『つくねちゃんの大冒険』

『つくねちゃんの大冒険』

『つくねちゃんの大冒険』は1991年にPC98用として、
GAMEテクノポリスから発売されました。

何か世代を感じてしまう作品でしたね。

tukune01.jpg

<概要>


主人公である「つくね」ちゃんは、魔女見習いの16歳の女の子。
魔女の試験日に魔法のパンツを忘れてしまい、
そこから数々の冒険が始まるという内容のファンタジーものになります。

ジャンルは、コマンド選択式ADVでした。

<感想>


時期的なものもあって、クリアしていないのですが、
たぶん、そういう人も多かったんじゃないかなと。
物語自体は普通に楽しめるのですが、
引っかかるとすれば80年代的な構造のシステム面なのでしょう。

どういうことかと言いますと、
大雑把に言うと80年代のPCゲーと、
90年代以降のPCゲー及びファミコンなどのコンソールのコマンド選択式とでは、
同じコマンド選択式ADVでも構造が違うのです。

90年代以降のPCゲーやコンソールのコマンド選択式の場合、
コマンド数は少なめにして、その代わりに何度も同じコマンドを繰り返させる、
即ち構造的に同じコマンドを何度も繰り返すように設計されていました。
これが、いわゆるコマンド総当たりと揶揄されやすい構造となるわけです。

他方で、80年代のPCゲーの場合、非常にコマンド数が多く、
総当たりが非常に大変なものが多かったです。
もっとも、正解のコマンドを選べば、すぐに次に進めるわけで、
何度も同じコマンドを繰り返す必要がなかったりします。
即ちコマンド総当たりが前提ではなく、
何が正解か考えながらコマンドを選んでいくことになるのです。

少し視点を変えると、後者は考えることが必須なコマンド入力式から派生したのに対し、
前者は全てを読むことを前提としたノベルゲーへつながる過渡的なものであり、
同じコマンド選択式でも楽しみ方が異なるわけですね。

ずら~っとコマンドが多数並んでいる本作は、
明らかに80年代的な見た目のコマンド選択式であり、
91年の作品としては非常に珍しいのでしょう。
私は忙しくて結局クリアしていないので、
構造面につき正確なことは言えないのですけどね。
普通に考えて、このコマンドを全部試す必要はないと思うので、
構造的にも80年代的なんじゃないかと思います。

例えば、最初のコマンドからして10個くらいあるのですが、
その中に「会話」コマンドがあります。
tukune02.jpg
「会話」を選ぶと次のコマンドが出てくるのですが、
画面では12個表示されているものの、これが6ページ目までありまして。
tukune03.jpg
この場面では会話だけで60個のコマンドが登場します。
他のコマンドを加えますと、この画面だけでコマンド数は100を超えるかも。
コンソールやPC98時代のコマンド選択式の10倍くらい数がありますからね。
コマンド選択式とは言うけれど、両者はもう別物って感じなんですよね。

因みに、本作の場合だと、
各コマンドの前にアルファベットが表示されています。
そのアルファベットをキーボードで打てば、そのコマンドが実行されるのです。
アルファベットというのは珍しいようにも思いますが、
コマンドの前にテンキー対応の数字が表示されていた作品は、
PC88時代には当たり前のように存在していました。
コンソールだと十字キーで動かした後に決定ボタンですし、
PC98時代だとマウスで移動させての左クリックになります。
でも、キーボードで直接選べた方が、ずっと楽なんですよね。
コマンド選択式って、本来はキーボードが最も適しているのですよ。
コンソールは苦肉の策で仕方ない部分もあるのだけれど、
この辺はPC98になってシステム面で退化していると思うのです。

以上の様な話が当然のこととして理解している人ならば楽しめるのでしょうが、
90年代的な思想しかないと、
つまり本作の非常に多いコマンドを全部試さねばと思うと、
間違いなく苦痛に感じるだろうし挫折してしまうのでしょう。

<総合>


アニメとかでも、古いとすぐに昭和臭とか言い出す人がいるのだけれど、
中には、それは90年代前半(平成初期)だろってのもあるわけでして。
80年代の昭和と、90年代前半の平成の始めとでは、
やっぱりいろんな点で違うんですよね。
知らないと、「昔」ってカテゴリーで全部一緒に見えてしまうかもですが。
本作はグラフィック的にも80年代っぽい雰囲気ですし、
様々な点で80年代っぽい雰囲気を有していまして。
91年の作品と言われると、凄く違和感があるのです。

あとはもう、価値観の問題でして。
発売の時点で既に前時代的な構造なわけですから、
それを古臭い評することもできるのでしょう。
しかし、90年代以降のコマンド選択式はゲーム性が低い、
考えることが必要な80年代的構造の方が良いと考える人もいるでしょう。
その構造を90年代の、その当時の最先端の技術で作ったとすれば、
それはそれで嬉しい人もいると思います。
例えば、PS3が出たことでグラフィックはPS2時代から進化しました。
PS3ではアクションRPGばかりになりましたが、
PSやPS2の時代にあったコマンドタイプのRPGが好きな人もいますよね。
じゃあコマンドタイプが好きならPS2をずっとやっていれば良いかというと、
決してそうではないわけで。
PS3の綺麗な画像でコマンドタイプのムービーゲーを楽しみたいと、
そう考える人もいるでしょう。
そんなユーザーのために『ロストオデッセイ』とかがあるわけですし。
それと同じことで、従来からの構造の作品を、
今の技術で楽しみたい人向けの作品が本作だったということなのでしょうね。

つくねちゃんの大冒険

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