『時函 -Time Capsule-』

『時函 -Time Capsule-』

『時函 -Time Capsule-』は2008年にWIN用として、
Rayから発売されました。

君への想いが、世界を壊す。
同人乙女ゲームの中で、最高とも評される作品ですね。

時函 -Time Capsule-

<概要>


ゲームジャンルはADVであり、詳細は後述します。

あらすじ・・・夏休みのある日。
私は2人の幼なじみとともに、子供の頃に埋めたタイム・カプセルを掘り出す。
中からは、懐かしい思い出の品々にまじって、
「真神朋来」なる者の持ち物が現れた。
どうやら私達の友人だった人物らしいのだが、
3人が3人とも、彼のことをまったく覚えていない。
真神朋来とは何者なのか。その謎を調べだした私は、不思議な少年に導かれて、
衝撃の真実を知ることになる。

商品紹介・・・
・テキスト量約4MBの大ボリュームで繰り広げられる、
奥深い謎解き&恋愛シナリオ
・登場人物の内面を掘り下げられるクリック会話モード搭載(メインキャラのみ)
・登場人物は、立ち絵のあるキャラクターだけでも27人
・物語を彩るイベントスチルは200枚前後、差分込み1000枚以上
・美麗なオリジナル背景を含む背景画像は、差分含め500枚以上
・物語を盛り上げるBGMは、クラシック等も含め100曲以上
・新進気鋭のイラストレーター、石据カチル、つなこによる劇中劇キャラクター
・作曲・水月陵、ムービー・神月社による美麗OP
・攻略人数は5人+αで、エンディング数は29。初回プレイ10時間前後。
・ 制作期間5年、女性向けゲームでは他に類のないボリュームの作品です。

<感想>


本作は女性向けの、いわゆる18禁乙女ゲームになります。
同人ゲームの中には、たまに商業作品を遥かに凌駕してしまう物がありまして。
女性向けの18禁同人作品の筆頭格が、この作品なのでしょう。

一般的にはストーリーの良さから高い評価を得ているので、
本当はその点を厚く語るべきなのでしょうが、ちょっと厄介なんですよね。
簡単に説明すると、後に発売された大手の商業作品が本作に似ていて、
それでパクリ騒動が起きたようなのだけれど、
だったら本作自体も別の作品に似ているじゃんって問題です。
まぁ、私はパクリか否かは気にしないのだけれど、
何かに似ていると感じられる段階で既に二番煎じのように感じてしまうので、
その分だけ楽しく感じられなくなってしまいます。

もっとも、それは作品に対する評価の全てではないわけでして。
例えば普段よく扱う男性向けノベルゲーで、
世間の一部では非常に高評価なのに私は酷評したって場合も何度かあります。
そしてその多くが、二番煎じで独自性を感じられなかったという理由です。
絵もシステムもほとんど同じな場合、違いはストーリーくらいしかないわけで、
そのストーリーが似ていたら、後発の作品にあまり意味を感じられないのです。
言い換えれば、似ている部分が多いから価値を見出せないだけであって、
ストーリーが似ていても違う部分で独自性を発揮できていれば、
それは十分に楽しめるってことでもあるんですね。

あるモチーフを絵画で表現した人がいて、
俺の方が上手く描けるぜと、
他の人も皆絵画で挑戦されても萎えるだけということなのであり、
それを彫刻で表現したならば、全然別物だってことなのです。

さて、本作は基本的にはノベルゲーなのですが、
一部分で恋愛SLG的な構造を採っていますし、
場面によっては画面クリックの要素も取り入れています。
またあちこちで入手できるアイテムは、攻略にも影響してきます。
つまり本作は、ノベルゲーをベースにしつつも、
その場に応じてシステムを変えてきているのです。
単に読むだけではなく場面に合った構造にする姿勢は、
普段から非常に好むとところですし、
ゲームデザインが全然違う時点で同様のノベルゲーとは既に別物なんですよね。

また本作は、テキスト量からして半端じゃないです。
何でも4MBあるそうで、これは平均的な商業エロゲの倍以上ありますし、
男性向けの有名どころで例えると、『Fate/stay night』とほぼ同じです。
これは決して無駄に多いというのではなく、
本作は立ち絵のあるキャラだけでも27人と登場人物も多いですし、
END数も最近のノベルゲーの中ではかなり多い方ですからね。
いろんなキャラをフォローしていたら、
これだけの分量を要したということなのでしょう。
ゲーム部分の作り込みだけでなく、ストーリー部分の作り込みも十分でしたね。

因みに、上記のように本作は女性向け作品なので、女性が楽しめるのは当然です。
他方で男性が楽しめるのかを気にする人もいるかと思いますが、
その点も全く問題ないように思います。
主人公は感情だけで行動するのではなく、理性的に動く傾向がありますので、
これは男性ユーザーには合うと思います。
可愛い顔で巨乳で、テキスト欄横に常に顔が表示され、
表情も細かく変化しますからね。
男性キャラの表情変化に興味がないのなら、主人公の顔を見ておけば良いのです。
またイベントCGでも、主人公の姿が多く映りますので、
プレイ感覚はギャルゲーであるとか、
男性向け作品の女性主人公ものと何ら変わらないのです。
これ、逆を考えると、男性向けエロゲでヒロインの姿が描かれず、
主人公である野郎の裸だけ出てくるようなものなので、
その場合には切れる男性ユーザーもいるでしょう。
だから本作も、女性向けと言いつつも合わない女性もいるだろうと思うし、
逆にその分だけ実は結構男性向けな作りなのです。

更にCGの量もフルプライス作品より多いし、キャラの表情もよく変わるし、
仮に内容がテンプレな学園ものだったとしても、
ここまでやられたら満足できてしまうってものです。

<総合>


ストーリーも良く、キャラも好印象な上に多数登場し、
グラフィックも非常に豊富で、場面に応じゲームデザインも変えると。
細かいシステム周りで少し癖がありますが、
それを除けば、ほぼ完璧な作品ですね。
まぁ音声がない点で、中にはマイナスに感じる人もいるでしょうが、
同人ゲーは音声がない作品も多いので、気にならない人も多いでしょう。
世間の評判の高さも納得できます。

私も名作だと考えましたが、もし独自性より総合力を重視する人ならば、
私以上に高い評価にもなりえると思います。
女性向けの同人ゲーというのは、なかなか縁のない人もいるかと思いますが、
もし何かプレイしてみたいと思うのであれば、
本作は間違いなくオススメでしょうね。

ランク:A(名作)

時函 -Time Capsule-

関連するタグ WIN /ADV /ノベル系 /


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