『夢をもう一度』

『夢をもう一度』

『夢をもう一度』は2006年にWIN用として、美蕾から発売されました。

キャリアウーマンのお姉さんの恋愛ものを探していただけに、
これはど真ん中でしたね。

夢をもう一度

<概要>


ゲームジャンルはノベル系ADVになります。

あらすじ・・・「いつか、きっと王子様が・・・」
主人公は外資系の広告代理店に勤める28歳のOL。
入社当時は庶務の雑用だったが、運よく本人の努力と実力が認められ、
今ではバリバリのキャリアウーマンになっている。
今まで何人かの男性からプロポーズされた経験もあったが、
どうしても結婚に踏み切れなかった。
「いつか、白馬に乗った王子様のような男性が迎えに来てくれる・・・」
まさか、仕事のできる主人公が
そんな夢のようなことを考えているとは誰も思いもよらないだろう。
でも、ひたすら素直にその日を待ち続けている主人公。
それは、高校の卒業と同時に離れ離れになってしまった彼への想いが、
いつの間にか美化された結果なのか・・・。
そんな主人公の想いとは別に、待ち受ける男性との数々の出会い。
そのなかに、主人公の理想の王子様はいるのだろうか。

<感想>


本作は女性向けの、いわゆる18禁乙女ゲームになります。

普段男性向けのアダルトゲームを中心にプレイしていて、
まぁそれなりの数をプレイしていると思うのだけれど、
今は特定ジャンルばかり増えて多様性のない業界ですからね。
慢性的に不足しているものも多いのですよ。
その一つが妙齢のお姉さんの存在ですね。
設定年齢はともかくとして、見た目は炉利か熟れきった熟女ばっかで、
その中間が欠けているのですよ。
また、男性向け作品だと学園ものばかりで、
社会人が主となる作品も非常に少ないのが現状です。
だから本作の様な、28歳のキャリアウーマンが主人公の作品というのは、
まさに待ってましたって感じの作品なのです。

さて、あらすじを見ると夢見る乙女が恋愛を成就させようとする物語のようで、
甘い雰囲気の作品かなと思ってしまいそうです。
男性向けで例えるならば、
イチャラブの萌えゲーみたいなのを想像する感じですね。
でも、アラサー女性の現実は厳しいわけでして。

一番のメインは、高校卒業により離れ離れになった彼氏だと思うのですが、
紆余曲折の末に無事結ばれて子供ができるのはハッピーなんだけれど、
その後に不幸があるので、泣ける反面、軽く鬱になります。
っていうか、男性プレイヤーは明日は我が身であり、リアルに凹むと思います。
ハッピーエンドで、こんなに凹むとは思わなかったよ、マジで・・・

他の攻略対象のキャラにしても、実はストーカーだったり、
異常に病んでいたり、嫉妬が凄かったり、何か突然ホラーな展開に進んだり、
不倫になってしかも相手男性の妻は主人公の友人だったり・・・
うん、恋愛って良いことないねw

つまり現実の大人の恋愛でも普通にありそうな負の要素がてんこ盛りで、
それを少し強調したような作品なんですね。
そのため大概のルートが怖かったり切なかったり、
現実だったらマジ勘弁って思ってしまうのです。
乙女ゲーって、基本的には女性プレイヤーが、
攻略対象との甘い恋愛を求めてプレイするわけでしょ。
それでこんな内容だと、そりゃ発狂したくもなるわなw
上記の例で言うと、イチャラブの萌えゲーかと思ってプレイしてみたら、
萌え要素皆無の、かなりきつい鬱ゲーでした~みたいな。
だから賛否分かれるのも当然だし、
普通の恋愛を求めた人が否定的になるのも十分に理解できるのだけれど、
良くこんなん出したよなという意欲的なところは好きだし、
リアルの生活と照らし合わせて鬱になりそうな作品も、
これはこれでありだよなと。

っていうか、これをやることで思いましたね。
男性向け作品は数も多いので、
その手のジャンルが好きそうな人だけが買う傾向も強いです。
だから無差別にプレイさせたらかなり賛否分かれそうな作品も、
結局好きになれそうな人しかプレイしないから、評価も高くなるんですよね。
でも、女性向けは発売される絶対数が少ないですからね。
どう見ても、お前には合わないだろってプレイヤーもプレイするので、
ハッキリ賛否分かれるんですよね。
そして、私が求めるのは刺激の強い作品であり、
本来は賛否分かれそうな作品なのですから、
女性向けでは結構否定意見の多いような作品の方が楽しめる場合もあると。

例えば家庭用ゲーム機でも、ハードの出始めはタイトル数が少ないので、
自分に合わないような作品まで買い込む人が多いです。
否定する意見を読んでいると、お前そもそも何でそれ買ったのよと、
凄く疑問に思う場合も多いですし。
だから否定意見も多くあるから駄目なのかなと思うと、
そんな初期作品の中には意外と掘り出し物も混ざっていたりするのですよ。
乙女ゲー市場は、それと似たような感じなのでしょうね。

とりあえず、男性向けのノベルゲーでも恋愛もの、
中には三角関係や修羅場を扱った作品もあり、
世間一般では胃が痛くなるだのと言われる作品もあるのですが、
それら大概が子供だましの内容ばかりでして。
だって男性に都合の良い女性しか出て来ないのですから、
そこにリアリティなんて感じられないし、
キャラに人間味を感じられないからプレイしていて痛くもないのです。
それで男性向けの近年の三角関係ものは楽しめないケースが多いのですが、
本作は女性向けに作られただけあって、
男性に都合の良い人間味のない女性キャラではないので、
その点ではリアリティを感じられ好印象でしたね。
まぁホラーな方向性など一部誇張されているけれど、
それはオチにおけるフィクションとして、
楽しませる範囲内に収まっていると思いますし。
何より三角関係で切なくなるという点では、
近年の男性向けの、どの恋愛ゲーよりもプレイしていてこたえましたしね。
その点が、個人的にはポイントが高かったです。

<総合>


職場を舞台とした社会人の恋愛もので、
シナリオがまともなだけでも個人的には良作扱いしちゃいそうですが、
でもそれだけだったら良作止まりなわけでして。
そこに三角関係とかで男性向けのどの作品よりも切なく感じられた点が加わり、
総合でも名作と感じたってところですね。

もう一つ加えるならば、乙女ゲーって自分にとっては、
最初はプレイする必要性を感じないジャンルでもありました。
BLの方が苦手ではあるものの、先に発展したBLゲーの中には、
BLでしかできない物語とかありましたから、
ゼロ年代前半だとBLゲーの方が良いと思える作品が多かったんですね。
ゼロ年代後半の2006年頃になってようやく、
本作とか乙女ゲーでもプレイする意義を見出せる作品が出てきたわけで、
今後は乙女ゲーも期待できるかもと思えたことも大きかったです。

まぁ恋愛の怖い面を扱った作品でもありますので、
しかもリアルに凹みかねない作品ですので、
どうしても賛否分かれてしまう作品ではあるのでしょう。
でも、だからこそ、そこが個性として際立っているとも言え、
この手のジャンルが好きな人にはオススメの作品だと思いますね。

ランク:A-(名作)

夢をもう一度

夢をもう一度

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