『ATRI ―My Dear Moments―』

『ATRI ―My Dear Moments―』

『ATRI ―My Dear Moments―』は2020年にPC用として、
ANIPLEX.EXEから発売されました。

Steam等から発売されたノベルゲームになります。

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<概要>


ゲームジャンルはノベル系ADVになります。

あらすじ・・・
原因不明の海面上昇によって、地表の多くが海に沈んだ近未来。
幼い頃の事故によって片足を失った少年・斑鳩夏生は、
都市での暮らしに見切りを付け、海辺の田舎町へと移り住んだ。
身よりのない彼に遺されたのは、
海洋地質学者だった祖母の船と潜水艇、そして借金。
夏生は“失った未来”を取り戻すため、
謎の借金取り・キャサリンと共に、
祖母の遺産が眠るという海底の倉庫を目指して潜る。
そこで見つけたのは、
棺のような装置の中で眠る不思議な少女――アトリ。
彼女は、人間と見紛うほどに精巧で感情豊かなロボットだった。
海底からサルベージされたアトリは言う。
「マスターが残した最後の命令を果たしたいんです。
 それまで、わたしが夏生さんの足になります!」
海に沈みゆく穏やかな町で、
少年とロボットの少女の、忘れられない夏が始まる――。

<感想>


端的にいうと、凄く綺麗な背景を楽しみながら、
アトリに萌える作品となります。
設定とかは、特に珍しいものでもないし、
本作のストーリー自体も特にひねったものでもないので、
ストーリーを重視すると少し物足りないと思います。
そもそも、SFな世界観ではあるのですが、
ストーリーを読み進めることを目的としておらず、
序盤はヒューマノイドの少女との日常を楽しむ場面に比重があります。
そのため本作は、ストーリー重視ではなく、
どちらかというとキャラ重視の作品といえます。

ある意味、ありふれてはいるのですが、
上記のとおり背景は綺麗だし、アトリは可愛いので、
雰囲気ゲーとしては心地良く楽しめるでしょう。
あとは、好みの問題でしょうね。
私はアトリが可愛かったし、
キャラ重視の作品を一概に否定するつもりはないのだけれど、
学園を舞台にした作品には食傷気味なので、
こういう異なる舞台でのキャラ重視作品の方が楽しめます。
したがって本作は、私には合った作品でした。
もっとも、キャラ重視の作品の場合、
どのキャラが気に入るかは人それぞれですから、
普通は複数のヒロインが用意されます。
しかし本作のヒロインは一人なわけですから、
その唯一のヒロインであるアトリが好きになれなければ、
作品自体まったく楽しめなくなる可能性があります。
まぁ、嫌われるタイプのキャラではないので、
あまり気にしなくて良いのかもしれませんけどね。

本作に関していえば、上記のとおり、
キャラは可愛いし、背景も綺麗だし、
ライターも実績のある人なのでテキストも問題なく、
部分的に見ると良く出来ているように感じられます。
ただ、プレイしていて何かひっかかるなと思ったのですが、
それは本質的な構造部分に問題があるということなのでしょう。
つまり本作の構造自体はストーリー重視作品のようにみえるのですが、
内容的にはキャラ重視になっています。
キャラ重視の作品を作りたいのであれば、
複数ヒロインにする等、キャラ重視の構造にすれば良いのですが、
ストーリー重視な構造であるために、
キャラ重視という観点からも弱くなってしまうと。
その辺りのちぐはぐさが、どうにも気になってしまいました。
まぁ、低価格なんだから、あれもこれもは無理、
アトリに萌えられないプレイヤーは切り捨てる・・・
くらいに割り切って作られたというのであれば、
なるほどとしか言えないですけどね。

<総合>


部分的には光る部分があるものの、
ストーリー重視の構造でありながら、
そのストーリー部分が薄かったということで、
制作コンセプトに違和感を抱いたことから、
総合では佳作としておきます。

本作はSteamで発売されていますが、
発売方法としては、それが正解なのでしょうね。
制作陣は元々PCでアダルトゲームを作っていた人たちですが、
本作をアダルトゲームとして発売していても、
目の肥えたユーザーからストーリーがものたりないとかいわれ、
あまり評価されなかったと思います。
本作はライトユーザーとか、ノベルゲー入門者向けの作品であり、
そうした層にプレイしてもらうという観点からは、
Steamでの発売は正解だったのだと思います。

そして本作については、Steamで低価格で出せたということ自体が、
ある意味一番の収穫のように思います。
尖った作品でもなく、エロゲとして出す必要性もなく、
そうであれば、幅広い層が安価で手を出せる場所で出すというのは、
十分にありだと思います。
本作の場合、綺麗な背景といったうりもありますが、
それはエロゲで出しても評価されにくいでしょうから、
そういう意味でもSteamでのノベルゲーの発売は、
作り手の可能性を広げることができるのでしょう。

ランク:C(佳作)


関連するタグ WIN /ADV /ノベル系 /


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評価に同意します。一番印象に残ったのは背景でした。

「Steam用」はちょっと誤解を招く表現かと思います。一日遅れとはいえ、DMMでも有料版が配信されていますし、パッケージ版(サントラとセット)も発売からすぐ発表されています。

最後の一文で「をを」と衍字になっています。

ありがとうございます、修正しておきました。

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