『水葬銀貨のイストリア』

『水葬銀貨のイストリア』

『水葬銀貨のイストリア』は2017年にWIN用として、
ウグイスカグラから発売されました。

良くも悪くも、
特徴のハッキリした作品とは言えるでしょうか。



<概要>


ゲームジャンルはノベル系ADVになります。

あらすじ・・・
水の都、アメマドイ。
海上に作られた人工島は
華やかで彩りのある美しい町並みを形成していた。
そんなアメマドイに住まう僕たちは──
いくつかの問題を抱えている。
礼儀正しく、心優しい幼馴染、煤ヶ谷小夜。
奇想天外系妹、茅ヶ崎夕桜。
ヒーローに憧れる後輩、小不動ゆるぎ。
裏路地のゴミ箱にはまっていた、汐入玖々里。
そして、僕こと、茅ヶ崎英士。
心に傷を負った僕たちを待ち受けるのは、
様々な思惑、事件の数々。
時には部室を賭けて、神経衰弱をしてみたり。
捨てられていた少女と、ババ抜きをしてみたり。
打ち上がる花火に心を奪われながら、
失くしたものを補おうとする。
僕なりの方法で、何かを成そうと懸命に生きていく。
こんな僕でも、誰かの力になれるなら──。
「──ハッピーエンドを、約束しよう」
みんなが笑顔になれますように。
涙が失われたこの町で、
僕たちの成長物語は始まっていく――。

<感想>


え~と、細かい内容面は、他所にお任せします。
すみません。
なので今回は、言いたいことだけ書いて終わりにします。

シナリオゲーという言葉は、エロゲでは良く使われるのですが、
その意味するところには変遷や相違がありまして。
プロットもストーリーもテキスト(狭義のシナリオ)も、
全部混ぜて広義でシナリオと表現するのは、
かなり乱暴であり、個人的には好きではないのですけどね。
何故か知らないけれど、エロゲユーザーだけは、
シナリオという言葉が異常に好きですよね。

とりあえず、定義論は本筋とは異なるので、
ここでは深入りしませんが、
本作はプロット重視の作品であることから、
一般的には、いわゆるシナリオゲーとして
扱われるのだと思います。

そして最近のフルプライス作品は、
イチャラブとか学園ハーレムものとか、そういうのが多いので、
プロット・ストーリー重視の作品が凄く少なくなっています。
ユーザーの中には、キャラを重視した作品よりも、
ストーリー等を重視した作品の方が
好きな人もいるでしょうから、
存在自体が貴重な本作には、
一定の需要があることは間違いないのでしょう。

ただ、ここで注意することが一つありまして。
そもそも90年代後半に、
シナリオゲーの時代云々と言い出した人たちって、
必ずしもストーリー等に着目したわけではないんですよね。
某作品とか、ストーリーだけをみると、
パクリと言われても仕方ない出来だけど、
そうじゃないんだ、
俺はこのライターのテキストが好きなんだと、
ライターのテキスト(シナリオ)に着目し、
それでシナリオゲーという言葉も出てきたわけでして。
似たような設定の作品は他にあり、
ストーリー等のオリジナリティは低いかもしれないけれど、
その内容を好きなライターが、持ち味を活かして表現し、
それを応援したくなるというのが、
シナリオゲーの発端だったはずなんですよね。
したがって、そこで注目されるのは、
プロットでもストーリーでもなく、
まず第一にテキスト(シナリオ)だったのです。

本作は、確かにプロットの凝った作品であり、
そういうのを求めた人がプレイすれば、
満足する可能性は高いと言えるのでしょう。
しかし、テキスト自体は決して優れているわけではなく、
誤字脱字も多いことから、
上記の90年代的なシナリオゲーユーザーがプレイした場合、
本作に満足できるとは到底思えないのです。

また、テキストに誤字脱字が多いだけでなく、
スクリプト等のミスも目立ちますし、
グラフィックや演出を活かそうという様子もないですし、
システムも良いとは言えないですしね。

面白いアイデアが浮かんだ・・・までは良いのですが、
それを一本のノベルゲームとして、
素晴らしい作品に作り上げようという姿勢が、
本作には欠けています。
小説で言えば、発想自体は良いのだけれど、
推敲が全くなされないまま、勢いで書いたものを、
そのまま出したようなイメージなんですよね。
せっかく面白くなる潜在能力を秘めているにもかかわらず、
とりあえず売っておけというような姿勢が見えることから、
かなり損しているように思うのです。

<総合>


総合では凡作としておきます。
一つの作品としては未完成であり、
まだまだ改善すべき点は多いと思いますからね。

もっとも、今では少なくなったタイプの作品ですし、
細けぇことはいいんだよ、
プロットの凝った作品を読めるのならば、
それでOKなんだというならば、
本作はプレイしてみる価値のある作品だとは思いますね。

個人的には、このブランドのメンバーは同人時代の方が、
細部に気を配った作品を作っていたように思うわけで。
商業化してからの雑な作りは残念ですし、
できれば昔を思い出して、初心に戻り、
もう少し丁寧なゲーム作りをして欲しいなと思いますね。

ランク:D(凡作)





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