『ロリータバイオレンス』

『ロリータバイオレンス』

『ロリータバイオレンス』は1987年にPC88用として、
アダルティンから発売されました。

美少女の一日を扱った作品で、
グラフィックなどでインパクトのある作品でした。

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<概要>


アダルティンと言うと馴染みのない人も多いかもしれないけれど、
D.O.の前身ですね。
まぁ、D.O.も今は事実上なくなったようなものなので、
最近だと知らない人も出てきているかもしれませんが。
一時期はソフ倫の会長を務めていたり、
御三家(エルフ・アリス・アイデス)に並び称されるほど、
勢いと実力のあったブランドだったわけでして。
加えてD.O.ブランドとしては90年のデビューとなるものの、
元々は『いけにえの街』と本作を87年に発売し、
アダルティンというブランド名でデビューしていたので、
歴史は更に古いというわけです。

本作は周りからも注目される美少女の一日を扱った作品であり、
朝起きてから友人らと登校し、授業を終えて部活を楽しみ、
帰宅するまでを扱っています。

尚、本作はスナイパーシリーズ第2弾と記載されていますが、
第1弾は上記の『いけにえの街』になります。
両者ともアニメーションをウリにしている点で共通はしますが、
内容的には関係がありませんので、本作だけのプレイで全く問題はないです。

<ゲームデザイン>


本作はノベル系ADVであり、クリックだけで読み進めます。
80年代の当時の書籍にも、「紙芝居感覚で楽しめる」と表現されていましたっけ。

余談ですが、今のアダルトゲームの大半は、
公式上は「ADV」だったり「~ノベル」という表現が用いられています。
でも、実質的なプレイ感覚から、
ユーザーの方で、これって紙芝居じゃんって言ったりもするわけで。
つまり「形式:ADVないしノベル」、「実質:紙芝居」ってことですね。

「~ノベル」とか「ノベル~」などの、いわゆるノベルゲーも、
「サバイバルホラー」みたいな感じでメーカーが勝手に付けた表現であり、
伝統的な区分ではADVに属し、くだけた表現では紙芝居となるのでしょう。
87年当時にはノベルゲーという言葉はなかったので、
ADVないしETCと表現されていても、
プレイすれば紙芝居じゃんってゲームは幾つもあるわけでして。
だから本作も形式的にはADVないしETCに分類されるのだけれど、
書籍のライターはその自身のプレイした印象から、
くだけた表現で実質的な観点から紙芝居と説明したのでしょう。

コラムとか、無料で書いている分には構わないのですけどね。
記事でお金を取っている人は、
少なくとも当時の文献くらいは読むべきだよなと。
ノベルゲーについてのコラムとか幾つも読んだけれど、
大抵が起源は形式で判断して書きつつ、
途中から実質的なノベルゲーの話になっているわけでして。
分水嶺というか、分かりやすい例がタクティクスの『ONE』でしょうか。
あれ、今のアダルトゲームと同じ構造ですが、
形式的にはADVであり、実質的には紙芝居です。
だから実質的な観点からノベルゲーに含めて語りだす場合があるのだけれど、
実質的な観点からノベルゲーを語るのであれば、
80年代の作品が元祖になるはずです。
逆に形式的な観点からノベルゲーをかたるのであれば、
『ONE』や今のアダルトゲームの大半はノベルゲーではありません。
形式的な観点と実質的な観点がごっちゃに混ざっているものばかりだから、
不満に感じる書籍・コラムが多いんですよね。
まぁ書く方も大概だけれど、
ああいうのを違和感なく読めちゃう人が何か語っていても、
ちょっと個人的には信用できないです。

余談ばかりになって申し訳ないですが、
とりあえず形式的な名称は何であれ、実質的なノベルゲー、
当時から紙芝居ってユーザーに言われていたゲームというのは、
もう既に存在していたってことですね。

閑話休題。
本作は基本的に一本道なのだけど、終盤で分岐が一か所ありまして、
そこでハッピーENDかバッドENDに分岐します。

ノベルゲー自体がジャンルとして広く浸透する前の作品ですし、
コマンド選択式でも難度の高い作品の方が好まれる時代にあっては、
紙芝居感覚で進む作品は不当に低く見られがちだったでしょう。
逆にコマンド選択式は古いだの面倒だのと言う今のユーザーには、
当時の名作より本作のような作品の方がストレスなく楽しめるのでしょうが。
この辺は、世代間で価値観が全く異なりますので、注意が必要ですね。

例えるならば、今の日本人って大トロをありがたがるけれど、
江戸時代は捨てていたって言うでしょ。
それと同じようなもので、今のエロゲーマーはノベルゲーを好むけれど、
昔のコマンド入力式や選択式を好んでいた人は、
ノベルゲーをゲームとして認めていなかったり過度に低く見ていたって事です。

まぁ、好き嫌いを別にして客観的に見るならば、
こういう系統の作品は幾つか存在はしていたものの、
まだ珍しかったとは言えるでしょうね。

<グラフィック>


珍しいという点では、テキストの表示方法にも妥当します。
通常のADVのように画面下部にテキスト欄として固定されるのではなく、
話すキャラの近くに吹き出しっぽくテキスト欄が表示される可動式でした。
画面内の動きが乏しい当時の作品では、
この形式にするメリットは今よりは乏しいかもしれませんが、
少なくとも他のADVとは異なるわけで、
その点でも新鮮な感覚で楽しめる目立った作品と言えるのでしょう。

・・・いや、メリットはあるのか。
不透過の固定テキスト欄があると、その分だけ画像が小さくなりますし、
当時はコマンド選択式だとコマンド選択欄に結構な範囲を割いてましたから、
より一層グラフィック画面が小さくなってしまう場合もありまして。
本作は固定のテキスト欄もコマンド選択欄もないことから、
画面全体にグラフィックを表示できますしね。
そこに当時多かった炉利系ではない、等身大の可愛い女子高生が映るので、
それだけで何か、「他のアダルトゲームと違うよこれ」って感じで、
インパクトのある作品ではあったんですよね。

<ストーリー>


そしてストーリーですね。
とある女子高生の一日を見せるというのは、今でも数は少ないと思いますし、
当時は尚更のこと珍しいタイプだったと言えるでしょう。
まぁ、それが面白いと感じるかは人それぞれですが・・・

さて、概要で帰宅するまでと書きましたが、一番の見所はその帰宅時にあります。
美少女が遅くに一人で帰るわけですから、当然危険も増えるのですよ。
案の定、主人公は暴走族に襲われまして、そのままだと犯されてしまいます。

だから物語上のジャンルとしては、陵辱系になるのかな。
女性主人公なので、陵辱するのではなく陵辱される側ですけれど。

そして、この襲われそうになったときにHELPキーを押すと、
主人公の彼氏が助けにきて、その後は彼氏とのHシーンへと展開します。

<感想・総合>


一つ一つは強烈な長所とまでは言えないのでしょうが、
随所に当時の一般的なADVとは異なる部分がありまして。
面白いと感じるかはさておき、
っていうか主観的には、さほど面白いとも思わなかったのですが、
全体で見るとオンリーワンな珍しさを有し、
グラフィックを中心にインパクトのある作品でした。
また当時の作品は、どちらかと言うと、
出てくる女性を手当たり次第に襲う感じであり、
逆に自分が襲われてしまう点でも珍しかったかもしれませんね。

ランク:B(良作)

ロリータバイオレンス

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