キラ☆キラ

キラ☆キラ

『キラ☆キラ』は2008年にWIN用として、
OVERDRIVEから発売されました。

ジャンル:ノベル系ADV シナリオ:瀬戸口廉也

キラ☆キラ

さて、ノベル系のADVというとどれも同じに聞こえますが、
最近では逆に珍しくなった画面全体を文字で覆うタイプでしたね。
そして、それがある意味全てを語っているのかもしれません。

ストーリーは一見するとバンド物っぽいのですが、
終盤は鬱方面に重点が移っていきます。
なのでバンド物という部分のみを期待するとあれってなりかねないわけで、
むしろ鬱系であるとか、それらを全部ひっくるめた意味で青春物であるとか、
そういう風に捉えた方がすんなりと楽しめるように思います。

ラストをやや置きにいった印象があったり、
途中で無駄や中弛みがあったりと決して問題がないわけではないのですが、
内容的には概ね楽しめる作品だったのではないでしょうか。
ライターの瀬戸口さんにはファンも結構いますが、
ファンを納得させるだけの内容はあったように思います。
なのでとにかくライターのテキストが読みたいというのであれば、
プレイする価値は十分にあるのでしょうね。

ただ、冒頭でシステムが全てを語ると言いましたが、
ライター色がやや全面に出すぎていたのかなと思うわけでして。
テキストで全て済ませようという傾向が強く、
絵や音やシステムと調和し活かそうという姿勢や、
一体感がやや欠けているように見えてしまいました。
だからなのか、個々に見るとそれなりに良いはずなのに、
どうにもチグハグな印象を受けてしまい、
思ったよりも楽しみ切れなかったようにも思います。

瀬戸口さんはこの作品を最後に小説家に転向しました。
たぶん、それで正解なのだと思います。
読ませるテキストにきちんと下調べをする姿勢など、
小説家として成功する要素は多いと思います。
でも絵や音やゲーム性と連動させる方には向いていないように思うわけで、
本作に関しても総合では佳作が精一杯だと思いますから。
大抵のライターは小説家崩れのようなものなのですが、
何にだって例外はあります。
中にはゲームライターとして失格の烙印を押されながら、
その後成長して小説家として直木賞を獲った人までいますからね。
それと同じ路線を狙えば良いのではないかなと思うわけで、
ゲームライターとしてはあまり評価できないのだけれど、
数年後小説で何か大きな賞を獲っても納得してしまうような、
そんな印象を抱いた作品でしたね。

ランク:C-(佳作)

キラ☆キラ

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