エスケイプ!
『エスケイプ!』は1996年にPC98用として、
メイビーソフトから発売されました。
PC-98時代のメイビーソフトの代表作と言ったら、
これになるんですかね。
ゲームジャンル:移動式ADV

ふりかえってみると、
メイビーソフトのゲームは結構やった記憶があります。
でもゲームが凄く面白かったのかと言われると、
決してそうでもないわけでして。
何かしら惹かれる要素があるから購入するのだけれど、
大抵の場合は期待はずれに終わってしまうんですよね。
メイビーソフトはPC-98時代からゲームを作っているところではありますが、
むしろ評判の良い作品は近年に発売されたものが多く、
90年代の作品で面白いものとなるとほとんどないようにも思います。
初期のシナリオゲーの中には良い物もありましたが、
あまり後のメイビーらしさというか、
ちょっと変わった雰囲気の作品という感じではなかったですしね。
メイビーらしい、ちょっと変わった作品でありつつ、
90年代の98時代のメイビーの代表作を1つ挙げるとするならば、
それはこの『エスケイプ!』辺りのように思います。
ここで簡単に設定を書きますと、
主人公は探検家ですが、ある時、帰り道に落盤事故に遭い、
地底深くに閉じ込められてしまいます。
なのでそこから脱出を試みるわけですが、
その過程で中で出会った女の子らとHをしたりするわけですね。
システムは移動式のADVでした。
つまりRPGのダンジョンを徘徊するような感じで、
違いは戦闘がないってことになります。
このゲーム、ストーリーが格別優れているかと言うと、
決してそんなことはありません。
また脱出モノとは言っても複雑な謎解きもなく、
女の子とHするためにあっちこちふらふらすれば良いだけで、
クリアに困ることもほとんどないでしょう。
だから、ストーリー何点システム何点とかってやると、
あまり点が伸びないおそれもあります。
しかしプレイして面白く感じたのは、
何よりシステムとストーリーの一体感があったからだと思います。
閉じ込められた地底から出るためにあちこち動き回るというのが、
このストーリーにはピッタリマッチしていたわけで、
手段選択が上手かったということなのだと思います。
本作のもう一つの魅力はキャラで、
まずは原画である影崎夕那さんの描くキャラで、
エロイ展開が楽しめたことが挙げられるでしょう。
私はそれほど熱狂的なファンでもないのですが、
影崎さんは当時は非常に人気のあった方ですし、
ファンなら尚楽しめたように思います。
またヒロイン以外にも、地底には多くのキャラが登場するのですが、
このモブたちが個性的だったわけでして。
こういうキャラたちとの会話を存分に楽しむって観点からも、
やっぱりこのゲームにはこのシステムしかありえなかったと思います。
RPGでもたまに街の住民との会話が楽しくて、
冒険ほったらかしで会話を楽しみたくなるゲームってありますよね。
『エスケイプ!』はその部分に特化した作品と言えるのかもしれません。
そういうわけで、基本的に非常に楽しい作品でした。
何のために映画でも小説でもなくゲームという手段を選んだのか、
その辺がはっきり見えてきますからね。
設定とシステムの齟齬が気になりやすい私は特に、
こういう作品は素直に良いなって思えてきます。
欲を言えばせっかくの脱出ものなのですから、
もう少しやり応えを追求して欲しかったわけで、
それができてボリュームもあれば名作もありえたのかなと。
まぁ、制作者はあえてそうしたみたいなので、脱出云々よりも、
その過程での人々との触れ合いの方を大事にしたかったということで、
それはそれで主張は一貫しているのかもしれませんけどね。
十分楽しい良作ではありますし、
98時代のメイビー作品を代表する作品ではありますが、
個人的にはその辺がちょっと勿体無かったかなと思いますね。
ランク:B-(良作)

関連するタグ PC98 /ADV /
消えた世界と月と少女 少女グラフィティ 少女と年の差、ふたまわり。
メイビーソフトから発売されました。
PC-98時代のメイビーソフトの代表作と言ったら、
これになるんですかね。
ゲームジャンル:移動式ADV

<概要>
ふりかえってみると、
メイビーソフトのゲームは結構やった記憶があります。
でもゲームが凄く面白かったのかと言われると、
決してそうでもないわけでして。
何かしら惹かれる要素があるから購入するのだけれど、
大抵の場合は期待はずれに終わってしまうんですよね。
メイビーソフトはPC-98時代からゲームを作っているところではありますが、
むしろ評判の良い作品は近年に発売されたものが多く、
90年代の作品で面白いものとなるとほとんどないようにも思います。
初期のシナリオゲーの中には良い物もありましたが、
あまり後のメイビーらしさというか、
ちょっと変わった雰囲気の作品という感じではなかったですしね。
メイビーらしい、ちょっと変わった作品でありつつ、
90年代の98時代のメイビーの代表作を1つ挙げるとするならば、
それはこの『エスケイプ!』辺りのように思います。
ここで簡単に設定を書きますと、
主人公は探検家ですが、ある時、帰り道に落盤事故に遭い、
地底深くに閉じ込められてしまいます。
なのでそこから脱出を試みるわけですが、
その過程で中で出会った女の子らとHをしたりするわけですね。
システムは移動式のADVでした。
つまりRPGのダンジョンを徘徊するような感じで、
違いは戦闘がないってことになります。
<感想>
このゲーム、ストーリーが格別優れているかと言うと、
決してそんなことはありません。
また脱出モノとは言っても複雑な謎解きもなく、
女の子とHするためにあっちこちふらふらすれば良いだけで、
クリアに困ることもほとんどないでしょう。
だから、ストーリー何点システム何点とかってやると、
あまり点が伸びないおそれもあります。
しかしプレイして面白く感じたのは、
何よりシステムとストーリーの一体感があったからだと思います。
閉じ込められた地底から出るためにあちこち動き回るというのが、
このストーリーにはピッタリマッチしていたわけで、
手段選択が上手かったということなのだと思います。
本作のもう一つの魅力はキャラで、
まずは原画である影崎夕那さんの描くキャラで、
エロイ展開が楽しめたことが挙げられるでしょう。
私はそれほど熱狂的なファンでもないのですが、
影崎さんは当時は非常に人気のあった方ですし、
ファンなら尚楽しめたように思います。
またヒロイン以外にも、地底には多くのキャラが登場するのですが、
このモブたちが個性的だったわけでして。
こういうキャラたちとの会話を存分に楽しむって観点からも、
やっぱりこのゲームにはこのシステムしかありえなかったと思います。
RPGでもたまに街の住民との会話が楽しくて、
冒険ほったらかしで会話を楽しみたくなるゲームってありますよね。
『エスケイプ!』はその部分に特化した作品と言えるのかもしれません。
<総合>
そういうわけで、基本的に非常に楽しい作品でした。
何のために映画でも小説でもなくゲームという手段を選んだのか、
その辺がはっきり見えてきますからね。
設定とシステムの齟齬が気になりやすい私は特に、
こういう作品は素直に良いなって思えてきます。
欲を言えばせっかくの脱出ものなのですから、
もう少しやり応えを追求して欲しかったわけで、
それができてボリュームもあれば名作もありえたのかなと。
まぁ、制作者はあえてそうしたみたいなので、脱出云々よりも、
その過程での人々との触れ合いの方を大事にしたかったということで、
それはそれで主張は一貫しているのかもしれませんけどね。
十分楽しい良作ではありますし、
98時代のメイビー作品を代表する作品ではありますが、
個人的にはその辺がちょっと勿体無かったかなと思いますね。
ランク:B-(良作)

関連するタグ PC98 /ADV /
消えた世界と月と少女 少女グラフィティ 少女と年の差、ふたまわり。
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2012-11-14