『幕末尽忠報国烈士伝 -MIBURO-』

『幕末尽忠報国烈士伝 -MIBURO-』

『幕末尽忠報国烈士伝 -MIBURO-』は、
2017年にWIN用として、インレから発売されました。

今回も歴史モノであり、題材としては新鮮組ですね。



<概要>


ゲームジャンルはノベル系ADVになります。

あらすじ・・・
時は動乱の幕末。
古より伝わる不思議な力……。
その不思議な力は国が安危とき、何者かに宿るという。
その力を持つ者は相手の弱点を読み取ることが出来、
一陣の風のもとに相手を亡き者にできる。
言い伝えでは敵の弱点を読み取る際、
小さな光……ときには紅蓮の炎が浮かび上がるという。
総じて、その光を『玉』と呼んだ……。
黒船襲来から十年、日本は未曽有の危機に瀕していた。
政治の中心は江戸から京都に移りつつあり、
その京都は天誅の名の下、無法地帯と化していた。
その無法地帯を取り締まるのが近藤勇率いる
壬生の狼とよばれた「壬生浪士組」(後の新選組)。
そんな勇たちに助けられた主人公、見田健。
倒幕へと傾く時代の中、個性あふれる新選組の面々とともに
京の町を守るが……。

<感想>


ブランドのオリジナル新作としては、今作が2作目。
1作目の『ChuSinGura46+1 -忠臣蔵46+1-』と同様に、
歴史モノになります。

もっとも1作目は、正確には、
途中までは既に同人ゲーとして発売されており、
そのリメイクでもあったわけでして。
そのため、私の評価対象はその後の部分からとなったことから、
個人的には評価しにくい作品でした。
そういう意味では、今作は完全に新作となりますので、
上記のような問題が発生しないことが、
個人的にはまずありがたかったし、
それもあってか、素直に楽しむことができました。

本作は、基本的に史実に沿って進んでいきます。
私は歴史は好きですが、歴史小説とかは読みません。
直接専門書を読んだ方が早いですし、
余計な誤った先入観を持つのも避けたいですしね。
もっとも、昔はドラマとかも見ていたわけでして。
だから一概に否定するつもりはなく、
自分の馴染みの薄い分野とかに関しては、
とっつきやすい映像作品は、
入門用としては良いのだとは思っています。
また、もちろん、歴史小説が好きな人もいますし、
一つのジャンルとして確立されているわけですから、
そういう歴史モノがエロゲに存在すること自体は、
とても良いことなのだと思います。

そういうわけで、貴重な歴史モノとして、
それなりの意義のある作品ではあると思うのですが、
端的に言ってしまうならば、本作を通じて何がしたいのか、
まるで伝わってきませんでした。

例えば、本作はゲームなのだから、
『高2→将軍』のように多数の分岐を作り、
史実通りではないifの世界を突き詰めることもできたでしょう。
しかし本作には、そういうこともなく、
素直に史実に沿って行くだけです。

或いは、読み物として貫くにしても、
小説や映画が一方方向からしか描けないのに対し、
ゲームではそれぞれの立場から描くことも可能です。
忠臣蔵が題材であれば一方からでも構わないでしょうが、
明治維新は様々な考え方や正義があり、
それに基づいて動いているわけですからね。
ある意味ゲーム向きでもあるはずですし、
多角的に描くべきだったと思います。
しかし本作は、そういう作品でもなく、
主人公側の新選組の側からの正義に終始しています。

本作は、新選組の志士たちを女体化しています。
したがって、作中で女性キャラが何人も死んでいきます。
18禁の作品なのだから、18禁らしく、
女性たちの壮絶な死亡シーンばかりを過激に描けば、
一般受けはしないでしょうが、
一部の好事家の間では伝説になりえたかもしれません。
しかし本作には、そうした過激さもありません。

また本作は、エロゲなわけですし、
女性キャラが多数登場するわけですからね。
エロエロなハーレムにすることでも、
それはそれでエロゲらしさを発揮できることになり、
エロゲで出したことの意義を見出せます。
百合レズも交えて乱交っぽくして、
精神的にも肉体的にもつながりあっている志士というのも、
一つのifとしてありだと思うし、
エロゲらしいと思うのですけどね。
しかし本作は、皆が全裸で風呂に集まる等、
ちょっとしたサービスシーンはあるものの、
Hシーンは短い個別ルートに入ってから、
そのルートのヒロインとおまけ程度にあるだけです。
典型的な純愛系エロゲみたいな構造ともいえますが、
これではエロゲらしさを出せたとはいえません。

他にも、史実は変えないにしても、
せっかく主人公を別に設定したわけですから、
史実を主人公の視点から再構成しただけでも、
また違った見え方になると思いますし、
ある意味そこがライターの腕の見せ所なのかもしれません。
しかし本作では、新選組志士の動きがあくまでも主であり、
主人公像ないし主人公の言動というものが、
いまいちハッキリしていなかったことから、
主人公の立場からの筋というものが見えてきませんでした。
これは言い換えるならば、
ストーリーが薄いということになるのでしょう。

そのため、上記のとおり、
読んでいて本作でやりたかったことが、
あまり伝わってきませんでした。
また、その他の要素としても、
グラフィックは、キャラが多いのは良いけど似ているとか、
演出も悪くはないけれど、褒めるほどでもないですし、
特に目立つ要素はありませんでした。

<総合>


総合では佳作としておきます。

あえてやるまでもないという観点からは、
凡作もありえる作品だと思います。
ただ、今回は最初から完全に新作ですし、
貴重な歴史モノということもありますので、
また単純に読んでいて一応は楽しめたことや、
用語等もよく調べたという付加価値もあることから、
総合では佳作で良いのかなと。
もっとも、これで底が見えた感もありますし、
完全新作であった本作が一つの基準になることもあって、
次作以降が本作より評判が良くないようであれば、
もうここの作品はプレイはしないかなと思います。
個人的には、『高2→将軍』のように、
どんどん分岐してifを思いっきり堪能できる作品を、
ぜひとも作ってほしいですね。

ランク:C-(佳作)

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駿河屋


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