『蒼天の彼方』

『蒼天の彼方』

『蒼天の彼方』は2009年にWIN用として、
澪(MIO)から発売されました。

大河ロマン中華ファンタジーと題された乙女ゲーであり、
個人的にも好きなタイプの作品でした。

蒼天の彼方

<概要>


ゲームジャンルはノベル系ADVになります。

あらすじ・・・舞台は騒乱の時代。
時の皇帝は病に倒れ、治世は乱れ、人々は平和な世を求めていた。
天涯孤独な少女は、ある日国の瑞獣と言われている羽兎(うと)を見つける。
羽兎は荒れた世に降り立ち、平穏な世に導くと言われている伝説の存在。

『貴女こそ国の天命を見極めることのできる方』
そして、羽兎に選ばれたことによって少女の運命が大きく動き出す。
彼女が運命の果てに見る光景は・・・

<ストーリー>


本作は女性向けの、いわゆる乙女ゲームになります。

ストーリーとしては、中華風の大河ロマンになります。
瑞獣によって選ばれた主人公が運命に翻弄されていく物語であり、
最初はただの平民でしかなかったものの、
その後、後宮に呼ばれたり戦乱に巻き込まれていくことになります。
作中でも一気に年数が経つこともあり、
期間的にも壮大な作品となっていますね。

物語のジャンルとしても、ノベルゲーではあまり見かけないジャンルですので、
単純に読んでいて楽しかったです。
あぁ~こういうのをプレイしたかったんだよなって。
個人的に少女漫画でも『ふしぎ遊戯』とか、
『天は赤い河のほとり』とかが好きなものですから。

もっとも、ここまでなら単に自分好みってだけで終わるのですが、
ゲームらしく分岐が豊富なのも良かったですね。
結構BADENDの多い作品であり、
しかも攻略対象のキャラや仲間に裏切られることもありますからね。
意外とダークな作品です。

それと、女性向けのノベルゲーの場合、
誰かを攻略するという側面が強いわけでして。
だからストーリーも攻略対象ごとに用意されたものを読む意識が、
結構強いんですよね。
本作でも攻略対象ごとのENDがありますので、
そういう攻略するという側面はあるのでしょう。
しかしながら、主人公の行動によって変わっていく展開であるとか、
次第に埋まっていく年表であるとかにより、
攻略対象ごとの物語を読むというのではなく、
あくまでも本作は主人公の物語であり、
その行動を楽しむ作品という印象が強いです。
イメージ的には近年のノベルゲーというよりも、
PC98時代とかに多かったような、主人公の物語として軸を据えつつも、
ゲームブック風に次々展開が分岐するタイプのノベルゲーですね。
この手のタイプは男性向けでも今は絶滅しかかっていますし、
ましてや女性向けでは最初から絶対数が少ないので、
乙女ゲーとしてはかなり珍しい部類の作品のように思いました。

<ゲームデザイン>


分岐が豊富な作品の場合、時として攻略が異常に難しくなる場合があります。
しかし本作ではチャートが表示されていますので、
攻略もしやすくなっています。

このチャートなのですが、他のノベルゲーだと、
攻略の補助として用いられることが多いです。
見たい時にチャートを開くという構造で、
チャートがない作品よりは便利なものの、
チャートを開く手間がやや面倒という側面もありました。

本作は、そうではなく、基本がチャート画面なのです。
チャート画面上から次の行動を選ぶというものであり、
エピソードが終わるとチャート画面に戻されます。
これにより、若干ですが上記の手間がなくなっています。
また、通常のノベルゲーでは選択肢により分岐しますが、
本作には選択肢もありません。
どういう行動を採るのかを枝分かれしたチャートから選び、
それにより物語が分岐します。
この構造により、主人公の行動は直接プレイヤーが選ぶのだといった意識が、
通常のノベルゲーより強く感じられますので、
個人的にはこれは良かったなと。

チャートでは各イベントのあらすじも知ることができますし、
過去の任意の地点にも戻れます。
また物語全体の中で、自分がどこまで読んでいるのかも、
チャートとパーセント表示により分かりますので、
忙しい社会人でも今日はここまでと目安を作ってプレイしやすいわけでして。
チャート式のノベルゲーはこれまでにも幾つも見てきましたが、
チャートを前面に押し出してきた本作は、
その中でも1・2を争うくらいに便利に感じました。

なので、個人的には非常に好印象なのですが、世間での評判を見るに、
イベントがぶつ切りにされるようで苦手とする人もいるようでして。
これは、たぶん経験次第で印象も変わるのかなと。
女性向けのノベルゲーの場合、純粋に読み続ける作品が多いので、
細かく区切られる作品に慣れていない人も多いのでしょう。
逆に男性ユーザーですと、マップ上からキャラを選択する類の作品も多く、
細かく区切られる作品に慣れている人も多いと思います。
本作は簡易マップがチャートになり、どのヒロインに会いに行くのかを、
どのイベントを見に行くのかに置き換えたようなものと言えますので、
男性プレイヤーの方がシステム的には違和感なくプレイできると思いますね。

<グラフィック・サウンド>


中華風の作品ということで、それなりの雰囲気も重要になりますが、
グラフィックもサウンドも雰囲気が出ていて良かったです。

特にOP曲は良かったですね。
この時点から既にこだわりを感じられましたし。

<総合>


ストーリーもゲームデザインも雰囲気も、もろに好みの作品でした。
主観的には文句なしですね。

この手の作品が少ないこともあり、誰でも新鮮な感覚で楽しめると思うし、
ゲームとしても十分楽しめる上に、環境周りが完璧な作品ですので、
ノベルゲーとしてもお手本のような作品だと思いますね。

ランク:AA-(名作)

蒼天の彼方



関連するタグ WIN /ADV /ノベル系 /


面影レイルバック   美少女万華鏡 -罪と罰の少女-  蒼の彼方のフォーリズム EXTRA1
カテゴリ「2009」内の前後の記事





管理者にだけ表示を許可する

トラックバック http://advgamer.blog.fc2.com/tb.php/2656-98e94fe2
| ホームへ戻る |