『えむ先生のこと』

『えむ先生のこと』

『えむ先生のこと』は2010年にWIN用として、
スタジオカメから発売されました。

嘘屋佐々木酒人さんによるMシチュゲーになります。

えむ先生のこと dl

<概要>


ゲームジャンルはノベル系ADVになります。

あらすじ・・・
季節は初夏。令嬢は、日本に「奴隷男を探しに」やってきた。
彼女の家系にはそういう因習があって、適齢期になると一人、
奴隷男を選ぶのだ――まるで館付きの執事を選ぶように。
主人公は日本語の家庭教師として雇われた。
彼が選ばれた理由は、語学力、女性と見紛うばかりの美しい容姿、
そして「マゾヒストとしての資質」…。
初日からペニスにオモチャを付けられて、顔面騎乗責められ以降も
日本語の授業に名を借りたM男調教がひたすら続きエスカレートしていく。
やがて主人公はその資質を認められ、
ご令嬢の「奴隷」として正式契約にいたるのか…。

<感想>


本作は低価格商品のMシチュゲーになります。
Mシチュゲーであっても例えばフルプライス作品であるならば、
それ以外の要素が含まれてくることもあるでしょう。
一ルートだけMシチュという場合もありますし。
しかし低価格で特化しているため本作はMシチュオンリーとなりますので、
当然ながら当該ジャンルが楽しめない人には合わない作品だと言えます。

本作は炉利な幼女に調教されるという設定こそ比較的珍しいものの、
ストーリー自体に特別変わった部分はないのでしょう。
個々のシーンでは過激なところもあるものの、
基本的には普通のMシチュゲーになると思います。

そうなってくると大事になってくるのが、
何と言ってもシナリオなのだと思います。
本作のライターは嘘屋佐々木酒人さんで、
古くはPC98時代からゲームを製作していますから、
古参ユーザーなら知っている人も多いのではないでしょうか。

まぁ万人受けしそうな大作恋愛路線の作品に関わったこともあるのですが、
何故かそういう作品では変に捻って自爆したり、
妙な暴走をしてしまう傾向がありまして。
従ってエロゲライトユーザーに受ける路線での決定的な代表作がないので、
ライトユーザーには知名度が低いのかなとも思います。

他方で、ごく一部の人しか興味を持たないようなニッチなジャンルでは、
非常に活き活きとして素晴らしい作品を作ることが多いのですよ。
つまりマイナージャンルでこそ真価を発揮できるライターなんですね。
本作はMシチュというマイナージャンルの作品だからでしょうか、
嘘屋佐々木酒人さんの良さも十分に発揮されています。
心理描写が秀逸でテキストがとても良く、
同じ様なシチュの他所のゲームより格段に楽しめるのです。

それと本作ではゲームデザインでも、
嘘屋佐々木酒人さんらしさが出ています。
具体的には、通常は画面下部にテキスト欄がある普通の形式なのですが、
心理描写など映像が関係ない分では、
画面全体にテキストが表示される形式になります。
つまり絵の必要性に応じて、表示を使い分けているわけですね。
またテキストも、内容に応じて文字の大きさに変化があったり、
絵文字が使われていたりと、個々のシーンに応じて多彩に変化するのです。
これにより、より効果的に感情移入して作品に入っていけるのでしょう。

<総合>


上記のようなアレンジは嘘屋作品では以前から見られる傾向で、
基本的には非常に好ましいと思っています。
ただ厳密に考えていった場合に、
作品の内容と完全にマッチしきれていないようにも思うことが多く、
それで名作扱いに至らないわけで、それは本作も同様です。

余談ですが、同じブランドから後に『つまびっち』が発売され、
そこでここまで微妙にずれていた波長がピッタリ一致したように感じられ、
個人的には高く評価しました。
従って本作は、当時の印象としては、
粗もあるが後に花開く可能性を秘めた作品というものであり、
現在としては『つまびっち』など後の作品へ昇華していくための、
架け橋とか不可欠の前提のような存在となるでしょうか。

もっとも上記の考えはあくまでも嘘屋作品全体としての評価であり、
嘘屋作品でもMシチュゲーは限られています。
本作は数少ないMシチュゲーの中でもテキストの優れた作品ですので、
当該ジャンルが好きな人であればまず楽しめるように思いますね。

ランク:C(佳作)

えむ先生のこと dl

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