『EVE rebirth terror』

『EVE rebirth terror』

『EVE rebirth terror』は2019年にPS4用及びPS Vita用として、
El Diaから発売されました。

今になって続編が出るとは、本当にびっくりでしたね。
オリジナルから数えると約24年ぶりとなる本作は、
ファンの納得のいく作品となっていました。



<概要>


ゲームジャンルはコマンド選択式ADVになります。
なお、詳細については、後で補足します。

あらすじ・・・
バーストエラー事件から一年。
失踪した教師、死因不明の遺体、再び起こる謎の事件。
二人の運命は、また新たな悲劇を辿る…

<感想>


いつ以来の新作になるのでしょうか。
まぁ、調べればすぐに分かるのでしょうが、
このシリーズの続編って、オリジナルの作者ではなく、
すべて他の人が作ったものですからね。
いわば公式の二次創作のようなものであり、
個人的には続編とは思っていません。
ただ、話題性があったり、評判を聞いて、
じゃあやってみようかと思う感じなんですよね。
何だかんだで、オリジナルのキャラが好きなので、
続きは気になってしまいますから。
本作に関しても、当初はプレイする気もありませんでした。
しかし、わりと評判が良いようなので、
それでプレイする気になったというところです。

さて、オリジナルの1作目は、今でも根強いファンがおり、
だからこそ続編も一杯作られてきたのでしょう。
これまでの続編は、そのファンの期待を裏切る作品が多く、
プレイするたびに失望してきた人も多かったと思います。
その点、本作は、キャラの特徴等、
オリジナルのファンが不満を抱かないような仕上がりになっており、
そういう意味では、ファン待望の作品と言えるのかもしれません。

特に氷室恭子のファンとしては、
その活躍が増えたことは喜ばしいところと言えます。
『悦楽の学園』(1994)から氷室が好きだったという人、
私以外にもいると思いますしね。

ただ、概ね面白かったということを踏まえたうえで言うならば、
オリジナルの持つ厳しさというか尖った部分というか、
そういう部分が少し弱かったのかなと思います。
こちらの心を揺さぶられるシーンがなく、
小奇麗に小さくまとまってしまったという感じですかね。

したがって、大きな破綻とかなく他の続編よりはマシだけれども、
あくまでもオリジナルの魅力ありきの作品であり、
この作品としての独自の魅力までは出せていない印象です。

<キャラ>


このシリーズの魅力は幾つかありますが、
その一つにキャラの魅力が挙げられます。

本作が支持される理由の一つも、
そのキャラたちの持っている魅力を、
きちんと再現できたという点が挙げられるのでしょう。

その点は良かったし、懐かしいキャラにまた会えただけでも、
本作をプレイして良かったと思います。
思わず24年前を思い出したりして、
何とも言えない気持ちになってきましたしね。

ただ、本作で新登場となったキャラについては、
あまり印象に残ったキャラはいないように思います。
そのため、本作への評価という観点からは、
あまり高く評価はできないのかなと。

<ザッピング・マルチサイト>


初代EVEが当時非常に高く評価された理由の一つに、
ゲームデザインが挙げられます。
『DESIRE』からのマルチサイトシステムを継承しつつ、
そこにザッピングシステムを導入し、
上手く活用させた点が斬新だったのです。
もちろんそれだけでなく、
特にそれらがストーリーと有機的に結合した場面があったからこそ、
高い評価につながったのです。

本作でも小次郎とまりなの2つの視点で進めつつ、
後半では第3の視点等がでてくることにより、
マルチサイトという部分は継承されています。
しかし、あくまでも『DESIRE』の延長でしかありません。
ザッピング要素を活かせたとは到底言えないし、
ましてやストーリーとの有機的結合なんてこともありません。

初代『EVE』の一番の魅力部分を継承できておらず、
その点は非常に残念な部分ではありました。

<ゲームデザイン>


本作は、初代EVEと同様に、
基本的にコマンド選択式ADVになります。
本作をプレイする人は、オリジナルのファンでしょうから、
コマンド選択式ADVが好きな人であるとか、
少なくともコマンド選択式ADVに対し、
苦手意識を持つ人はいないでしょう。

しかし、ノベルゲーしかプレイしたことがなく、
評判の良いADVとだけ聞いてプレイすると、
若い人とかだと、馴染めないかもしれませんね。
たとえば、SLGの場合、戦略SLGが好きな人が皆、
育成SLGが好きとは限りません。
ADVも同様で、様々なシステムがあり、
当然合う合わないはあるはずということです。

そういう意味では、コマンド選択式ADVに馴染みがない人は、
PS Vita版をプレイした方が良いでしょうね。
そもそもコマンド選択式って、
PCのキーボードでプレイするのが最適なのであって、
ゲーム機のコントローラーには向いていません。
個人的には、ゲーム機でコマンド選択式は採るべきでないと、
昔から考えていましたし。
PS Vita版ですと、直接画面をタッチできますので、
感覚的にはP&C式ADVに近くなりますし、
コマンド選択式の煩わしさが少しでも減りますので、
ノベルゲー世代にもプレイしやすいように思います。

<グラフィック>


エフェクトとかは、一応凝っていましたが、
特に秀でているとまでは言えないのかなと思います。
CGも多くはないですしね。

ただ、目パチ口パクは立ち絵だけでなく、
一枚絵の場面でも、ちゃんとあります。

一枚絵やそうでないCGにしても、
全体の構図がしっかりと考えられ描かれており、
シーンがしっかりと表現できています。

したがって、特に新鮮に感じるものもないけれど、
決して手抜きをすることなく、
とても丁寧に、作品のことを思って作っているのだなと、
その姿勢がしっかりとこちらに伝わってきます。
だからこそ、プレイしていても心地良いのです。

<総合>


総合では少し甘いかもしれませんが、良作としておきます。

ファンであれば、まず満足できるでしょうし、
プレイして決して損のない作品だと思います。
オリジナルが好きだった人の中には、これまでの続編に裏切られ、
疑心暗鬼になっている人もいるかもしれません。
でも、今回は大丈夫ですので、未プレイであれば、
安心してプレイしてみてください。

他方で、絶対にプレイすべき作品かと聞かれると、
一つの作品としてこれがと言い切れる要素がないのも確かであり、
そこまででもないよなという作品でもありまして。
良くも悪くもファン向けの作品ということで、
もう一度、小次郎やまりなに会いたい人向けってところですね。

作品として評価しようとすると、
上記のようにいろいろ難点も出てきますが、
そういう面倒くさいことを抜きにして主観面だけで語るならば、
私は、また小次郎やまりなや氷室に会えることができ、
単純に嬉しかったです。

ランク:B(良作)

PS4


PS Vita


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