『J.Q.V 人類救済部 ~With love from isotope~』

『J.Q.V 人類救済部 ~With love from isotope~』

『J.Q.V 人類救済部 ~With love from isotope~』は、
2012年にWIN用として、StudioBeastから発売されました。

同人ゲーの中では、そつなく纏まった作品でしたね。

J.Q.V 人類救済部

<概要>


ゲームジャンルはノベル系ADVになります。

あらすじ・・・
島地は屋根の上、雲を眺めていた。
世界は今日も日常のまま横たわって、時間は規則正しく今を過去へと送る。
無人の町、無人の廊下、無人の教室。
誰もいない学園で、島地は小柄な少女・芽依に出会う。
「私ね、部活を作るんだ」
無人の学園に似つかわしくない言葉。
――――人類救済部。
無人の世界に空しく響く言葉。
今や世界から、人類は滅亡していた。
生存者、わずか3名の滅亡世界。
人類のいない世界で、少女達は何を救済するのだろうか――――

<感想>


同人ゲーというのは、どこかしらに他では見かけにくい尖った要素、
即ちオンリーワンと呼べる要素があることが多いです。
そういうのを求めて自分なんかも、
これまでにいろいろプレイしていたりするわけです。
まぁ、それはそれで満足することも多いのだけれど、
一方で何かしら欠けている作品が大半です。
全部優れた作品が良いですと、昔誰かに言われたことがあるけれど、
そういう人は同人ゲーは向かないのでしょうね。

さて、本作もまた同人ゲーなのだけれど、
まず率直に思ったことは、よく作ったよなということでしょうか。
作品のボリュームもフルプライス並だし、
CG枚数も同価格帯の商業作品よりはるかに多いし、
キャラデザだって見劣りしないし、
それでいて音声もきちんと付いていますからね。
ここまで揃っていて、
なおかつストーリーでも楽しめる同人ノベルなんてのは、
なかなか作れるものではないです。
だからその点は、素直に凄いよなと思いました。

ストーリーは人類滅亡型セカイ系とあるように、
いわゆるセカイ系なのだけれど、
もし自分が他の作品を何も知らなくて、
中高生でこの作品に出合っていたら、
おそらく凄いと絶賛していたでしょうね。

ただ、良く出来ているといえば出来ているのだけれど、
もし自分がゼロ年代前半から中盤頃に中高生だったとして、
その時に話題になったゲームやアニメなどに衝撃を受け、
数年後に自分で何か作ってみようと考えたとしたら、
おそらくそれらを混ぜつつ肉付けしたような物を作ると思うのですよ。
で、本作はまさにそういう作品なんですよね。

まぁ本作に似ていると言われそうな他の作品も、
それ自体また他の作品に似ていると思ったりしますし、
遡るとキリがないので、あえて名前は挙げませんけれど。

とりあえず本作は、
人を選ぶだの尖っているだのと言われやすいだろうし、
あまり他の作品を知らないとそう感じだろうなとは思うけれど、
逆にいろいろ知っていると既視感の方が強くなるわけで、
少なくとも尖っているとは思えなかったですね。

<総合>


個人的には、仮に本作が模倣から逸脱できているにしても、
少なくとも模倣から入っている点にかわりはなく、
あまり個性を感じられなかったわけでして。
尖っているとかオンリーワンとは思えず、
自分が同人ゲーに求めているものはありませんでした。
まぁ欠点らしき欠点もなく、客観的に数字で示せる部分は優秀ですし、
十分楽しめたことは楽しめたのですけどね。
あくまでも、それ以上の突き抜けたものはなかったよねって話です。

これ、いまいちマイナーな気がするのだけれど、何でなんだろう?
シナリオ重視ですって言う人は多いし、
そういう人の褒める作品の傾向からするに、
この作品をプレイしたら絶賛する人もそれなりに出てくるでしょう。
私と似た思考の人が本作に手を出さないのなら理解できますが、
いわゆるシナリオ重視って人ならば、
これは優先してプレイすべきだと思いますけどね。
そういう意味では、もっと知名度があってもおかしくないのですが・・・
今のシナリオ重視の人って、同人はチェックしないのでしょうか。
一昔前なら、確実に話題作だったでしょうに。
何とも不思議に思ってしまいます。
自分の基準からは点数は伸びないのだけれど、
違う観点を重視する人もいるわけでしょ。
そういう人に届いていないのは、何だかもったいないですね。

ランク:C(佳作)

J.Q.V 人類救済部

ダウンロード版
J.Q.V 人類救済部 dl

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