『She’sn ~シーズン~』
『She’sn ~シーズン~』は1998年にWIN用として、
ACCENTから発売されました。
四季を扱ったオムニバス作品でしたね。

ジャンルはオムニバス式のADVになります。
商品紹介は以下の通り。
四つの季節を舞台に、
年下のヒロインとの様々な恋愛模様を描いたオムニバスストーリー。
春は義妹との禁断の想いを綴った淡い純愛が、
夏はなかなか素直になれない幼馴染との甘酸っぱいラブロマンスが、
秋は超勝気な後輩とのドタバタ学園ラブコメディが、
そして冬は不治の病を患う薄幸の少女との儚くも切ないラブストーリーが、
それぞれ楽しめる。
ゲームは、コマンド選択形式のアドベンチャー。
状況に応じて表示されるコマンドを選びながら、ストーリーを進めていく。
全てのエピソードのエンディングを見ると、おまけシナリオも遊べちゃうぞ♪
この作品は当時は結構話題性もあり、そこそこ有名だったと思うし、
サターンにも移植されているので、その意味での知名度もあるし、
従って売上もそれなりにあったと思うのですけどね。
ブランドのファンでもなかったから知らなかったけれど、
ちょっと調べたらACCENTは、これ1本しか出していないのかな・・・
少し意外すぎる印象があるのですが、売れなくて解散というのはなさそうだし、
ライターも原画もその後も活躍を続けていますので、
内部で何か問題でもあったのでしょうか。
さて、本作はオムニバスの作品であり、
具体的には4本のシナリオが収録されています。
タイトルにあるように、一つ一つが四季の何れかを舞台としています。
オムニバスものは数本のストーリーが収録されていますので、
全体でみると感覚的にはマルチストーリーのようなものでもあるんですけどね。
しかし、きちんと見ると、一つ一つのシナリオは完全一本道であることも多いです。
本作は各ストーリー内でバッドエンドもあり分岐しますので、
その点では平均的なオムニバスものより優れていたのでしょう。
正直なところ、あまり記憶に残っていないというか、
普通の恋愛ゲーという印象でした。
ただ、これは上のゲームデザインとも関連するのですが、
本作には4つのストーリーと四季があることで、
様々な場面を見ることができます。
季節によってもイベントは変わりうるものですし、
恋愛SLGの中には1年以上の期間の物もありましたが、
恋愛SLGでは濃いストーリーを表現することが難しいです。
ADVないしノベルの方が濃いストーリーは描きやすいですが、
ノベルとかで1年を扱うとだれたりマイナスに作用しかねません。
いろんな季節と、それに伴う物語を描きたい、
でも無駄に長くしてだれることは避けたいということで、
四季を異なる物語に分断させオムニバスとして出した点は、
個人的には上手い発想だと思いました。
数あるゲームシステムの中で何故それを選んだか見えてこない作品も多いだけに、
既存の手法を使ったにすぎなくても、
本作のように選んだ理由が見えてくるのは好印象なのです。
また4つの物語に4つのヒロイン、
それに各ストーリーにはお邪魔虫が配置されていたり、
コメディ・シリアスの配分にも気を使っていたり、
「当時の恋愛ADV」をしっかり研究して作ったのだなという、
職人気質的なものを感じたものです。
ただ、幸か不幸か、こういうジャンルって、
いろいろグダグダでもストーリーさえ良ければ評価されやすいし、
逆だと評価されにくいわけでして。
本作も製作者の配慮や研究の姿は見えてくるものの、
肝心の骨となるストーリー・シナリオが平凡だったことから、
巷での評判も伸びにくかったのでしょうしね。
もしプレイ直後に、楽しめたか否かという基準だけで判断していたならば、
おそらく私は凡作と言っていたように思います。
決して悪くないものの、良くも悪くも平凡すぎたものですから。
ただ、下調べも研究も何もなく書きたい物を勢いで書いたような作品が多い中、
本作が意図したものはしっかり伝わってきたようには思うわけで、
その点を加味して佳作としておきます。
良い意味でも悪い意味でも教科書的な作品って感じでしたね。
ランク:C-(佳作)
ダウンロード版

関連するタグ WIN /ADV /ノベル系 /
春ゆきてレトロチカ AMBITIOUS MISSION 蒼の彼方のフォーリズム EXTRA2
ACCENTから発売されました。
四季を扱ったオムニバス作品でしたね。

<概要>
ジャンルはオムニバス式のADVになります。
商品紹介は以下の通り。
四つの季節を舞台に、
年下のヒロインとの様々な恋愛模様を描いたオムニバスストーリー。
春は義妹との禁断の想いを綴った淡い純愛が、
夏はなかなか素直になれない幼馴染との甘酸っぱいラブロマンスが、
秋は超勝気な後輩とのドタバタ学園ラブコメディが、
そして冬は不治の病を患う薄幸の少女との儚くも切ないラブストーリーが、
それぞれ楽しめる。
ゲームは、コマンド選択形式のアドベンチャー。
状況に応じて表示されるコマンドを選びながら、ストーリーを進めていく。
全てのエピソードのエンディングを見ると、おまけシナリオも遊べちゃうぞ♪
<はじめに>
この作品は当時は結構話題性もあり、そこそこ有名だったと思うし、
サターンにも移植されているので、その意味での知名度もあるし、
従って売上もそれなりにあったと思うのですけどね。
ブランドのファンでもなかったから知らなかったけれど、
ちょっと調べたらACCENTは、これ1本しか出していないのかな・・・
少し意外すぎる印象があるのですが、売れなくて解散というのはなさそうだし、
ライターも原画もその後も活躍を続けていますので、
内部で何か問題でもあったのでしょうか。
<ゲームデザイン>
さて、本作はオムニバスの作品であり、
具体的には4本のシナリオが収録されています。
タイトルにあるように、一つ一つが四季の何れかを舞台としています。
オムニバスものは数本のストーリーが収録されていますので、
全体でみると感覚的にはマルチストーリーのようなものでもあるんですけどね。
しかし、きちんと見ると、一つ一つのシナリオは完全一本道であることも多いです。
本作は各ストーリー内でバッドエンドもあり分岐しますので、
その点では平均的なオムニバスものより優れていたのでしょう。
<ストーリー>
正直なところ、あまり記憶に残っていないというか、
普通の恋愛ゲーという印象でした。
ただ、これは上のゲームデザインとも関連するのですが、
本作には4つのストーリーと四季があることで、
様々な場面を見ることができます。
季節によってもイベントは変わりうるものですし、
恋愛SLGの中には1年以上の期間の物もありましたが、
恋愛SLGでは濃いストーリーを表現することが難しいです。
ADVないしノベルの方が濃いストーリーは描きやすいですが、
ノベルとかで1年を扱うとだれたりマイナスに作用しかねません。
いろんな季節と、それに伴う物語を描きたい、
でも無駄に長くしてだれることは避けたいということで、
四季を異なる物語に分断させオムニバスとして出した点は、
個人的には上手い発想だと思いました。
数あるゲームシステムの中で何故それを選んだか見えてこない作品も多いだけに、
既存の手法を使ったにすぎなくても、
本作のように選んだ理由が見えてくるのは好印象なのです。
また4つの物語に4つのヒロイン、
それに各ストーリーにはお邪魔虫が配置されていたり、
コメディ・シリアスの配分にも気を使っていたり、
「当時の恋愛ADV」をしっかり研究して作ったのだなという、
職人気質的なものを感じたものです。
ただ、幸か不幸か、こういうジャンルって、
いろいろグダグダでもストーリーさえ良ければ評価されやすいし、
逆だと評価されにくいわけでして。
本作も製作者の配慮や研究の姿は見えてくるものの、
肝心の骨となるストーリー・シナリオが平凡だったことから、
巷での評判も伸びにくかったのでしょうしね。
<総合>
もしプレイ直後に、楽しめたか否かという基準だけで判断していたならば、
おそらく私は凡作と言っていたように思います。
決して悪くないものの、良くも悪くも平凡すぎたものですから。
ただ、下調べも研究も何もなく書きたい物を勢いで書いたような作品が多い中、
本作が意図したものはしっかり伝わってきたようには思うわけで、
その点を加味して佳作としておきます。
良い意味でも悪い意味でも教科書的な作品って感じでしたね。
ランク:C-(佳作)
ダウンロード版

関連するタグ WIN /ADV /ノベル系 /
春ゆきてレトロチカ AMBITIOUS MISSION 蒼の彼方のフォーリズム EXTRA2
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2014-04-16