『マルコと銀河竜 ~MARCO&GALAXY DRAGON~』

『マルコと銀河竜 ~MARCO&GALAXY DRAGON~』

『マルコと銀河竜 ~MARCO&GALAXY DRAGON~』は、
2020年にWIN用として、TOKYOTOONから発売されました。

大量のCGとカートゥーンアニメの存在により、
発売前から注目を浴びていた作品でした。

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<概要>


ゲームジャンルはノベル系ADVになります。

あらすじ・・・
遠い惑星で暮らすマルコは、
母親の顔を見たことがない。
トレジャーハントに一区切りつけ、仲間の竜であるアルコとともに、
母親を探して旅に出る。
向かう先は、生まれ故郷の地球だった。

<感想>


まず率直な感想から入りますと、なんだかんだで楽しかったです。
今のノベルゲームの多くは恋愛要素が絡み、
それがストーリーのテンポを阻害することも多いのですが、
本作にはそういうところがなく終始テンポ良く進むうえに、
そこに大量のCGが加わって見た目でも変化を味わえることから、
だれることなく一気に楽しめるのです。
本作はギャグテイストの強いSFファンタジーであり、
小難しいことを考えるのではなく、
単純に楽しむことができれば、それで十分な作品といえるでしょう。

ただ、これはプレイした人の全員が感じることでしょうが、
本作はボリュームが非常に少ないです。
ボリュームが多いのかどうか、コスパはどうなのかとか、
その辺が気になる人は、本作に手を出さない方が良いでしょう。
食べ物でたとえるならば、本作は定食ではなく、一品料理なのです。
お金出してご飯を食べるのに、
お腹一杯にならないとはどういうことかと考える人だと、
一品料理ではなく定食を頼むべきなのと同じで、
量は気にしない、自分の満足できる要素が何かあれば十分と、
本作はそう考える人向けと言えるでしょう。

また、上記のとおりボリュームが少ないので、
ストーリー目的にも適していません。
ライターのはと氏のテキストは、好きな人は好きなのですが、
癖が強いので、個人的には結構好みが分かれると思います。
それに加えて過去作よりもボリュームが少ないわけですから、
同じライターのシナリオ目当てであれば、
他の作品を優先させた方が良いといえます。

<グラフィック>


そうなってくると、本作が一品料理として満足しうるのかは、
発売前から話題になっていた大量のCG等の出来にかかってきます。

本作は、ノベルゲームの多くにあるような、汎用立ち絵を使ったパート、
一枚絵(CG)、カートゥーンによるアニメーションの、
大きく分けて3つの表示方法があります。

まず、本作の一枚絵は1000枚にも及ぶといわれ、
その数は並のノベルゲームよりも非常に多いです。
本作をプレイした人の中には、アダルトゲーマーも多いでしょうし、
本作がsteamでも発売されていることからすると、
そもそもノベルゲーをあまり経験していない人も多いでしょう。
上記のプレイヤーにとっては、こういう大量の一枚絵の作品は、
新鮮に見えたかと思います。
ただ、大量の一枚絵の作品というのは、過去にも存在するし、
近年では女性向けノベルに幾つか存在しているので、
古くからのゲーマーや、近年の女性向け作品を知っている人だと、
量が多いというだけでは新鮮には見えないでしょう。
私も後者なので、量が多いというだけでは、特に驚きません。
とはいえ、根本的に私は、CGの多い作品は好きですし、
現に、大量の一枚絵を使った作品に対し、
高く評価した作品はいくつもあります。
ただね、グラフィックがどうあるべきかについて、
私は個別の作品ごとについての正解はあるとしても、
一般論としての正解はないと思っています。
その作品、その作品により、最適な表現方法は異なると考えるからです。
そしてストーリー重視で、盛り上がるシーンが多い作品については、
その大事な盛り上がるシーンで大量の一枚絵を投入するのは、
私は非常に良いことだと思います。
しかし、コメディ系の作品では、その手法には懐疑的です。
ギャグやコメディ系の作品については、
特定のシーンに大量に一枚絵を投じるよりも、
立ち絵とかを細かく動かして終始変化を付ける方が良いと思うのです。
本作も、一枚絵でずっと表現できるのであれば、
特に問題はなかったかもしれません。
しかし、本作はそうではなく、普通の立ち絵パートがあり、
そこの部分の動きは少なかったわけでして。
本作については、大量の一枚絵+動かない立ち絵ではなく、
いっそのこと一枚絵を全部撤廃しても良いから、
立ち絵を絶えず細かく動かす方向で作った方が良かったと思います。
したがって、ストーリーの性質とグラフィックの表現方法とが、
私にはマッチしていたようには見えませんでした。

次に、カートゥーン部分です。
カートゥーン部分だけキャラデザがデフォルメされ、
そのパートだけ浮いて見えるという問題もありますが、
そこはまぁ良しとしましょう。
個人的に疑問だったのは、手間暇かけてカートゥーンアニメをつけて、
一体何がしたかったのかなということです。
私は90年代の海外ADVに感動し、何本もプレイしてきました。
ルーカスアーツ系の作品が特にそうなのですが、
カートゥーンアニメを見ているように、画面が動きまわる中、
海外のADVの多くはP&C式ADVということもあり、
その動き続ける世界の中にプレイヤーとして参加することができました。
国内の作品だって、たとえばやるドラなんかは、
基本はアニメを見るわけですが、
選択肢を選ぶことにより次々と展開がかわっていき、
動き続けるアニメの世界に自分が関与して、
その後の展開が変わる体験をするという感動がありました。
本作には、そうした感動がありません。
ただ見るだけです。
本作はカートゥーンアニメだけで構成されるわけではなく、
上記のとおり、動かないパートもありますから、
これでは普通のカートゥーンアニメの劣化版でしかありません。

<総合>


ゲームとしての付加価値を付けることができず、
むしろアニメの劣化版にしか見えないわけですから、
一品料理として一点でも良いから何か得るものがあればという、
私の希望を満たすことはできませんでした。
これであれば、20年前の作品らの方がずっと良いです。
どういう作品を作ろうとしたのか、作り手の意図が全然見えてこない、
ただ単にボリュームを増やしただけの保守的な作品でした。
そのため、個人的には凡作でも良いかと思いましたが、
制作の意図が見えてこないという気持ち悪さがあるだけで、
上記のとおり小難しく考えなければ単純には楽しめましたし、
ノベルゲー初心者にはこういうのもあるよと示せますので、
総合では佳作としておきます。

ランク:C-(佳作)



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私は小難しいこと抜きに楽しめた体質ですが、この値段でこの短さなら、それこそアニメを買ったほうがいいですね。
そして、やはり専門家の人が書く感想は違うなと、自分の素人っぷりを感じます。

それはそうと『クロスブリードジョーカー』面白そうですね。
久しぶりにゲームをやる意欲が湧いてきました。

カートゥーン系の作品はいろいろやってきましたからね~
単にアニメを入れましたってだけだと、今更感が強くなってしまうのです。
まぁ、私もゲーム関係の仕事をしているわけではないので、専門家ではないですけどね笑

2019年は、この後掲載する同人作品に、もう一本良い作品がありました。
他にもないかは、今探しているところです。

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