『くりいむレモン ~STAR TRAP~』

『くりいむレモン ~STAR TRAP~』

『くりいむレモン ~STAR TRAP~』は1987年にPC88用として、
JASTから発売されました。

87年のアダルトゲームの中では、おそらく最大の話題作ですね。

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<はじめに>


このブログを訪れる人は、たぶん他所のアダルトゲーマーの集まりよりも、
平均年齢は高めだと思います。
だから今更「くりいむレモン」の紹介は不要だって人も多いだろうし、
私より詳しい人も結構いるかもしれません。
またシリーズ関連作の紹介も既に何度か行っていますので、
そこで存在を知った人もいるかもしれません。
なので今回は簡単に説明してしまいますが、
くりいむレモンシリーズは84年から始まった、
オリジナルのアダルトアニメのことであり、
アダルトアニメの元祖的な存在なんですね。

私はアダルトアニメへの関心は薄かったので数作しか見ていませんが、
昔は非常に根強い人気を有していました。
今でも人気アニメはゲーム化されたりしますが、
くりいむレモンシリーズはPC98時代には制作元のフェアリーダストから、
PC88時代にはジャストとポニーキャニオンからゲーム化されています。
くりいむレモンなんて知らないよって人でも、
3社からゲーム化された作品なのだと言われれば、
何だか知らんが昔に凄い人気のアニメがあったんだなと想像できるかと思います。

さて、そのようなくりいむレモンシリーズのゲームですが、
今回扱うのは最初にゲーム化したJAST版になります。

<話題作>


近年は、というか、ここ10年以上ずっとですが、
アダルトゲームの売上は下がり続けており、勢いがありません。
それに対し、名作と呼ばれるような優れた作品を、
多く作っていければ良いとの意見に対しては、
私は根本的に間違っていると思います。
優れたシナリオがあっても、優れたゲーム性があっても、
それにより名作と呼べる内容を有していたとしても、
ぶっちゃけあまり関係ないのだと思うのです。
名作だからと言って発売当時から話題になるとは限らず、
話題作が名作になるとは限りません。
両者は兼ねる場合もありますが、基本的に別個なのです。
そして市場が盛り上がるには、皆が盛り上げたくなるような、
発売日から皆が買いたくなるような話題作こそ必要なのでしょう。
私は今でもアダルトゲーマーだし、それは今でも面白いと感じる作品、
名作と感じる作品があるからプレイするわけで、
売上が下降しているのと同じように良い作品が減っているとは思いません。
ただ、多くの人が盛り上がれるような話題作は、
やっぱり減っているのかなと思います。

余計な話が長くなりましたが、
87年には優れたアダルトゲームも幾つか登場しています。
私も名作として紹介した作品も何本もありますし、
それらの多くは他所でも高く評価されています。
だから今から87年を振り返る場合、
どうしてもそういう名作を中心に語ってしまいがちですけどね。
また何でもそうですが、当時を知らない人が過去を調べる場合、
当時の名作は何だろうって観点で調べがちですよね。
でも、昔の名作が当時の話題の中心であるとは限らないのです。
87年当時の感覚で振り返るならば、また違った光景にもなりうるわけでして。
その分かりやすい例が本作なのでしょう。
上記のように、くりいむレモンシリーズは、
アダルトアニメの代表的な存在です。
また製作したJASTは『天使たちの午後』を始めとし、
この頃の美少女ゲーム市場における最大手と言えるでしょう。
その両者が組んだわけですからね。
当時の古い書籍には、
「全盛期のONが揃ったかのような」と期待されていました。
まぁ、ONはどっちも野球なので、例えとしてどうなのかという気もしますが、
気持ちは分らなくもないですね。
今だと何だろうな~
今と言いつつ適当な例が思い浮かばないので、数年前の例になりますが、
例えばアニメがブレイクした『けいおん!』を、
オーガストとかアリスソフトがゲーム化しますよと言うようなものですかね。
とりあえず、それくらい各分野の大手の組み合わせということであり、
期待が高まるのも分るし、87年の最大の話題作と言えるかもしれません。

<感想>


問題は、肝心の中身なのですが、
本作はシリーズ10作目の『STAR TRAP』を題材にしています。
因みに、『STAR TRAP』の主人公2人は『ダーティペア』のパロディでもあり、
『STAR TRAP』の原案とデザインを担当した計奈恵さんは後に、
『ダーティペア』のゲームブックの挿絵も担当しているとのこと。

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さて、本作は地球連邦艦隊ESP隊員だった怪力の持ち主ランと、
変身能力を持つカナタに対し、
謎の植物惑星を破壊する指令が下されたことから始まります。
ストーリーは基本的にオリジナルの『STAR TRAP』に準拠していますが、
ゲームらしさということで、
ランとカナタのどちらに行動させるかで、
結果が微妙に異なるというものがあります。

原作の魅力を維持しつつゲームらしさもということで、
この部分だけなら良かったんですけどね。
もっと根本的な部分で、本作は87年の発売なのにコマンド入力式だったり、
画面が瞬間表示でなかったりと、
発売当初から妙に古臭く感じさせる内容でした。

<総合>


結果的に本作は、話題作だからと言って面白くなるとは限らないのパターンで、
まぁだからこそ、今は語られることも少ないのでしょう。
本作が後世に語り継がれることはないのでしょうが、
当時のユーザーに夢を見させてくれたのも確かでしょうし、
そういう作品はいつの時代も必要なのだと思いますね。

ランク:C(佳作)

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