Black&White

Black&White

『Black&White』は2001年にWIN用として、
EAスクウェアから発売されました。

ピーター・モリニューがライオンヘッドスタジオ社を新たに作り、
最初に出したのが本作でした。

ゲームジャンル:ミニスケープ(箱庭SLG)

Black&White

『ポピュラス』や『ダンジョンキーパー』など、
幾つもの斬新なSLGを作り上げてきた、鬼才ピーター・モリニュー。
モリニューの新作というだけでも待ちわびた人も多かったのでしょうが、
『Black&White』はとにかく海外で大絶賛されましたからね。
その年の最高傑作と評する人も多かったですし、
点数なんかでもオリジナルSLGでは別格の数値を叩き出していたわけで、
それで一体どんなゲームなんだろうと思った作品でしたね。

さて、モリニューの代表作には『ポピュラス』があり、
これはSFCへの移植もあってかなり認知度も高いですよね。
そのポピュラスは神視点でゲームを進行する点で、
当時非常に画期的な作品でした。

『Black&White』もまた神となって島の住人を導く作品であり、
神視点という意味では『ポピュラス』の流れを汲む作品なのでしょう。

もっとも、ポピュラスが最終的に敵対する神を崇拝する、
敵民族を滅亡させることを目標としていたのに対し、
『Black&White』はより純粋に神としてのプレイヤーと、
ゲーム内の住民との関係に焦点を絞った作品でありました。

良い行動をとれば善の方向性に進み、
悪い行動をとれば暗い方向に島自体も変化していくわけで、
住民や島全体を通じてプレイヤーの行動や内面を如実に表現した、
そんなゲームだったわけですね。

ゲームとしては、神であるプレイヤー直接には干渉できないので、
代わりに虎とかのクリーチャーを用いつつ、住民である人間に干渉し、
様々なクエストをクリアしていくことになります。
具体的には結構我侭な人間どもが、
あれして欲しい?ってなお願いをしてきますので、
それに対してクリーチャーで対処をしていくわけですね。
クエストとしての最終的な目的はあるのですが、
その方法は何でもありなわけで、
解法が幾つもあるという点では非常に練られており、
ここも優れたポイントでしたね。

ジャンル的にはリアルタイムで進行するのでRTSとも言えるのでしょうが、
まぁ単純に箱庭系のSLGと考えて良いのでしょう。
もっとも、いろんなクエストをこなす過程はパズル的要素もありましたし、
つまりはADVの要素が多分に含まれていたわけで、
単なるSLGというよりSLG+ADVと言った方が正しいのかもしれません。

SLG+ADVというのも大雑把な表現で、
ストーリー性の高いSLGならこれまでにもありましたが、
パズル性という意味でのADV要素を多く含んだSLGは非常に稀で、
こういう箱庭系のゲームはこれまでにほとんどなかったように思います。
なので、同じ神視点でも、ポピュラスと全然異なる雰囲気なんですね。
そういうわけでプレイした人の多くが斬新に感じるのも分かりますし、
海外で高く評価されるのも頷けるように思います。

加えて、SLGはグラフィックがショボイのも多かったわけですが、
『Black&White』は全て高水準な3Dで表現されていましたし、
それがシームレスで進行するので、
画面を眺めているだけでも楽しかったものです。
SLGも進化しているんだな?と、率直に感じられるゲームでした。
それと、虎とかのクリーチャーが妙に可愛くってね、
何かもう住民そっちのけでクリーチャーを愛でたくなっちゃいます。
この辺も非常にポイントが高かったですね。

優れたグラフィックに斬新なゲームデザイン、
もちろんゲーム内容も練られていますし、
それでいてマウス1つで簡単操作できるわけで、
箱庭系のSLGとパズル系のADVの良い点が凝縮された素晴らしい作品で、
レビューとかだと絶賛されたり高得点が付きやすいゲームだと思いますし、
海外での高評価も頷けるものがあります。

ただ、おそらく日本人にはあまり向かない作品なわけで、
それが当時の高評価のわりに勢いが持続しなかった理由なのでしょう。
というのも、日本のSLG好きの多くは斬新さがあるものよりも、
特にやり込みや長期における繰り返しプレイのできるものを好みます。
『Black&White』はADV的な観点を多く含むことから、
あまり繰り返しプレイするとか人と語り合うような、
そういう面が希薄なわけでして。
だから、あまり日本のSLG好きにはうけないというか、
飽きられやすかったのでしょう。
逆にパズル系のADV好きは絶対数が少ない上に、
そういう人的にはSLGとしての構造は煩わしかったりしますし、
純粋に謎解きがやりたいならADVの優れたやつで十分ってなります。
また、細かなバグがあるのも、日本人には好まれない要素でしょう。

つまり、『Black&White』はゲームデザインやコンセプトとか、
総論的な部分ではとても素晴らしい作品なのですが、
こういう部分があるからこの層に支持されるみたいなものがなく、
熱烈な支持者を得にくい作品でもあると思うのです。

私も『Black&White』は素晴らしい作品であり名作だとは思うのですが、
その微妙な中途半端さが引っかかったこと、
特にグラフィックやパズル性はADVでも足りることから、
個人的には傑作とまでは思えませんでした。
とは言え、トータルでここまでのSLGはそうはないですし、
十分名作であるとともに、2001年を代表するSLGだと思いますね。

ランク:A-(名作)

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