90年代のADVの話 その6

90年代のADVの話 その6

前回はビル・アップルトンの名前を挙げたところで終わったので、今回はそこから見ていくことにします。
本当はマイク・セアンツを先に見るべきなのでしょうが、こっちの方が何となく据わりが良いものですから。

ビル・アップルトンはジョー・スパークスらがスペースシップワーロックを制作した後にリアクター社に入りましたので、スペースシップワーロックの製作には関与していません。
ただ、人によっては結構馴染みのある人もいるのかなと思うわけでして。

というのも、前回にも少し名前を挙げたのですが、MACの代表的なオーサリングツールにハイパーカードがありまして、MYSTなどはそれを用いて作られたわけですね。
そのハイパーカードの上位版というか改良版としてスーパーカード(Super Card)というものがありました。ビル・アップルトンはそのスーパーカードの製作者なのです。だからゲームデザイナーとしては知らないという人でも、MACをいじっていた人なんかだと、名前だけならわりと知っているのかなと。

で、そのビル・アップルトンなのですが、リアクター社から独立してサイバーフリックス社を設立します。リアクター社関連の重要人物はジョー・スパークス、マイク・セアンツ、ビル・アップルトンの3人がいるのですが、ゲームを一番多く作ったという点では、ビル・アップルトンが該当するように思います。サイバーフリックス社で作ったゲームの内、最初の4本は日本語版も発売されていますので、日本語化されたゲームの数も一番多いのでしょう。

本当は全部のゲーム、或いは少なくとも日本語化された4作品だけでもプレイしていれば、もっといろんな面が見えたのかもしれませんけどね。サイバーフリックス社での最初の2作、『ルニカス』と『ジャンプレイブン』はシューティングゲームでした。そのため私はプレイしていないし、どんなゲームだかよく分かりません。
ムービー系のゲームでシューティングと言うと、それこそ昔のLDゲームっぽく思えてしまいますけどね。でもプレイした人の感想を見てみると、最先端の技術を用いて、CD-ROM及びCGを駆使したシューティングでありつつも、快適にプレイできたようですね。さすがにスーパーカードの作者だけあって、技術的な面に関しては優れていたということなのでしょう。

かようにシューティングだけだったら話はそこで終わってしまうのですが、方針転換がなされたのが3作目の『DUST A TALE OF THE WIRED WEST』でした。(感想は以前に書いてあります)。

『DUST A TALE OF THE WIRED WEST』は簡単に言ってしまうと、アクション要素も混じったADVになります。アクション要素があるのでA・ADVと言う人もいるかもしれませんが、アクション要素はオマケ程度でメイン要素ではありませんし、ここは普通にADVと捉えた方が分かりやすいように思います。

ADVの中でも、具体的にはインタラクティブムービーに属します。西部劇の世界観を表現しようとした箱庭的構造や、音と映像を主に表現する手法はまさしくそうですからね。
もっとも単なるムービーの垂れ流しというのではなく、プレイヤーに自由に行動させつつも、同時に他の実写キャラも動いたり喋ったり、行動に伴う周囲の小物の動きであるとかその動きと音との融合であるといったあたりに、アップルトンのこだわりが見て取れたように思います。
インタラクティブムービーと言うと、インタラクティブな要素のあるムービーということで、ムービーが主でありインタラクティブな部分は従的なものがほとんどだったりします。
しかしDUSTはそうではないわけで、インタラクティブであることが主なのであり、ムービーはインタラクティブな世界観を自然に見せるための補助的な要素になっているように思います。
ひとことで言えばインタラクティブムービーと分類されてしまうのだけれど、その部分が一般的に連想される物とは決定的に違うのでしょうね。

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