『ノラと皇女と野良猫ハート -Nora, Princess, and Stray Cat.-』
『ノラと皇女と野良猫ハート -Nora, Princess, and Stray Cat.-』は、
2016年にWIN用として、HARUKAZEから発売されました。
楽しい作品ではあるのだけれど、
その一方で悪い意味でカオスな作品でした。


ゲームジャンルはノベル系ADVになります。
あらすじ・・・
【絶対キミと添い遂げる、臆病で勇敢なブレイブストーリー】
主人公「反田ノラ」は、母が養子にした
年下の「夕莉シャチ」と一緒に暮らす男子校生。
母も亡くなり両親ともにいないけど、
周囲の支援もありシャチとノラのふたりは元気に成長しました。
ノラが大好きなシャチは、毎朝ノラにまたがり起こしたりしています。
学校では幼なじみで優等生、風紀委員長の「黒木 未知」、
ギャル風だけど明るく頼れる相談相手「明日原ユウキ」や、
その他の気があう友達に囲まれ、明るく楽しい学生生活を送っています。
ある日、ノラは登校途中の公園で
「パトリシア」と名乗る女の子に出会います。
パトリシアは死後の世界、冥界の皇女で、
地上の生物全てを滅ぼすために来たと言います。
ですが、地上で初めて生物に触れたパトリシアは
そのエネルギーに圧倒されて倒れてしまいノラが介抱します。
パトリシアに「生命の神秘」を教えて欲しいとお願いされ、
公園にあったエロ本の解説まですることに…!?
コメディ要素の強い作品であり、
ストーリーはあってないようなもの。
端的にいうと笑えたか否か、単純にその点につきる作品です。
まぁテキストは面白かったですし、
頭を空っぽにして楽しめる作品ではあるのですが、
2点ほど注意が必要となります。
一つ目は、本作のギャグは予測しにくい明後日の方向に進めつつ、
勢いとテンポでたたみ掛けるものなんですよね。
だからテンポを重視する人とかは楽しめる可能性は高いのですが、
ストーリーと関連した部分を笑いにかえているわけでもないので、
ハッキリ言うと読んでも読まなくても構わないような、
中身のない文章なのです。
ノリ的に10代向けの作品ですし、このノリに一度醒めると、
あとはずっと白けてしまうおそれもあるのです。
二つ目なのですが、アニメ化を前提にしているからか、
以前の作品よりも若干キレがなくなっています。
う~ん、私は時々、アニメでもできるような作品に対し、
こんなのエロゲでやるなよみたいな表現を使うときがあります。
それはまぁ、エロゲらしい作品、エロゲでしかできない作品があれば、
そういうのをより高く評価するという趣旨でして。
だから厳しいことを書いたとしても、それは減点要素ではなく、
これは18禁でなければできないという作品があれば、
そちらを加点要素としているわけです。
だからアニメ化されやすい内容だからといって、
そのことから直ちにマイナスに判断することは今はありません。
しかし、アニメ化前提に製作し、
そのせいで従来の持ち味まで失われるようであるならば、
それはハッキリと減点要素と言えるのでしょう。
アニメ化を前提とした作品にこれまでも良い印象はなかったですが、
この作品をプレイしても、その印象はかわることなく、
むしろより一層強固になったという感じですね。
それから、本作は会話文の中にカッコ書きが加わり、
その中に行動が書かれる場面が多いです。
これ、何を考えて作ったのでしょう・・・
テキストが絵の存在を無視しているし、
ナレーションも邪魔なだけだし、
絵や音やテキストが、てんでバラバラなんですよね。
絵も音もテキストも、部分的に見れば良いのに、
全体で見るとゲームの体裁を整えていないのです。
絵や音やテキストがからみあい融合することが、
ノベルゲーの長所なのだとするならば、
本作はゲームとしては駄目と言わざるをえないのでしょう。
まぁ、終始そんな感じというわけでもないし、
部分的には上手く機能しているところもあるんですよね。
もう少し推敲なり何なりで洗練させれば、
きっと面白くなったでしょうに。
どうも中途半端なものだから、製作に一貫性がないというか、
悪い意味でカオスな構造にみえてくるのです。
内容がカオスなのは歓迎するところだけれど、
作り方に一貫性がないのは作品として好ましいとは言えませんし、
同人のような悪い意味での素人っぽさが作品に表れることは、
商業作品としてどうなのかなと思います。
基本的には楽しい作品です。
ただ、どうしても引っかかる部分があり、
評価の上では減点をせざるをえないのかなと。
あとは、やっぱり本作は10代向けの作品ですので、
ここを訪れてくれている人とかだと、
楽しめないおそれは強い作品かもしれませんね。
ランク:C-(佳作)



関連するタグ WIN /ADV /ノベル系 /
缶詰少女ノ終末世界 母爛漫 クダンノフォークロア
2016年にWIN用として、HARUKAZEから発売されました。
楽しい作品ではあるのだけれど、
その一方で悪い意味でカオスな作品でした。
<概要>
ゲームジャンルはノベル系ADVになります。
あらすじ・・・
【絶対キミと添い遂げる、臆病で勇敢なブレイブストーリー】
主人公「反田ノラ」は、母が養子にした
年下の「夕莉シャチ」と一緒に暮らす男子校生。
母も亡くなり両親ともにいないけど、
周囲の支援もありシャチとノラのふたりは元気に成長しました。
ノラが大好きなシャチは、毎朝ノラにまたがり起こしたりしています。
学校では幼なじみで優等生、風紀委員長の「黒木 未知」、
ギャル風だけど明るく頼れる相談相手「明日原ユウキ」や、
その他の気があう友達に囲まれ、明るく楽しい学生生活を送っています。
ある日、ノラは登校途中の公園で
「パトリシア」と名乗る女の子に出会います。
パトリシアは死後の世界、冥界の皇女で、
地上の生物全てを滅ぼすために来たと言います。
ですが、地上で初めて生物に触れたパトリシアは
そのエネルギーに圧倒されて倒れてしまいノラが介抱します。
パトリシアに「生命の神秘」を教えて欲しいとお願いされ、
公園にあったエロ本の解説まですることに…!?
<感想>
コメディ要素の強い作品であり、
ストーリーはあってないようなもの。
端的にいうと笑えたか否か、単純にその点につきる作品です。
まぁテキストは面白かったですし、
頭を空っぽにして楽しめる作品ではあるのですが、
2点ほど注意が必要となります。
一つ目は、本作のギャグは予測しにくい明後日の方向に進めつつ、
勢いとテンポでたたみ掛けるものなんですよね。
だからテンポを重視する人とかは楽しめる可能性は高いのですが、
ストーリーと関連した部分を笑いにかえているわけでもないので、
ハッキリ言うと読んでも読まなくても構わないような、
中身のない文章なのです。
ノリ的に10代向けの作品ですし、このノリに一度醒めると、
あとはずっと白けてしまうおそれもあるのです。
二つ目なのですが、アニメ化を前提にしているからか、
以前の作品よりも若干キレがなくなっています。
う~ん、私は時々、アニメでもできるような作品に対し、
こんなのエロゲでやるなよみたいな表現を使うときがあります。
それはまぁ、エロゲらしい作品、エロゲでしかできない作品があれば、
そういうのをより高く評価するという趣旨でして。
だから厳しいことを書いたとしても、それは減点要素ではなく、
これは18禁でなければできないという作品があれば、
そちらを加点要素としているわけです。
だからアニメ化されやすい内容だからといって、
そのことから直ちにマイナスに判断することは今はありません。
しかし、アニメ化前提に製作し、
そのせいで従来の持ち味まで失われるようであるならば、
それはハッキリと減点要素と言えるのでしょう。
アニメ化を前提とした作品にこれまでも良い印象はなかったですが、
この作品をプレイしても、その印象はかわることなく、
むしろより一層強固になったという感じですね。
それから、本作は会話文の中にカッコ書きが加わり、
その中に行動が書かれる場面が多いです。
これ、何を考えて作ったのでしょう・・・
テキストが絵の存在を無視しているし、
ナレーションも邪魔なだけだし、
絵や音やテキストが、てんでバラバラなんですよね。
絵も音もテキストも、部分的に見れば良いのに、
全体で見るとゲームの体裁を整えていないのです。
絵や音やテキストがからみあい融合することが、
ノベルゲーの長所なのだとするならば、
本作はゲームとしては駄目と言わざるをえないのでしょう。
まぁ、終始そんな感じというわけでもないし、
部分的には上手く機能しているところもあるんですよね。
もう少し推敲なり何なりで洗練させれば、
きっと面白くなったでしょうに。
どうも中途半端なものだから、製作に一貫性がないというか、
悪い意味でカオスな構造にみえてくるのです。
内容がカオスなのは歓迎するところだけれど、
作り方に一貫性がないのは作品として好ましいとは言えませんし、
同人のような悪い意味での素人っぽさが作品に表れることは、
商業作品としてどうなのかなと思います。
<総合>
基本的には楽しい作品です。
ただ、どうしても引っかかる部分があり、
評価の上では減点をせざるをえないのかなと。
あとは、やっぱり本作は10代向けの作品ですので、
ここを訪れてくれている人とかだと、
楽しめないおそれは強い作品かもしれませんね。
ランク:C-(佳作)

関連するタグ WIN /ADV /ノベル系 /
缶詰少女ノ終末世界 母爛漫 クダンノフォークロア
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2017-02-11