『ツンデレ☆S乙女 -sweet sweet sweet-』

『ツンデレ☆S乙女 -sweet sweet sweet-』

『ツンデレ☆S乙女 -sweet sweet sweet-』は2010年にWIN用として、
美蕾から発売されました。

設定やシステム面で、少し変わった乙女ゲームでしたね。

ツンデレ☆S乙女

<概要>


ゲームジャンルはノベル系ADVになります。

あらすじ・・・
主人公・月城いおりは気が弱くて引っ込み思案、趣味は掃除という女の子。
そんないおりは、学園時代に初めてできた彼氏に弄ばれて捨てられてしまった―
そのことをきっかけに、自分を変えることを決意する。
美人になって、いつかみんなを見返してやろうと――
そして、2年後の春。整形とダイエットで美しく変貌を遂げたいおりは、
私立の名門――ステラチェルシア大学の前に立っていた。
モテ本で勉強した積極的な女性は、まだ完璧には演じられていないけれど……。
――ここが新しいスタートライン。

<感想>


本作は女性向けの、いわゆる18禁乙女ゲームになります。

美蕾は最初の18禁乙女ゲームを出したブランドであり、
この分野では老舗中の老舗です。
しかも前年の2009年には『すみれの蕾』が発売され、
乙女ゲームの最高傑作に推す人がいるくらい支持されまして。
私は、そこまではハマらなかったものの、
男性向けで例えるならば、Keyでいう『クラナド』みたいな、
集大成としてのやりきった印象は感じたものです。
そのため、その次の新作というのは、
どんな内容であれ、ある程度賛否分かれてしまうのでしょう。
本作の一番の不幸は、
『すみれの蕾』の後の完全新作商品だったということだと思います。

さて、肝心の内容なのですが、基本的には普通の作品なのかなと。
ただ、2点ほど印象深かった点がありまして。
その一つ目は、主人公の設定ですね。
本作の主人公は整形をしています。
自分を変えたいってコンセプトの作品は他にもありますが、
男性向けだと相手に催眠術をかけるとか、
そういう発想になるんですよね。
主人公がブサ男でも整形することはないし、
ヒロインで整形している娘が出てくることもないです。
主人公が整形してやり直そうとするのは、
ある意味女性向け作品ならではの設定なのかなと。
そういや、2010年には他にも同人ゲーで整形した女性キャラが出てきましたし、
私がプレイした中では、2010年の作品は整形率が高かったような。
この辺の事情は全然知らないのだけれど、
何か社会的関心を引く出来事でもあったのでしょうか、
それとも単なる偶然なんですかね。

もう一つ印象深かったのは、ゲームシステムですね。
本作は基本的にはノベルゲームであり、
具体的には簡易マップから移動場所を選ぶタイプになります。
で、移動した先でキャラと会話すると選択肢が出てくるのですが、
その際に「ツン」「デレ」「ピュア」のどのボタンを押すかで、
選択肢の内容や主人公の態度が変わってくるのです。

男性向け作品や、ADV全体で考えると、
本作の移動場所を選ぶタイプが先に流行り、
そこから次第に読むだけのタイプが増えて現在に至ります。
また、古くは「第4のユニットシリーズ」や『ノスタルジア1907』のように、
プレイヤーの感情をダイレクトに伝える作品もありました。
私はプレイヤーの感情を伝えるシステムは良いと思っているのですが、
感情を伝えるどころか、選択肢に反する主人公が出てくるなど、
男性向けでは読み物としての方向にシフトしていき、
プレイヤーの意思を尊重するADVは減っていく傾向にあります。
それに比べると、女性向け作品は歴史が浅いこともあり、
最初から読み物としての方向性の作品ばかりだったわけで。
本作のような、つまり90年代以前の男性向け的構造の様な作品は、
単純に珍しいよなと思いました。
ノベルゲーに染まった人には利点が分らないかもしれないけれど、
ただ読むよりも、少しでも自分の意思を反映できる方が好きな人も、
たぶんいると思うんですよね。
そういう意味では、大手がこういうことをやるのは、良いことだと思いました。

<総合>


まぁ最初から不遇な作品ではありますからね。
過度に期待しなければ、乙女ゲーとしては十分良作なのでしょう。
私の場合、普通の恋愛ゲーは辛めに判断していますので、
ここでは佳作としておきますけどね。
もっとも女性プレイヤーが乙女ゲーを求めるという観点からは、
良質な作品だったとは思います。

ランク:C(佳作)

ツンデレ☆S乙女

すみれの蕾&ツンデレ★S乙女

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