<備忘録> 2005年のエロゲ その4

<備忘録> 2005年のエロゲ その4

2005年のエロゲを振り返る4回目になります。

売上ランキング上位にくるような作品、
表向きの流行を別にして考えれるのであれば、
2005年は実は面白い試みもなされた年でした。

<同人>


DL版が普及することでロープライスや同人ゲーが作りやすくなるとしても、
それがすぐさま製作に反映されるとも思えないのですが、
それでも同人ではユニークな作品が増えました。

90年代後半には、恋愛でも萌えでもないシナリオ重視ということで、
いわゆるダーク系というジャンルが繁栄しました。
しかし、シナリオゲーの多様化という人がいるわりには、
ゼロ年代に入ると陵辱などを通したシナリオ重視作品は激減し、
ダーク系なんて言葉も聞かれなくなってしまいました。
そんな商業では絶滅しかけたダーク系の代表作として同人で出てきたのが、
『BAD NAME』でした。


・・・そうなんだよね、
ゼロ年代はシナリオが多様化され~なんて言う人もいるけれど、
大雑把に言えばラノベ系といえるような作品ばかり増えたわけで、
全然多様化されたようには思えないんですよね。
広い意味では、ヒロインとの恋愛の絡む話ばっかりですし。
特定ジャンルの中で細分化されただけであり、
多様化とは違うと思うんだよな~
それに、90年代後半のダーク系にしても、
厳密には新ジャンルとして登場したというのではなく、
ベクトル的には多様化の反対になりますし。
まぁ、その辺はエロゲの歴史の該当記事で書いているので、
ここでは書かないけれども。

さて、他にも、現在の同人ゲーでは映像に特化し、
映像だけなら商業に負けない作品も出てきているのですが、
その方面で2005年に注目を浴びたのが『陽射しの中のリアル』でした。


<リアルとのコラボ>


通常のエロゲは二次絵であるとか、3Dで作った映像を用いるのですが、
『CANDY GIRL』ではヒロインとして、
オリエント工業製の人気ドール「CANDY GIRL」を使用してきました。

一体数十万円という、普通だと中々手を出せないドールを何体も使用し、
それらドールとの疑似プレイを実現させたのです。
普通ならまず体験できないことを体験できるのですから、
ある意味ゲームでしかできない作品と言えるのでしょう。

『CANDY GIRL』はリアルのドールを用いた作品でしたが、
違う意味でリアルとのコラボを行った作品もあります。
例えば『愛のチカラ』は、
投稿写真雑誌『熱写ボーイ』(東京三世社刊)の投稿読者による、
実話をベースに制作された実話再現ADVでした。


リアルとは少しニュアンスが異なるけれども、
他媒体とのコラボということで、
官能小説の名著『花と蛇』がエロゲ化されたのも、この年でした。


<話題作等>


この年に話題になった作品としては、
ツンデレ特化として宣伝された『つよきす』であるとか、
男の娘への注目度を高めた『処女はお姉さまに恋してる』、
いろんな意味で話題になった『SchoolDays』があるでしょうか。


これらを見ると、まだエロゲの話題性が高かったとも思える一方、
既に他所でブームが形成されつつあるジャンルばかりで、
いわば後追いとも言えることから、
流行の発信源としての機能はもう失われているとも言えるのでしょう。

もっとも、今ではマゾ向けゲームは多く発売されていますが、
このジャンルは昔から存在はしているものの、
絶対数が非常に少なく認知度は非常に低かったと思います。
2005年に『夢幻廻廊』が注目を浴び、

他にも『イジめて まにあっく!!』などが発売されたことで、
ようやく一つのジャンルとして認知されていったように思います。

<位置付け>


私個人の印象ということにもなるのだけれど。
一般的に誰でも知っている週刊少年漫画に比べ、
マイナー誌の漫画は知名度は低いけれど、中には凄く濃い作品もあります。
さらに範囲を拡大して、漫画やアニメよりユーザーは少ないけれど、
より濃い作品が存在するのが男性向けアダルトゲームという存在でした。
その点を言い換えて、
エロゲが流行の発信源と呼べた時代もあったのかもしれません。

しかしながら、2005年は、
例えば『電車男』がドラマ化された年でもあり、
オタクの存在が一般人に身近になった年でもあったのでしょうが、
逆にオタクという存在が薄まった年のようにも感じました。
偶然の一致かもしれませんが、存在が薄まり軽くなったという点では、
エロゲも同様に思うのです。

以前は一番濃い作品に触れようと思ったならば、
フルプライスの男性向けエロゲをやれば良かったのですが、
そういう時代でなくなったということですね。

例えば『処女はお姉さまに恋してる』は話題になった作品ですが、
当時ラノベで流行していた百合系をエロゲ的に置き換えただけでもあり、
女装という点に深く踏み込んだ作品ではありませんでした。
女装する心理に深く切り込み、またゲームとして楽しませる点では、
圧倒的に『Trans'2』の方が優れていました。

『Trans'2』は一応女性向けの作品になります。
つまり、この分野で本当に濃い作品をやりたいのであれば、
男性向けエロゲではなく女性向け作品をやるべきであるという、
良い例と言えます。

他にも、特定のマニアックなシチュに関しては、
ロープライスや同人の方に掘り出し物があったりするわけで、
本当に濃い作品に出会いたいのであれば、
同人や女性向けをプレイした方が良い時代になったといえるのでしょう。
したがって男性向けフルプライスゲーは、
もうマニア向けの先端の存在ではなくなり、
ライトオタクへの入門用の軽い存在になったのだなと、
時代の変化を感じたものでした。

<その他>


ゲームなんてのは、好きなものをやれば良いのであり、
オタの基礎教養みたいに、あれやれこれやれというのは、
本来は間違っているのだと思う。

ただ、ただね。
例えば週刊少年ジャンプとかは、誰しもが通る道だけれども、
そこを卒業すると二次を卒業しちゃう人もいる中で、
二次元分野の最果てにある存在としてのエロゲに、
何かしらの縁があって辿りついたのがエロゲユーザーだと、
私は思うんだよね。

だから、なんて言うのかな、
例えば南の果ての離島にはるばる行ったのに、
島の入り口だけしか見ないで帰るのは勿体ないと思うのですよ。
どこにでもある観光土産で満足するのではなく、
一番南の島だったら、最南端の地とかまで見ないとって、
その島ならではの文化があるのなら、
それも全部しゃぶりつくさないと、
そうじゃないとつまらないって思ってしまうんですよね。

だからね、エロゲの名作や有名どころは大体やりましたって、
得意気に語る人を何人も見てきたけれど、
それってとっても空虚で悲しい言葉にしか思えないわけで。
名作や有名作だけがすべてじゃないよ、
どこかしら欠点があったり、癖が強すぎて一部の人しか合わなく、
それで知名度が劣るとしても、
中には他所では得難い経験のできるものもあるわけで。
せっかく二次元分野の辺境の地に足を踏み入れたのだから、
隅々まで堪能してほしいと思うんですよね。
今回挙げた作品は、まだほんの一部でしかないかもしれないけれど、
2005年のエロゲの特異な部分を示した作品だと思うわけで。
だからもし、2005年のエロゲを分かっているというのであれば、
少なくともこれらの作品はプレイしていてほしいなと、
個人的には思うのですよ。

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