the Black Box

the Black Box

『the Black Box』は2003年にWIN用として、
SPIELから発売されました。

ゲームジャンル:P&C式ADV

the Black Box

今世紀、或いは90年代末からADVを始めた人にとっては、
ADVは恋愛ゲームという印象が強いのかもしれません。
でも、80年代からADVにはまった私のような人ならば、
大抵が推理物の印象を抱くのではないでしょうか。
つまり、何だかんだ言っても推理物が大好きなのですよ。
そして、システム的にはP&C式のADVが好きなのです。

端的に言うと、本作はそういうゲームなのです。
移動マップで移動先を選択し、
カーソルであちこちクリックしながら物語を進める。
ストーリーも田舎を舞台にしたサスペンス物。

昔からADVをやっている人には王道すぎる構造かもしれませんが、
近年はこういうゲームが本当にないんですよね。
だから、もう遊べるってだけで嬉しくなってくるのです。

そういうわけで、主観的にはかなり応援したくもなるのですが、
必ずしも諸手を挙げて褒められる出来ではなかったんですよね。
何と言うか毒にも薬にもならないような、
欠点もないけど目だった特徴もないゲームだったのですよ。

ストーリーは骨太でがっしりしたミステリーで、十分に楽しめました。
派手なトリックだけで見掛け倒しなミステリー物も増えている中で、
落ち着いて楽しむことができましたしね。
だから全く叩くところもないのですが、
かと言って名作だと言い切るほどには優れてもいなかったわけで。

システムも他のノベルゲームよりはADVをやったって満足感があるのですが、
優れた他の同系統のゲームと比べると、
まだまだ練りこみが足りないんですよね。
加えて、細かなシステム周りも貧弱で、
ちょっとしたことでストレスがたまりがちでしたし。

もっとも、それでもグラフィックやサウンドが優れていれば、
昔のADVを今風にアレンジした作品として評価することも出来るでしょう。
振り返れば『クロス探偵物語』や『ミッシングパーツ』だって、
特別に新しいシステムがあったわけではないですからね。
システム的な斬新さがなくとも他の長所があれば、
それはそれで名作にもなりうるわけです。

でも、本作は音声はないし、グラフィックも非常に地味だったわけでして。
本当にこれが2003年のゲームなのかって思ってしまう、
そんな雰囲気を漂わせていたんですよね。

どの部分も、決して単独では欠点ではないのです。
でも、強烈な長所とまでは言えないわけで、
だから上で書いたような印象になってしまったのです。

まぁ、当時の推理物にはあまりなかった分岐の要素がありますからね。
これが97年頃までに発売されていたら、
或いは名作と判断したのかもしれないですけれど、
ちょっと遅すぎましたね。

十分楽しめて満足もできたけど強烈な長所もないということで、
総合的には良作ってところでしょうか。
シナリオにしか興味のない人には合わないと思いますが、
昔ながらの推理ゲームに飢えている人ならば、
最低でも元は取れるゲームだと思うんですよね。
2003年はガッカリしたゲームが多かっただけに、
余計にもこのゲームが救いでありました。
本作は続編の話もあったのですが、
残念ながらブランドがなくなってしまったようです。
最近は手薄な分野ですし、期待していただけに残念でしたね。

ランク:B-(良作)

ダウンロード版
the Black Box

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