『遊郭に売られた俺の彼女』

『遊郭に売られた俺の彼女』

『遊郭に売られた俺の彼女』は2017年にWIN用として、
めくじらから発売されました。

温故知新というのか、あぁ、これなんだよなと、
再認識させられた作品でした。



<概要>


ゲームジャンルはノベル系ADVになります。

【剣術小町編(出会い編)】★ミステリーモノ
盗賊と剣術小町が出会い事件を通じて恋に落ちる話

【女郎編(寝取られ編)】 ★寝取られモノ
剣術小町が女郎へと転落して、寝取られまくる話

<感想>


「めくじら」は、NTR系の同人では有名なサークルですね。
2012年に作品を出したあと、しばらく作品がなかったので、
もう出さないのかとも思っていたところ、
昨年久しぶりに新作が出たわけでして。
あれは嬉しかったですね。

もっとも、昨年発売された作品は、
ゲームデザインに凝った作品であり、
それはそれで面白い試みではありました。
しかし、その代わりに、それまでの作品の特徴であった、
ストーリー・テキストの良さが損なわれてしまっていました。
本作は、また元の読ませる路線に戻っており、
過去作のファンでも安心して楽しめる内容になっています。

ところで、ミステリーの中にも細かくジャンルが分れるように、
NTRだって幾つかのジャンルに分けることができます。
近年は、いわゆる不意打ち系が、
NTRを嫌う層から批判を浴びるために、
ほぼ絶滅状態にあります。
そのため、現状としましては、NTRの過程、
つまり堕ちていく過程を丁寧に描いた作品ばかりになっています。

その観点から本作を見た場合をまず検討しますと、
上記のように、本作は2部構成になっています。
1部はミステリー風のストーリーであり、
寝取られは関係ありません。
つまり、寝取られ関係の話は、2部からになっているのです。
本作は同人作品ですし、価格以上にはボリュームはあるものの、
それでもフルプライスNTRゲーよりは少ないわけで、
その上更に後半から寝取られなわけですからね。
いくら過去作同様に上手いテキストだったとしても、
絶対的なボリューム不足ということもあり、
寝取られの過程部分だけに特化した作品ほどには、
濃い内容にはなれません。
したがって、NTRの過程だけを求めたユーザーには、
テキストの上手さなどから十分楽しめる作品にはなりえても、
名作クラスの特別な作品にまではならないでしょう。

しかしね、NTRファンは、
その全てが過程だけを見ているわけではないはずです。
上記のように、かつては、
不意打ち系を求めていた人たちもいたわけですから。
・・・まぁ、今でも私のように残ってはいるでしょうが、
不意打ち系は弾劾されやすいですからね。
そういうのが好きな人は、もうエロゲに見切りをつけて、
引退してしまっているケースも多いでしょう。
だからまだ不意打ち系好きが残っているとしても、
数としては少数なんだとは思っています。

本作は、1部として、
主人公である盗賊とヒロインの剣術小町が出会う、
ミステリーモノが描かれています。
本作では、このパートこそが面白かったわけでして。
確か寝取られモノとしてプレイし始めたはずなのに、
気が付くと寝取られということを忘れて、
ストーリーに没頭してしまっていたのです。
その面白いシナリオを読んでいるうちに、
ヒロインへの愛着もどんどん増していきます。
普通なら、そのまま恋愛ゲーとして、
ハッピーエンドになりそうなものですが、
本作では、そこから2部として、寝取られシナリオが始まります。
そしてヒロインに対して、十分に愛着の沸いたあとだけに、
この寝取られは痛く感じるのです。

そこでね、思ったわけですよ。
使いやすい単語でもあるので、不意打ち、不意打ちって、
皆言うのですが、本当に言葉通りに、
「不意打ち」だけを求めているのかなって。
本当に不意打ちだけで構わないのであれば、
よく知らないモブが野郎といきなりHを始めても、
それでも不意打ちとして成り立つはずです。
でも、そういう作品が人気を得るとは思わないし、
現にそういう作品があっても、私は面白いとは思いません。
寝取られゲーという言葉が出てきた最初の頃、
その意味するところは、
「彼女または片想いの娘が犯られてしまうゲーム」だったはず。
他人に犯られてしまう娘は、決して誰でも良いのではなく、
彼女や片想いの娘という、主人公にとってかけがえのない、
大事な女性であることが肝心なのです。
その女性が大事であればあるほど、
突然犯されたことによるショックも大きいのであり、
更には「突然(不意打ち)」よりも、
主人公にとって大事な女性であることの方が、
本来は重要な要素ではなかったのでしょうか。
他に代えがたい大事な女性であれば、
必ずしも不意打ちでなく、たとえ寝取られることが分っていても、
いざ寝取られシーンを見せられると、
ショックを受けるものです。

そして本作は、不意打ち系の本質である、
自分の大事な女性が奪われてしまったという部分を、
強調してきた作品なのです。
本作をプレイしていて、これなんだよなと、
改めて思わされましたね。
不意打ちという言葉に惑わされがちだけれども、
本質はそこではなく、ここなんだよと、再認識させられました。

ちなみに、ストーリー以外の他の要素としては、
本作はグラフィックも良かったです。
全体を使って、構図の良いCGが何枚もありましたしね。
ここもポイントが大きいです。

<総合>


総合では、ギリギリ名作としておきます。

上記のとおり、NTRにもいろいろありますし、
NTRの堕ちていく過程だけを求める人だと、
良くて良作といったところだと思いますけどね。
そうでない場合には、
特に昔やった不意打ち系が印象的で忘れられない人には、
本作はおすすめだと思いますね。

ランク:A-(名作)



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