『とっぱら ~ざしきわらしのはなし~』

『とっぱら ~ざしきわらしのはなし~』

『とっぱら ~ざしきわらしのはなし~』は2008年にWIN用として、
キャラメルBOX いちご味から発売されました。

妖怪たちとの触れ合いが心地良い作品でしたね。

とっぱら

<概要>


ゲームジャンルはノベル系ADVになります。
正確には、簡易マップが表示されますので、
そこから移動先を選ぶことで進行するタイプになります。

あらすじ・・・生まれつき妖怪を見ることができた主人公「五日市圭治」は
日常的に妖怪と交流してきた。
だが、些細なことがきっかけで住み着いていた座敷童とケンカ別れしてからは
家に不幸が降りかかってきた。
そのことが原因で妖怪嫌いになり一人暮らしとなった圭治の家へ、
ある日一人の女性妖怪が訪れる。
「影女の美影と申します。お世話をしに参りました。」
押しかけ女房同然に住み着いた美影をきっかけに、
再び圭治は妖怪とかかわりあう日常が始まった。

<感想>


本作は「キャラメルBOX いちご味」のデビュー作であり、
複数ライターでのデビュー作品としての弱さが、
作品にも反映されてしまったのでしょう。
即ち、デビュー作ということで細かなシステム周りが少し弱く、
複数ライターの弊害でヒロイン間のシナリオにバラツキがあり、
全体を通したストーリーとしては纏まりに欠いてしまうのです。

まぁ、気にする人もいるかと思って最初に書いたものの、
あまりシステム周りを気にしない私なんかは、
特に不便に感じたわけでもないのですけどね。
ストーリーに関しても、テーマは何だとか堅苦しく考え込む人には、
ちょっと向いていないなとは思いますが、
後述する理由から個人的にはバラツキも気にならなかったですし。

もう一つ加えるならば、
多数いるヒロイン間でシナリオの濃さにバラツキがあるため、
特定のヒロインを攻略したい・恋愛したいという意思がある人向けではない、
つまりキャラゲーでもないんですよね。
だからまぁ、シナリオだの抜きだのキャラだの、
近年用いられやすいカテゴリに強引に分類しようとすると、
どの観点からも物足りなく感じてしまうおそれがあるのでしょう。

じゃあ本作は駄目なのかと言うと、決してそうではありません。
本作は全体としては妖怪との交流を通じて主人公が成長する作品ですが、
構造的には妖怪のショートストーリーの集合体のような作品でして。
妖怪の特性を活かしたエピソードは良かったと思いますし、
何より妖怪たちとの触れ合いや日常が楽しかったわけで、
やってて癒されるんですよね。
その様な妖怪たちとの交流を通した癒しゲーとしては、
良く出来た作品なのだと思います。

舞台となる街には、無数の妖怪がいます。
ここが本作の良かった点、こだわりポイントの一つだと思うのですが、
本作は移動した先で小妖怪に出くわす場面があります。
よく見ると、背景とかにケサランパサランとか一反木綿とか、
文福茶釜とか他にもいろんな妖怪が出てくるのです。
どんな妖怪と会えるだろうかと、街をうろつくのが楽しくなってきます。
でも一期一会というか、縁がないと出会えない妖怪もいるんですよね。
本作のヒロインというのは、主人公にとって縁のある存在であり、
出番の多いヒロインというのは、それだけ縁があったということなのでしょう。
合縁奇縁、だから本作に関しては、
上記のようなシナリオ間のバラツキが私には気にならなかったのです。

ところで、本作の簡易マップから移動先を選ぶという構造は、
90年代後半には多数存在していたものの、
ゼロ年代に入ってからは数が非常に減っています。
本作の構造が一般論として一概に優れているとは思わないし、
導入しても意味のない作品もあります。
しかし、本作は街をうろついて、
妖怪たちと触れ合うこと自体に意味があると思いますので、
単に読むだけのノベルゲーよりも、
本作のような構造の方が作品の持つ魅力を引き出せると思います。
従って、本作でのこのシステムの導入は良かったのでしょう。
自分で移動先を選べるシステムと小妖怪との出会いとの組み合わせは、
ゲームデザインの観点から個人的には良かったと思います。

<総合>


キャラとボリュームの多さに比して、やや展開の幅が少なかったこともあり、
名作と言うには少しパンチが欠けていたのも確かで、
そのため総合でも名作に近い良作としておきます。

もっとも、本作は個別ルートではなく通常パートこそメインであり、
その楽しみ方を理解してさえいれば良質な癒しゲーであり、
細かいこだわりに好印象を抱ける作品でした。

ランク:B-(良作)

とっぱら DVDソフトとっぱら

ダウンロード版
とっぱら ~ざしきわらしのはなし~ Win7対応版

関連するタグ WIN /ADV /ノベル系 /


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