『すみれの蕾』

『すみれの蕾』

『すみれの蕾』は2009年にWIN用として、美蕾から発売されました。

乙女ゲーの老舗ブランド美蕾の代表作で、
18禁乙女ゲー全体の中でも非常に評判の良い作品ですね。

すみれの蕾

<概要>


ゲームジャンルはノベル系ADVになります。

あらすじ・・・主人公は歌劇場のある街に住む、裁縫が好きな学園3年生。
課外授業で観劇して以来、友人に誘われて5年ぶりに観に行った歌劇。
そこで、「淳ヒカリ」の演技に魅了されてしまう。
幼馴染の心無い一言により、
恋愛には全く無縁になってしまった主人公だったが…

<感想>


『すみれの蕾』は女性向けの、いわゆる18禁乙女ゲームになります。
そして美蕾は、最初の18禁乙女ゲーを発売した老舗ブランドなんですね。
18禁乙女ゲーにおいてゼロ年代半ばから後半を代表するブランドであり、
80年代のADVで言えばエニックスのADVのような感じでしょうか。
・・・って、例えの方が古くて分かりにくかったですかねw
その美蕾が2009年に発売したのが本作で、
全乙女ゲーの中でも最も高く評価する人も多数いる程の人気作ということで、
それで注目した作品でした。

内容的には恋愛ものになるのですが、まず変わっているのは物語の構造面ですね。
本作は最初に学園編があり、演劇部で雑用をこなしながら、
様々な出会いや経験をしていくことになります。
その後に歌劇編があり、こちらは学園を卒業してから4年後が舞台になり、
主人公は服飾学校を経て念願の歌劇団の衣装部で働きはじめます。
そして、その後に各キャラとの専用ルートが待っています。

複数の時代を扱う作品は皆無ではないのでしょうが、
ノベルゲーでは決して多くはないです。
男性向けアダルトゲームなんかでも、
学園時代の後にアフター編が少し長いだけで今でもありがたがられるので、
本作のような複数の期間を扱う作品が好きって人も、
潜在的には結構多いのではないかなと思うのですけどね。
加えて本作は歌劇団での仕事もありますので、恋愛ものでありながらも、
わりと誰がやっても新鮮な感じでプレイできるように思います。

とは言うものの、根本にあるのは恋愛ものですし、
特に驚かされるような仕掛けがあるわけでもないですから、
キャラへの印象次第で作品への印象が変わることは否めないのでしょう。
実際、確かに丁寧で作り込まれているとは思うものの、
個人的には最高と評される程までには思えなかったものですから。

まぁ評判の良いルートのネタが、男性向けでは既によく使われていたりとか、
そういうのがプレイした印象の違いにもつながったのでしょうけれど。
また私の場合、行動的で意思の強い女性が好きですし、
男性に都合の良い言いなりなヒロインに飽きて、
それで男性向けでなく乙女ゲーに興味を持ったタイプなので、
本作の主人公にはイマイチ魅力を感じられなかったというのもありますけどね。

ただ上記の点は、あくまでも私個人の感想でしかないので、
逆に主人公やキャラたちが気に入った人ならば、
どこまでもハマっていけるだけのポテンシャルは持っている作品だとは思います。

と言うのも、まずグラフィックは枚数も多いですし、
背景とかも凄く綺麗なんですね。
実は本作をプレイし始めて、
私が最初に注目したのはキャラでなく背景でしたから。
何だろうな~、綺麗ってだけじゃ言葉が足りないのかな。
綺麗な作品は男性向けゲーでも時々見かけるけれど、
色彩が鮮やかだなって思えた作品はあまりないように思います。
それで、とても印象深く感じたのでしょう。

またエンディング曲も非常に良くて、作品とも絶妙にマッチしていますし、
クライマックスで凄く盛り上がるのですよ。
やっぱり、何だかんだでラストで盛り上がる作品は良いですね。
男性向けノベルゲーですと、
ゼロ年代前半はラストで盛り上がるのも多かったですが、
その代わりに途中が激しくつまらないものも多かったわけで。
逆にゼロ年代後半は途中までが楽しめる作品も増えたのだけれど、
その代わりにラストでこけてしまう物が多いものですから。
だからラストでグッと盛り上がれるノベルゲーって、
何か久しぶりだなって印象を受けたものです。
だからキャラが気に入って、ラスト付近まで楽しめた人ならば、
ラストではとても感動できると思います。
結論を先に書いてしまいますが、本作を名作とした最大の決め手は、
このエンディング曲でしたからね。

更に、ゲーム全体のボリュームも非常に多く、END数も73もあります。
こんなに多いの、いつ以来だろ・・・
男性向けだとEND数は少なくなっている傾向があるので、
女性向け作品のEND数の多さには驚かされますね。
その中でも本作は多い方だし、それでいてどれもきちんと作られているし、
これこそ魂の作品だなって思わされます。

つまり本作は、隙のない完成度の高い作品なのです。
美蕾の中だけでなく、ゼロ年代の乙女ゲーの集大成的な、
全部詰め込んだような作品であり、
これをベストと言う人の気持ちも分る作品でした。
男性向けで例えるなら、クラナドみたいなものかな。

<総合>


これはもう、乙女ゲー好きなら誰がやっても名作でしょうってくらいの作品でしたね。
ただ、私の評価基準とずれるので、これでもかなり厳しめになっていますが。
もしオーソドックスな乙女ゲーをプレイしたいのであれば、
絶対に避けては通れない作品のように思いますね。
本当に良く作り込まれた作品でした。

ランク:A-(名作)

すみれの蕾

すみれの蕾&ツンデレ★S乙女 リニューアルパッケージ

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