『少女と世界とお菓子の剣 ~Route of AYANO~』

『少女と世界とお菓子の剣 ~Route of AYANO~』

『少女と世界とお菓子の剣 ~Route of AYANO~』は2009年にWIN用として、
私立さくらんぼ小学校から発売されました。

ボクはお菓子の力で世界と戦う!
苦魔鬼轟丸さんの良さを活かしたミステリー&ジュブナイルでした。

少女と世界とお菓子の剣 ~Route of AYANO~ dl

<概要>


ゲームジャンルはノベル系ADVになります。
一応選択肢は登場するものの、会話内容が異なる程度であり、
実質的には1本道の作品になります。

商品紹介・・・学園推理ファンタジーノベル
私立さくらんぼ小学校が本格ストーリーに挑戦
「クラスメイトが消えている!?」
ラジオから聞こえる不思議な声に導かれた少年ミノ
彼はその先で幼くも美しい少女『苺』と出会う
時同じくして少年の周辺では不可思議な現象が起こり始めた!
現実を浸食する世界の夢
少女はお菓子を剣に変え世界の夢を切り裂く
「ボクはお菓子の力で世界と戦う!」

・シナリオ容量はプレーンテキストで『1メガ』
大ボリュームで紡がれる本格ストーリーがあなたを圧倒

・イベントCG総数700枚  立ち絵総CG数3200枚
・エッチシーンは After Effects による秒間30フレームのアニメーション

<ストーリー>


「少女と世界とお菓子の剣シリーズ」は、3部作が予定されています。
もっとも3作目は前後編に分かれるようで、
現在は3作目の前編までが発売されています。
後編が発売されることで、トータルでは全4作品になりそうですね。

また各作品の中では、何か事件が発生し、
その事件の解決を目的とすることになり、章仕立てで進行します。
1作目である本作では、1~3章が「薄田消滅事件」、
4・5章が「福貴島兄妹事件」、
「interlude」として主人公らの日常を描いた6章をはさみ、
7章が「かごめ事件」、そして8~13章が「Route of AYANO」となります。
サブタイトルにもありますが「Route of AYANO」ということで、
本作ではヒロインの一人であるアヤノルートだけ収録されています。
以上の様な構造ですので、ストーリー全体としては完結していないものの、
各エピソードはきちんと終わっているという構造になっています。

尚、主人公は助手というかワトソンのような立場でもあり、
事件の解決は実質小学4年生でありつつも飛び級で中学1年になった、
美少女の「苺」が担当します。
ミステリーではあるものの、推理とかトリックに重点があるのではなく、
事件の引き金となった少年少女らの内面・心理にこそ重点が置かれています。

私立さくらんぼ小学校の作品は、
最近のはほとんどプレイしていないのだけれど、
炉利系では非常に有名なサークルですし、
炉利のエロにこだわった作品を出し続けています。
もっとも、規制だの圧力だのいろいろあって今は同人で活躍しているけれど、
一時は同人から商業に移り商業作品を出していたこともありました。
その頃の代表作には『Close 2U』や『たんぽぽ』があり、
小学生など炉利なキャラたちが登場するのは今と共通するのだけれど、
等身大の子供たちの姿を描いたジュブナイル路線であり、
鬱な内容をまじえつつシナリオで読ませる内容だったのが、
近年のエロ重視の路線との違いなのでしょう。
エロ重視はエロ重視で高い支持を得たから今日の地位があるのですが、
初期のストーリー重視のジュブナイル路線のファンも多かったですし、
苦魔鬼轟丸さんの真骨頂は重めのジュブナイルでこそ発揮されると思います。
本作はストーリー重視の作品ですし、
エロだけを求めた人だとまた印象も異なるのかもしれませんが、
子供目線でのジュブナイル路線を待ち望んでいた人には、
待望の作品と言えるのではないでしょうか。

本作はミステリーものでもありますが、ミステリーもの自体減っていますし、
子供目線でのジュブナイルものは非常に少ないので、
両方の性質を有する本作に似た作品はまずないと言って良いでしょう。
従って、誰がプレイしても、新鮮な感じでプレイできると思います。

本作は学園を舞台にする学園ものでもあるのだけれど、
幾つも事件が発生するし、その事件の解決のために奔走するという内容なので、
読んでいて読みやすかったですね。
女の集団ってこえぇ~とかいろいろあるけれど、
思春期における少年少女らの姿をリアルに描いているので、
あぁ~そうだよなって自分の子供時代を思い出す人もいるでしょう。
まぁ、私は中学時代はひたすら勉強ばっかしていたので、
同時期の自分はあまり参考にならないのですが。

今の業界でこういう作品を書ける人はほとんどいないだろうし、
それもあって十分面白くはあったのですが、
あえて言うならば、本作の舞台は中学校ってところがね・・・
小学校を舞台にした方が、
ライターの良さがもっと発揮できたように思うのですが。
まぁキャラでは本作にも飛び級で入ってきた「苺」(実質小学4年生)がいますが、
それ以外は皆JCというBBAばっかですからね。
いや~プレイしていて思いましたよ。
美少女のJSの前では、JCですらBBAでしかないのだと。
それでもヒロインに関しては構わないとしても、
主人公が中学二年だと、いろんな面で目覚めてしまってますからね。
そうなると精神年齢の低い他のエロゲとの違いも少なくなってしまうので、
やっぱり他のエロゲとの違いを見せつけるという観点からは、
小学校を舞台にすればもっと良くなったように思えてしまいますね。

<感想>


ストーリー以外の点に関しては、シナリオ量は1Mあるそうで、
プレイしていてボリューム的にも満足度は高いです。

グラフィックも差分とかもカットインとかも豊富ですし、
昔はデッサンが少し貧弱に思えたのですが、
今は十分満足できる内容になっていますしね。
Hシーンも一応AEによるアニメもありますし、
これだけで長所と呼べるほどには優れていないものの、
それでも動かない作品よりはずっと満足度は高いです。

音声も付いているし、システム周りは少し貧弱ではあるものの、
その点を除くならば、他は商業と同等かそれ以上のものばかりと思います。

<総合>


ストーリーだけで判断するのならば、
この年のアダルトゲームの中でも5本の指に入ってくるのかも。
またボリュームもあるし音声もあるし、
グラフィックもアニメあり豊富な演出ありと商業顔負けですし、
総合力は非常に高い作品です。

同人なんてと思う人もいるかもしれませんが、
規制が厳しいから同人に戻っただけで、もと商業でもありますし、
このサークルに関しては商業以上のクオリティを持った同人と考えても、
あながち間違いではないのでしょう。

ライターの尖り具合という点や本作が未完であることを重視すると、
中々名作とは言い難い部分もあるのですけどね。
それでも各エピソードは完結していますし、
このジャンルでこの水準の作品はないということで、
総合でも名作と呼ぶに値する作品だと思いますね。

ランク:A-(名作)

少女と世界とお菓子の剣 ~Route of AYANO~ dl

関連するタグ WIN /ADV /ノベル系 /


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