ゾンビの同級生はプリンセス 不死人ディテクティブ

ゾンビの同級生はプリンセス 不死人ディテクティブ

『ゾンビの同級生はプリンセス 不死人ディテクティブ』は、
2011年にWIN用として、AbelSoftwareから発売されました。

ゲームジャンル:ノベル系ADV

ゾンビの同級生はプリンセス

これを書いたときは、まだ発売から間もない時期でした。
そしてその後の事態には、ただ驚くばかりでしたね。

さて、アーベルの2010年の惨状は何度か耳にしたのですが、
私はプレイしていなかったので、イマイチ実感が沸かなかったわけでして。
2009年のOSCだって癖のあるシステム故に人を選ぶのは確かで、
合わない人はとことん合わないのだろうけれど、
私個人はシステムにも比較的耐えられましたし、
ストーリーは良かったので総合でもかなり楽しめました。
だからたまたま合わない人が買ってしまっただけではないのかと、
そういう前向きな解釈もできたわけで、
それで手を出したのがこの作品だったわけです。

さて、大雑把に分類すると、
本作は特殊能力も前提としたミステリー系となるわけですが、
そういう意味ではOSCとも近い立場にあります。

そしてOSCに近いという点は、システム面にも当てはまります。
本作は基本的にノベル系のADVなのですが、
画面に表示されるテキストの中にクリックできる文字があり、
これをクリックすることで分岐したり新たな情報を得ることができます。

問題は、そのシステムがパッチを当てた後のOSCと同じということなのです。
具体的には、クリックできる文字は赤字になっていますので、
パッチ前のOSCのような全文トレースという地獄からは回避され、
その分は(これでも)プレイしやすくはなっています。
しかし、バックログでのクリックはできないままですし、
不便さはいまだ残ったままとなっています。
見逃したら最初からやり直しというのは酷なわけで、
せめてバックログからのクリックも可能にして欲しかったものです。

また、かわりに分岐ポイントを探し出す楽しみはなくなりました。
つまり苦痛もやや緩和されたけど、唯一の楽しみも奪われてしまったわけです。

これでは、苦痛に感じて挫折する人も大勢でてくるでしょうにね。
私はまだOSCの頃は若干の新鮮さもあったことから耐えられたのですが、
同じことを2度やるなよと思ってしまいました。
面白いシステムを流用するならともかく、
いや面白いシステムであっても単なる流用では私は評価しませんが、
このシステムを流用して一体誰が得をするのかと。

昔の菅野さんは少しずつ改良を加えたりして、
もちろん中には改悪だったり上手く機能しなかった場合もあったのですが、
それでも少なくとも進化しようという姿勢はうかがえたものです。
だからこそ長年追いかけ続けてきたわけですが、
今回はその姿勢を全く感じ取ることが出来ませんでした。
個人的には個々のシステムの不満点以上に、そのことの方が残念でしたね。

また、今どきのゲームにしては珍しく音声もありませんし、
好きなはずの七瀬葵さんの絵も、
塗りの関係からか思ったほど良く感じられませんでした。

とは言え、例えそんな状態であっても、
ストーリーが楽しめれば何だかんだで元がとれちゃうのがADVってものです。
しかしある意味一番の問題はそのストーリーで、
全4話の内、2話までしか収録されていません。
いわゆる続きはWEBでってやつで、後から配信されるそうです。
(この文章をを書いた時点では配信されていなかったのですが、
後に3話が配信されました。
未プレイなので詳細は分かりませんが、それで終わりらしいです。)
これでは有料体験版を掴まされた気になりますし、
最近では有料体験版も評価される傾向があるようですが、
個人的にはそういう作品のストーリーはあまり評価できません。

う~ん、久しぶりに褒めるところのないゲームでしたね。
どうやらこのゲームの製作中に菅野さんが入院したみたいで、
厳密には別の人が仕上げた作品にはなるのでしょう。
でも、それにしたってよくこの状態でGOサインが出たなと思うわけで。
ミステ2への期待にも暗雲が立ち込める作品となってしまいました。

※この文章を書いたのは発売後間もなくだったのですが、
その後、菅野さんは逝去されました。
従って、結果的にこれが最後の作品になってしまいました。
全盛期を知るだけに、
これが最後となってしまったのは非常に悔やまれるところです。

ノベル全盛になってからは、ストーリーの1点さえ良ければ高く評価されがちです。
でも、98時代まではそういう一点突破型は一部の支持を得るにとどまり、
幅広く評価されるにはストーリーだけでなくゲーム性・グラフィック・サウンドなど、
複数の部分で評価される必要がありました。
PC-98時代の剣乃さんの代表作にもそれは当てはまるわけで、
剣乃作品のリメイク版や移植版しか知らない人には馴染みがないかもしれませんが、
やっぱりFM音源を使いこなしていた梅本竜さんのサウンドなしには語れないでしょう。
ここら辺はやっぱりエミュではなく実機がないと感じ取りにくい部分だけに、
一番早く忘れられやすい部分なのかもしれませんけどね。
何にせよ剣乃+梅本の組み合わせが最高だったのですが、
何の因果か二人とも昨年亡くなられてしまい、
1つの時代に幕が下りたようで寂しく思ったものでした。

ランク:E(駄作)

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私も 管理人さん同様 剣乃さんを追いかけ、氏の作品を買いあさったものでした。エルフと袂を分かちアーベルを立ち上げ さてどんなものかと 作品を購入するも 不信感ばかり募ることになりました。メジャー最後がエルフでしたので、シーズ時代に戻ったような 塗りのチープさ、バグの多さ、システムの不親切さ、何より 氏の思い描いてるような出来なのか 妥協の産物ではないのかと悲しくなったものです。結局4本くらい購入して、自分の中で菅野氏は終わった と一区切りつけました。でも心の中で 経営者から一クリエーター菅野ひろゆきとして華々しい活躍を見ることが出来ればとの期待がありました。そこに いきなり菅野氏の訃報です、一つの時代が終わり まさに伝説に成られた感がありました。残念で仕方ありません。

はじめまして、コメントありがとうございます。
ちょっと忙しかったもので、返事が大変遅れてしまいすみません。
剣乃から菅野になった時点で終わったのだ、良かったのは剣乃であって菅野ではないって感じで、段々失望していった人は多かったみたいですね。
個人的には近年のでも楽しめた作品はあるのですが、できればもう一本エルフでの作品を見てみたかったなと。
もし仮に時間を戻せるのなら、そしてアダルトゲーム関係で1つ望みを叶えられるのであれば、エルフを出ないでもう一本作ってくれと願いたいものです。
それと常々菅野さんはミステリーが得意なのではないと思っていただけに、もう一本壮大なSF系を作って欲しかったなと。
私も何度も「自分の中で菅野氏は終わった」と思ったものですが、未練は完全には断ち切れなかったようで、こういう形で幕が下りたのは、やっぱり残念に思ってしまいますね。

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