『りりくる Rainbow Stage!!!』

『りりくる Rainbow Stage!!!』

『りりくる Rainbow Stage!!!』は、2016年にWIN用として、
PARTICLEから発売されました。

人気百合ドラマCDシリーズを元にした百合ゲームになります。

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<概要>


ゲームジャンルはノベル系ADVになります。

商品紹介・・・
☆『りりくるRS』とは
・百合、ガールズラブをテーマにしたオリジナルドラマCDシリーズ
「りりくる」Vol.1~6の既存キャラクターに、
新規追加キャラ3人を加えた、りりくるオールスター百合ADV。

・新人アイドルの遊乃、教育実習生の珠季、風紀委員で忍者の紗恵香、
という新キャラクター3人をメインに、
これまでのキャラクターとのやりとりも交えながら、
りりくるシリーズならではの明るく楽しく
わかりやすい百合シチュエーションを、ドラマCD以上の魅力で展開。

・これまでのりりくるファンは勿論、新規ユーザー層もターゲット。
百合ものが好きな方だけでなく、
百合ものに触れたことがない方にも楽しんでいただける内容となっている。

<総論>


上記のように、本作はオリジナルドラマCDシリーズが既にあり、
その登場人物らに新規キャラを加えた作品になります。
私はドラマCDの方は聞いたことがないのですが、
ゲームをプレイしていて特に支障はなかったように思いますし、
本作からのプレイでも問題はないのでしょう。

ただ、ドラマCDを経てきた人の方が本作にも入っていきやすいようで、
より作品を楽しみたいというのであれば、
ドラマCDも購入した方が良いのでしょうね。

<ゲームデザイン>


上の画像からも分かるように、
本作には複数のカップルないしキャラが登場します。
そして、特定の主人公の視点に固定されるのではなく、
様々なキャラの視点からストーリーが描かれており、
いわゆる群像劇スタイルの作品になっています。

そうしたタイプの百合ゲーとしては、
有名な作品として『屋上の百合霊さん』があります。
個人的には、誤解等を生じさせないために、
普段はあまり他の作品との比較という書き方はしません。
共に褒めるような場合にたまに名を出す程度ですからね。
しかし本作に関しては、少なくとも形式的な部分に関しては、
『屋上の百合霊さん』との比較の方が分かりやすいのかなと思います。
まぁ、『屋上の百合霊さん』を知らない人には分かりにくいかもですが、
百合ゲー好きなら絶対やっておくべき作品ですから、
おそらくこのジャンルに興味のある人なら、
少なくとも名前は知っていると思いますので、特に問題はないでしょう。

さて、両者は共に、多数のキャラが登場する、
群像劇スタイルの百合ゲーという点で共通します。
こうしたタイプの作品に合うと考えたからなのか、
百合霊さんに倣っただけなのかは分かりませんが、
本作の基本的なゲームデザインも、百合霊さんと同じなのです。
つまり、画面上にカレンダーが表示され、
そこからイベントを選んで見ていくというタイプですね。
他ジャンルのノベルゲーでは、あまり見かけない構造ですが、
「百合霊さん」や本作の百合ゲーとしての成功に鑑みると、
少なくとも百合群像劇タイプの作品には、
今後も増えていきそうですね。

まぁ、「百合霊さん」の時には慣れないこともあり、
それで少し面倒に感じた部分もありましたが、
こちらが慣れたのもあったからか、本作では違和感なく楽しめました。

<ストーリー>


「百合霊さん」はカップル同士の百合イベントが優れているだけでなく、
近年のノベルゲーにしてはキャラ同士の横のつながりの描写が多く、
その点が作品の大きな魅力となっていました。
最近はロープライスの百合ゲーや同人ゲーも増えていますが、
そうした作品はボリュームが限られていることから、
どうしてもメインテーマである、
ヒロイン間の関係だけに焦点が絞られてしまいます。
もちろん、百合ゲーなんだから、
当該キャラ同士の絡みが優れてさえいれば、
それはそれで構わないのかもしれません。
しかし、百合ゲーって雰囲気を重視する傾向が強いですし、
他所の世界を描くからこそ、二人だけの世界がより一層際立つわけで、
当該キャラ同士の絡みだけでなく、
実はその周囲を構成する社会や状況を描くことが大事なんじゃないかと、
個人的には思っています。
本作も「百合霊さん」と同様に多数のキャラが登場しますが、
カップル同士の描写だけでなく、カップルの枠を超えた、
キャラ同士の広い交流も描かれており、「百合霊さん」と同様の魅力、
ロープライスや同人百合ゲーでは作り出せない魅力を有した、
フルプライス百合ゲーとしての魅力を宿した作品と言えるのでしょう。

ところで、本作は一般ゲーであることから、
ヒロイン同士の描写もキスまでです。
・・・と書くと、一般ゲーだからぬるいと勘違いする人も、
もしかしたらいるかもしれません。
しかし、それは違うのでしょう。
一般ゲーでも、Hシーンを絵で描かないだけで、
そういうことを匂わせるシナリオにする作品もあります。
でも、そういうことをやられると、あぁ全く分ってないんだなと、
百合とレズを混同しているのかなと思ってしまいます。
レズは百合の上位互換ではなくて、根本的に両者は異なるのであり、
レズゲーを作りたい人、レズゲーを好きな人は、
それを百合ゲーに求められても困るのです。
本作は、きちんと百合を理解したうえで、
百合ゲーとしての描写をしていることから、
レズを求める人にはもの足りなく感じるかもしれませんが、
本当に百合を求める人なら満足できると思います。

余談ですが、エロゲではレズゲーが先に発展してきた歴史があること、
またHシーンを入れざるをえないことから、
どうしてもレズゲーファン(百合と混同し、百合好きと言いつつ、
言い分を聞くと実質的にレズ好きなんだとという人も含む)に対し、
切り捨てるようなことができにくい構造になっています。
かかる点や後述する音声の点等に鑑みるならば、
一般ゲーの方が百合ゲー製作には向いているのでしょうね。

<感想>


その他の点としては、価格のわりに一枚絵が少し少ないかなと思いますが、
本作は目パチがありますし、部分的に目がキラキラ光ったり、
SD絵を用いるなど、「百合霊さん」より演出は優れているのかなと。
その点で、同系統作品内での進化は示せているように思います。

まぁそもそもこのシリーズは、
ドラマCDという耳に訴えかける媒体がきっかけですからね。
目で見る要素よりも耳で聞く要素の方が、
ファンの需要的にも大事なのでしょう。
本作は一般ゲーということで、いわゆる「表」の、
わりと有名な声優も出演していますし、
クリア後には声優さんたちのフリートークもあります。
ユーザー層を考えると、CGが数枚増えるよりは、
こういう特徴・特典の方がよっぽど嬉しい要素だと思います。

また、過去の百合ゲーの名作は、なぜか音声の優れた作品が多いので、
音声が普通であるだけで当該ジャンル的には遅れをとりかねません。
本作は音声も良いわけですから、
その点で見劣りしないというのは本作の強みでもあるのでしょう。

それと、個人的には、「うざ子」こと羽佳が好きでした。
女性が多数出てくる作品では、
こういう子がいるとメリハリがあって良いと思うのもありますし、
この作品をやっていて、自分がウザい系のヒロインが結構好きなんだなと、
再認識できたのも良かったです。

<総合>


後発の作品であること、また完全オリジナルではないということもあり、
その上で名作というには、もう一つ足りないかなということで、
名作には及ばないと判断しました。
キャラ同士という横の線や、個々のイベントという点では良いのですが、
縦の線であるストーリーラインにもう一工夫欲しかったですかね。

もっとも、思わずにやけてしまうようなイベントも多数あり、
百合ゲー好きが求める要素はきちんと含まれていますし、
この手の作品が好きな人なら満足できる、
とても良質な作品だと思いますね。

ランク:B(良作)



りりくる Rainbow Stage

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