黄金の羅針盤

黄金の羅針盤

『黄金の羅針盤』は1990年にPC-98用として、
リバーヒルソフトから発売されました。

私立探偵・籐堂龍之介の活躍する1920シリーズ第2弾。

ゲームジャンル:コマンド選択式ADV
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<概要>


J.B.ハロルドシリーズと並ぶ、リバーヒルソフトの看板シリーズですね。
今は携帯アプリで新作が発売されているのですが、
携帯アプリと本作の間には10年以上の隔たりがあります。
そのため、長きにわたり本作がシリーズ最新作でしたし、
この作品でシリーズは終わったのだとも思ったものです。

また、毎年のように発売されていた80年代のリバーヒルの推理ADVも、
この作品を最後に一時中断となります。
それから少しばかり間隔をあけて、
95年の『ブルーシカゴブルース』のようなADVも何本か出しますが、
それらはムービー中心だったりで毛色が異なってきます。
その辺りも考慮すると本作は、
80年代的なリバーヒルの推理ADVの最後を締めくくった作品であり、
ある意味集大成的な作品と言えるのかもしれませんね。

<感想>


80年代のリバーヒルの推理ADVの魅力は、
何と言ってもストーリーにあります。
厳密にはストーリーそのものよりも世界観の持つ素晴らしい雰囲気と、
多数の登場人物からなる複雑な人間関係の妙ってところでしょうか。

舞台は大正時代の豪華客船。
そこで繰り広げられる連続殺人事件を解くわけですが、
設定からしてそそられるものがありますよね。
客室の細かい描き込みを見ているだけでも、
雰囲気に酔えるってものです。

80年代の中ごろまでは推理ADVがたくさんありました。
そして、それらの多くはコマンド選択式でした。
90年代に入ってPC-98の時代になると、
一般PCゲーのADVは激減し推理ADVも激減します。
そういうこともひっくるめて、
本作は80年代中頃までにたくさんあった推理ADVの、
到達点や行き着いた先といった感じが漂っていました。
この類の作品が好きならまず楽しめるだろうし、
人によっては最高の作品ともなりうるのではないでしょうか。

ただ、名作であることは間違いないのですが、
時代は常に進化していくものです。
グラフィックやサウンドもそうですが、
システムだっていろんなものが出始めてきていますし、
ストーリーもヒロインの存在など、
新しい見せ方などが出始めてきていました。

本作は80年代中頃の推理ADVの到達点と先ほど書きましたが、
それは良い意味でも悪い意味でも当てはまってしまうのです。
つまり新たな方向性のADVが出てきている中にあって、
本作はあまりにかわらなすぎでした。
悪い言い方をすれば、
発売時にして既に古臭さを伴っていたわけです。

確かにストーリーは80年代のADVの中では屈指の出来でしょうが、
移動箇所が前作の倍になりコマンド選択の労力も増えました。
しかも豪華客船という固定された空間が舞台なので、
プレイするにしたがって新たな視覚的刺激が増えるわけでもないですしね。
魅力も最高潮に達したかもしれませんが、
コマンド選択式の持つ悪い面も露骨に表れた作品だったかと思います。
従来のADVの持つ欠点や足りない部分。
それを克服・補強しようとするADVが出てくる中で、
本作は旧態依然としすぎたのです。

私は新しい何かを求める方なので、
到達点と言いつつも評価が伸び切れなかったのは、
そうした理由からなんですね。

まぁ、良い面も悪い面もひっくるめて特徴と言えますからね。
手っ取り早く何か1本で80年代の推理ADVが何かを理解したい若者や、
逆に当時を思いだしたい人なんかには、
この作品は本当に調度良い作品と言えるのではないでしょうか。
そういう意味も含めて、とても象徴的な作品だと思うのです。

ランク:A-(名作)

PCゲームBESTシリーズ メガヒット Vol.14 黄金の羅針盤



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