『あゆみちゃん物語 実写版』
コアマガジンから発売されました。
93年にアリスから発売された『あゆみちゃん物語』の実写版になります。

<概要>
まず発売元のコアマガジンというのは、
人によっては凄く馴染みがあるかもしれませんが、
ゲームしかやらない人だとあまりピンとこないかもしれません。
アダルトゲーム関連で話すならば、
ゲーム雑誌の「メガストア」を出している出版社です。
そのコアマガジンから発売された本作は、
93年に発売されたアリスソフトの『あゆみちゃん物語』を文字通り、
全部実写で作り直した作品になります。
基本的に二次元の絵がそのまま実写になっただけですので、
本家『あゆみちゃん物語』を知っている人ならば、
大体どういうゲームかは想像できると思います。
簡単に説明すると、CG100%を目指して、あゆみちゃんとひたすらHするADVになります。
一応パラメーターもあるので、調教ADVっぽい感じですね。
もし知らない人がいましたら、詳しくは『あゆみちゃん物語』の記事を参照ください。
まぁやっていることは同じとは言え、
実写でやられるとインパクトが違ってきますからね。
オリジナルを知っていても、これはこれで一見の価値があります。
尚、あくまでも元がアリスのゲームということにすぎませんので、
製作はアリスとは別になります。
従ってアリス作品にお決まりの「アリスの館」もなく、
代わりに「メガストアの館」が収録されています。
<実写ゲーというもの>
実写のアダルトゲームの起源は古かったりします。
以前書いた記事には年数も書いているはずなのですが・・・
忘れちゃったな・・・年取ると駄目だね。
何れにしろ80年代半ばには幾つかあり、ちょっとしたミニゲームをやって、
見事クリアすればCGが見られるってのが大半だったと思います。
美少女、ロリ、実写、劇画と、PC88はわりと何でもありでしたね。
ドットでちまちま描いていたら絵が変だろと思う人もいるかもしれませんが、
昔のゲームとして変なCGを紹介しているサイトの記事なんかは、
多くの場合は意図的にそういうのを選んでいるわけでして。
今だって凄く綺麗なCGもあれば、バランスの変なCGだってありますからね。
いつの時代もピンからキリまであるわけですよ。
80年代のあの時代のゲームであっても、
スキャナ取り込みの場合はキャラも非常に可愛かったですしね。
偏見や思い込みを捨てて探すならば、わりといろいろあったように思います。
その後の90年代前半は、機種の特性や需要と供給により、
得意とする分野が変わってきます。
アダルトゲームと言えばPC98と連想されやすいのですが、
PC98が強かったのは二次元のキャラを用いたアダルトゲームです。
アダルトなゲームは何も二次元に限られるわけではなく、
当然三次元・実写だってあります。
しかしその実写を用いた作品はPC98では非常に弱く、
実写キャラを用いたデートシミュレーションなどは、
大容量高画質なゲームを作れるMACとかTOWNSが中心でした。
またMAC等はCD-ROMを採用していたことから、アダルトビデオメーカーの参入もあり、
アダルトなインタラクティブムービーであるとか、
中には90年代前半にしてHシーンをザッピングさせる斬新なゲームもありました。
それが90年代半ばのWIN95が登場する辺りまでの、
実写アダルトゲー事情なんですよね。
以前にコラムで扱っていますので、もうこれ以上は書きませんけれど。
だから実写のアダルトゲームがなかったと言えば嘘になるし、
他機種で斬新な構造のオリジナル作品もありますので、
リメイクにすぎない『あゆみちゃん物語 実写版』の存在をもって、
意欲的な作品であるとか野心作と表現するのは、
私は完全に間違っているのだと思います。
そういう意見は、PC98しか知らない人の意見にすぎません。
でもね、そういう意見を少し擁護しますと、
アダルトゲーマーのほとんどが当時はPC98ユーザーだったわけでして。
やっぱり大半の人にとっては、実写のアダルトゲーと言われると、
とっさに浮かんでくるのがこの作品なんだと思います。
この後に『虜』の実写版なんかも出てきますし、
実写のアダルトゲームは二次元のを実写にリメイクしたものが中心と、
そんな風に考えている人もそれなりにいたんじゃないかなと。
もしそういうイメージの人が今もいるのだとしたら、
そのイメージを作った元になったという意味では、
本作のインパクトは大きかったのかもしれないですね。
古いゲームを紹介したカタログ本とかもあり、
そういう書籍は私も記憶喚起用に今でも重宝しています。
しかし対象・範囲の違いなど、何か理由でもあるのでしょうか。
何故かそれらカタログ本では本作は紹介してあるものの、
他の実写ゲーは紹介しておらず、
そういった辺りも誤解を招く原因になっているかもしれません。
二次元のゲームは結構頭の中で整理がついてきているのですが、
三次元のゲームは記憶や情報が散漫になっていますので、
いつか実写アダルトゲーの変遷をゆっくり見てみたい気もしますね。
ランク:C-(佳作)

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