『蒼天のセレナリア ~What a beautiful world~』

『蒼天のセレナリア ~What a beautiful world~』

『蒼天のセレナリア ~What a beautiful world~』は、
2006年にWIN用として、ライアーソフトから発売されました。

桜井光さんの、いわゆるスチパンシリーズの一作目ですね。

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<概要>


ゲームジャンルはノベル系ADVになります。

あらすじ・・・
全てはここから始まった!2人の少女が飛空挺で大空を駆け巡る、
胸躍る冒険アドベンチャー!
蒸気文明華やかなりし『既知世界』から飛び出して
『未知世界』へと踏み入れた2人を待つものは……!?

──ここではないどこか、今ではないいつか。
既知大陸の辺境都市に、飛空挺を駆る少女2人組があった。
夢は、既知大陸の外で無限に広がる『未知世界』の探険と探索!
空のなんでも屋として辺境都市の空を飛ぶ日々を続けていたふたりは、
ある日、既知大陸の半分を支配する強大な軍事国家『帝国』の
辺境部隊と関わってしまう。
まったく意図していなかった、最悪の方向で。
都市の人々から恐れられる帝国辺境軍機動要塞と派手に衝突を繰り広げ、
なおかつ見事に逃げおおせたふたりは、
『既知世界(こちら)』と『未知世界(あちら)』とを隔絶する、
超低気圧と海水から成る大壁‘世界の水殻’の向こうへと突き抜け、
飛び出すことに成功してしまう。
何の交流も情報もない、噂だけが先行する『未知世界』。
そのあちこちをなりゆきや使命感で駆け回りながら、
やがて彼女たちは、妖しく蠢動する帝国と
再び相まみえることになるのだったが……。

<感想>


青い空、青い海、この先は一体どうなっているのだろうかと、
つい先が気になってしまうワクワク感から、
どんどん物語の先が読みたくなってしまう冒険譚。
本作は、シナリオライターである桜井光さんによる、
後のスチームパンクシリーズの一作目になります。
このスチパンシリーズは、
その独特の魅力からファンを生み出しつつも、
強烈な魅力のある作品ほど同時に癖も強く、
そのために人を選んでしまう傾向もあったように思います。
本作も女性主人公であることから、
その時点でもう駄目という人も少しはいるかもしれません。
しかし、あらすじからも分かるように、扱っている内容自体は、
シリーズの中でも一番一般受けするものですし、
特にゲーマーなら一度は楽しんで来たジャンルではないかなと。
そういう意味では、このシリーズは各作品につながりがなく、
どの作品からプレイしても構わないとはいえ、
比較的多くの人が楽しめるであろう本作が一作目であることには、
それなりに意義があったように思います。

さて、人によってはジブリ作品を連想するのかなと思える本作。
率直な印象として楽しいと思えるのですが、
その一方で問題がないわけでもありません。
たとえ楽しいと思えたとしても、
あの雰囲気だけを忠実にエロゲで再現しただけでは、
それではエロゲとしては駄目なのです。
単なる再現では、そもそもこれ、
エロゲでやる必要があるのかという疑問も出ますしね。
まぁこのような疑問に対しては、
別にエロゲで何をやっても自由だろと言う人もいるでしょう。
ただその場合でも、当該ジャンルをエロゲらしくアレンジし、
一般向け冒険譚とエロが上手く融合されてあれば、
即ち大人向けの冒険譚として再構成されていれば、
更なる加点事情となったことを否定する人はいないでしょう。
そして本作は、その部分が弱かったんですよね。
エロとの融合以外にしても、
例えば子供向けの一般ものであれば、論理性よりも、
ご都合主義であっても構わないから明快さや派手さがあった方が、
作品として受けやすいことでしょう。
しかしエロゲはプレイする最低年齢が一般ものより高いわけですから、
強引さよりも説得力のある展開の方が良いと思います。
本作はその辺の配慮というか、アレンジが足りないんですよね。

それと、本作は厳密には単なるノベルゲームではなく、
ADV+SLGとなります。
ゲーム性を加えようとする意思は歓迎したいところですが、
そのSLGパートの出来が芳しくありませんでした。
ストーリー的にはテンポの良さが求められるところ、
ストーリーへの集中をSLGパートとエロが阻害してしまい、
これらが邪魔な存在となってしまいました。
いくら読んでいて楽しい作品だったとしても、
ゲームパートとエロが面白さの邪魔になり、
単純に漫画かアニメにした方が面白くなるのでは、
ゲームとしては不十分なのだと思います。

<総合>


単純に楽しめる作品ではあります。
しかしシリーズとしての魅力や個性が発揮されるのは、
次のインガノックからであり、
本作自体は問題点も多い作品ではありました。
もっとも、癖のある次作以降と比べて、
一番入りやすい作品でもありますから、
その意味ではシリーズ入門用としても良いかもしれませんね。

あと、これは世代的なものもあるようですが、
ゼロ年代に入ってからは、
一から十まで全て丁寧に説明してもらわないと理解されず、
過剰な描写の作品が支持されやすい傾向が強いです。
そのため、逆にそうでない作品に対しては、
シナリオが悪いと批判する人も結構いまして。
そういう人には、このシリーズは向いていないんですよね。
未プレイの人は自分が該当するのかどうか、
その点だけは注意した方が良いかなと思います。

ランク:C(佳作)



蒼天のセレナリア

DL版
蒼天のセレナリア dl

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