませんでした。
そのランスシリーズに音声が付くというのは、
個人的には今年最も衝撃的な話題だったかもしれません。
古くからのファンとしてはイメージが崩れることが懸念されたのですが、
いざプレイしてみると、この点に関しては全くの杞憂で終わりました。
私だけでなく他の人も褒めているようなので、
多くの従来からのファンが納得したのでしょうね。
歴史がありファンも多いシリーズだけに、
そのファンを納得させるのは言葉でいうほど簡単ではないはずですが、
よくここまでマッチする人を見つけてこれたものです。
アリスは声優選びも上手いという印象があるのだけれど、
本作をプレイしていて一番驚かされ、良い意味での誤算だったのは、
間違いなく音声なのでしょうね、
<ストーリー>
サブのイベントとかは増えていましたが、
基本的にリメイクだし、以前に書いたことの繰返しになるので、
ここは大幅に割愛します。
ファンタジーものというのは、今ではすっかり定着していますし、
何も珍しくはないのでしょう。
ただ、コメディ性の高い本格的なファンタジーものとなると、
シリアス系よりもずっと遅れての登場となります。
今日のラノベの基礎を作り上げた『スレイヤーズ』も、
1巻の発売は1990年のことですしね。
そのような時代背景だったからこそ、
91年の段階で、しかもゲームで、この内容というのは、
本当に衝撃的だったのです。
だから自分は非常に高く評価したのだけれど、
その後、90年代前半にコメディ性の高いファンタジーも急激に増えましたし、
上記のように今ではすっかり当たり前の存在となりました。
なので、自分は心配でもあったんですよね。
オリジナル版、或いは456版を楽しんだ世代は、
画面が綺麗になっただけでも楽しめるかもしれないけれど、
新規に始める人には凄かった点が分らず、
あまり楽しんでもらえないのではないかと思ったものですから。
でも、評判を見ていると、新規で始めた人にも好評のようですし、
20年以上前のストーリーが今でも受け入れられるわけですから、
それだけ元がしっかりしていたということなのでしょうか。
まぁ、極論としては自分さえ楽しめれば、それでも構わないのだけれど、
それでも新規ファンが増えたと聞くと、
やっぱりちょっと嬉しいですね。
<ゲームデザイン>
ランスシリーズは戦闘方法も作品によって異なるのだけれど、
確かオリジナルの3と4はタクティカルコンバットシステムでした。
90年頃からSRPGが流行り出したということもありますし、
あの時代の旬の方式だったと言えるのでしょう。
今作は、スマホとかタブレットのRPGのような戦闘方法になっています。
戦闘・探索方法について、
発売時の時代性を反映させるというのであるならば、
今作のような方向性も十分にありだと思うし、
今風のシステムにするのがランスシリーズなのだとしたら、
ランスシリーズらしいと言えるのかもしれません。
だから、細かい部分でスキルが活かしきれないなどの不満はありつつも、
大枠としてこういう方式で行くことに対しては、
一般論としては文句はないです。
ただ、ただね・・・
次第にポンコツ化していく見当かなみですが、
オリジナルの3や4では非常に活躍していたんですよね。
そのかなみちゃんの最大の特徴は回避であり、
四方八方を的に囲まれながらも鬼のように回避する姿と、
敵味方の位置関係を表示するタクティカルコンバットは、
非常に相性が良かったのですよ。
今作のシステムでは、かなみちゃんの回避が全然活かされていないし、
タクティカルコンバットでなくなった時点で、
彼女の大きな見せ場が失われてしまったように思うわけでして。
新作では新キャラとか他のキャラがメインになるのだから、
せめて3と4くらいには、かなみちゃんの見せ場を残して欲しかったなと、
個人的には少しやりきれない思いも残ってしまいました。
<グラフィック>
ランスシリーズでは、『ランス4』が初のHDD対応になり、
それもあってかグラフィックも大いに進化しました。
言い換えるならば、3までは、
それほど良いグラフィックではなかったのです。
3までのファンの中には、
せめてグラフィックだけでもという想いもあった人もいたでしょうし、
今回のリメイクで綺麗になった点は、非常に喜ばしいものでした。
ただ、2点ほど気になった点もありまして。
一つ目は、これはストーリーやゲームデザインとも関連するのですが、
特別多いわけでもない一枚絵を、モンスター娘に割く必要があったのかと。
女モンスターを捕まえて脱がすというのは、
例えば『カオスエンジェルズ』(1988)などから続いた、
エロゲRPGの伝統要素でもあるのでしょう。
だから90年代のRPGで入れるのなら分かるのですが、
今は決して珍しくはなくなりましたし、
アリスにしても女モンスター特化作品を作っているわけですし、
今更何もランスシリーズに入れなくても良かったのではないかと思うわけで。
今風にアレンジするのであれば、イチャラブ人気なども踏まえて、
もっと各ヒロインとのHやイベントを充実させ、
そこにCGを回して欲しかったように思います。
それと二つ目は、本作はストーリー性の高い作品ということで、
印象的なシーンも多数存在します。
オリジナル版よりもプラスアルファがあれば嬉しいのはもちろんですが、
まずそれよりもオリジナル版の名場面の一枚絵は、
きちんと移植して欲しかったです。
オリジナル版のランス3において私が最も好きだったシーンの、
その部分のイベントCGが本作ではなくなっており、
何ともガッカリしてしまいましたから。
グラフィックについて纏めるならば、
確かに画面は綺麗になったのだけれど、
そのCGの内容というか配分に疑問が残った形となりました。
<総合>
絵が綺麗になり音声が付いたという良くなった部分はあるものの、
気になったりマイナスになった部分も少なからずあったわけで、
一長一短あるリメイクとなるでしょうか。
従って、完全にオリジナルの上位互換とまでは言えないのかなと。
むしろマイナス要因が大事な部分に多いことから、
個人的にはやや消化不良な感じですかね。
それと、上記のように個々に判断するとプラスに感じられても、
トータルで考えた場合に、それを優先するのかと、
少し疑問に残る部分もありまして。
リメイクとして何がやりたかったのか、どういう方向にしたかったのか、
その意図が少し見えにくいのが気になりました。
ただそれでも、トータルとしては十分に面白かったです。
リメイクなのでランクは表示しませんが、
最低でも良作以上の作品と言えるのでしょう。
一般的に、リメイク作をプレイして、
オリジナルを知っているかのように語られるのは、
個人的には好きではないのですけどね。
でも、そんなことは関係なしに、
本作をプレイして新たにファンが増えてくれるならば、
それはそれで、ただ単純に嬉しいですね。
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2015-12-30