『魅惑の調書』

『魅惑の調書』

『魅惑の調書』は1995年にPC98用として、
BLACK PACKAGEから発売されました。

BLACK PACKAGEのデビュー作であり、
実妹が攻略できるということでも話題になった作品でした。

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<概要>


ゲームジャンルはノベル系ADVになります。

内容的にはナンパものとなるのでしょうが、
趣味としてのナンパではなく、
仕事としてのナンパである点が少し異なるでしょうか。

<感想>


主人公は出版社の社員で、女の子のデータ収集を仕事としています。
そこで仕事に必要なデータ収集のため、
複数いるヒロインの中から3人を選ぶことになり、
参加したパーティでナンパをすることになります。
ゲームの流れとしては、あちこちでヒロインらとのフラグを立て、
無事にフラグが立ったヒロインにつき調書を作成します。
そしてこれを3回繰り返すことになります。

ナンパゲーは古くからあるジャンルですし、
結構一杯プレイしてきたと思うのですが、
あまり深く考えたこともなかったですからね。
記憶も薄れてきたこともあって、咄嗟には浮かんでこないのですが、
ナンパが仕事であるとか、恋愛と切り離されたナンパゲーというのは、
80年代にはあったと思います。
ただ、95年は恋愛ゲー元年と評されたように、恋愛ゲーが増えました。
ナンパゲーであっても恋愛が主目的の作品が多かったことから、
本作の発売時には本作のような恋愛を主目的としないナンパゲーは、
逆に珍しくなっていたかもしれませんね。
まぁちょっと記憶が曖昧になってきているので、
正確なところは調べないと分かりませんけれど。

内容面では実妹が攻略可能であり、その点で注目を浴びた感じでしょうか。
そのため話題性は十分だったものの、
物語全体としては普通って感じの作品でもありました。

本作はグラフィックが良かったので、
基本的にはグラフィック目的で楽しむ作品ってところでしょうか。

<ゲームデザイン>


それと、注目すべき点があるとすれば、
ゲームデザインというかシステム面なのでしょうね。
本作はWIN版も後に発売されるのですが、
WIN版で知った人はプレイして何も感じないと思うのですよ。
後のWINDOWSの時代では標準化されて当たり前の構造ですので、
平凡な作品にしか見えないと思うのです。
しかし数年後の当たり前が、発売時にも当たり前とは限りません。

まずゲームデザイン面ですが、本作はノベル系ADVになります。
パーティ会場内をいろいろ移動するので、
移動先を選択するという要素はあるのですが、
キャラとの会話はクリックだけで進行しつつ、
たまに出てくる選択肢を選ぶだけですからね。
今でもヒロインのいる移動先を選ぶ作品はありますが、
移動先だけを選ぶノベルゲーは90年代後半の方が多く、
本作もそうした系統に含まれるのでしょう。
だから90年代後半のWINゲーでは普通なのだけれど、
95年時はノベルゲーは増えてはいたけど多数派ではなかったので、
少なくとも「普通のADV」という表現にはならないのでしょう。

次に、グラフィックが画面全体に表示されます。
WINDOWSの時代になってからは、
画面全体にグラフィックが表示されるのが標準になっています。
しかしPC98の時代は、中小のマイナーブランドの作品の中には、
画面全体に表示する作品も幾つかあったのですけどね。
大手の作品とか有名作のほとんどは枠で囲まれていたので、
全体的な印象としては本作のようなタイプは珍しかったです。
枠表示のメリットデメリットは、書きだすとそれだけで長くなるので、
一概に良し悪しは決められませんけどね。
個人的には良いデザインだと思えば枠有りが良いよなと感じるだろうし、
良いデザインと思えなければ枠なんて要らないと感じるだろうし。
まぁ人の意見なんて、そんなものでしょう。
とりあえず98時代の古いゲームにも興味があるけど、
CGを枠で囲んであるのは何か嫌だなって人がいるならば、
大手の有名作より中小ブランドの作品を漁った方が良いです。
今の基準・感性と昔のそれとが、一緒とは限らないのですから。
上の画像にもあるように、本作に関してはセリフ欄も透過していますので、
テキスト欄で絵が隠れることはありません。
本作のような表示方法はWINDOWSの時代では当たり前となりましたが、
当時としては少数派であったことは間違いなく、
本作の特徴の一つとも言えるのでしょう。

因みに、本作のような作品が少数でも幾つか存在することから、
こういう背景が全画面に表示される方式が、
96年頃に登場するというのは間違いというのも自明でしょう。

また表示方法という点では、本作はセリフ欄を画面下部ではなく、
画面上部に表示することも可能でした。
個人的には、あまり大きな必要性は感じなかったのですが、
ここは個々人の考え方次第なのかな。
シーンによっては大事な部分が画面下部にある場合もあるから、
そういう時には役立つわけで、
だったら自動で移動してもらった方が楽と私は考えちゃうけれど、
テキスト欄が勝手に移動することに対し抵抗のある人もいるようですからね。
それなら変更可能にしておいて、後はプレイヤーの自由に委ねるというのも、
それもメーカーとしては賢明な選択とも言えるでしょうし。
とりあえず上記の構造と相まって珍しいレイアウトだったことは確かで、
こだわりのある人にはプラスになりえたのかもしれませんね。

それとも関連するのですが、本作は早送りなども当時にしては充実しており、
回想モードなどもヒロインが紹介する形式で凝っていましたからね。
まぁ、これらも後の時代には珍しくなくなるので、
だからこそWIN版から始めたりすると何も感じないのでしょうが、
95年の時点でここまで揃っているのは、まだ珍しかったのですよ。

<総合>


ストーリー的にはごく普通な作品ですし、
これだけだったら佳作かなって感じの内容でもあるのですが、
グラフィックないしキャラは良かったですし、
それに加えて人によっては高得点につながるようなツボにくる要素を、
幾つか含んでいた作品でしたからね。
その分を加点してギリギリ良作ってところでしょうか。

システム的な観点からは、後になるほど当たり前になってくるので、
良さが分かりにくくもあるのですけどね。
本作が有名作であれば、後の作品は本作の影響を受けたのだとか、
そんな感じのことを言い出す人も出てきたかもしれませんが。
とりあえずは、一見すると普通に見える本作も、
発売当時には先端の珍しい形式の作品であったことと、
古い有名作に抵抗がある人は本作の様な作品の方が抵抗が少ないかもという、
それだけ理解してもらえれば十分かなと思います。

ランク:B-(良作)

魅惑の調書

関連するタグ PC98 /ADV /ノベル系 /


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