『偽りの教室』

『偽りの教室』

『偽りの教室』は2005年にWIN用として、
DarkSideから発売されました。

いじめを題材にしたダーク系のシナリオ重視作品であり、
鬱ゲー好きに向いた作品ですね。

偽りの教室


<概要>


ゲームジャンルはノベル系ADVになります。
結構分岐も多いのだけれど、フローチャートで表示されますので、
その点は便利で好印象でした。

あらすじ・・・幼馴染の悠里と同じ学校に通うことになった主人公。
だが数年ぶりに会った悠里の表情には、イジメにより影が落ちていた。
イジメの主犯の女生徒を呼び出し話し合いをさせ、早期解決をと説得する。
しかし話し合いは終着がつかず、
ついには興奮した悠里が女生徒を突き飛ばしてしまう・・・。
冷たく横たわった女生徒を見下ろし、主人公は決心する。
『悠里・・・死体を埋めよう・・・』

<ストーリー>


序盤は幼馴染で従妹の悠里がイジメにあう描写から始まるのですが、
ひょんなことからイジメの首謀者を殺してしまいます。
ばれないかという焦りや、人を殺したことに対する良心の呵責、
特に悠里は重圧から少しずつおかしくなっていくわけで、
その描写は優れていましたね。

複数のルートにより他の人の視点が加わり、
少しずつ真相が明らかになっていきます。
ジャンルとしてはサスペンスと言えるのだろうけれど、
アダルトゲーム的には一昔前ならダーク系に分類されるでしょうね。
90年代のユーザーにはダーク系の一言で説明できてしまうのだけれど、
言葉自体が用いられなくなって久しいですし、
本作が出た時点でも既に使われなくなっていた言葉だと思うので、
ゼロ年代以降のユーザーには馴染みのない言葉かもしれません。
なので一応補足しておきますが、
最近はシナリオ重視と抜きの二つに強引に分類する傾向があり、
そのシナリオ重視にしても、ほとんどが恋愛系になっています。
でも、ストーリー・シナリオの優れた作品で、
非萌え・非恋愛の小説なんて幾らでもあるわけでして。
だからアダルトゲームで非萌え・非恋愛のシナリオ重視作品があっても、
全然不思議ではないわけですよね。
どうも鬼畜染みた作品があると、すぐに抜き方面でしか語られないし、
最近はストーリーの優れた非萌え作品がほとんどないのも事実なのだけれど、
非萌えでストーリーの優れた作品は昔になるほど一杯あったわけです。
厳密にはサスペンスだったり館ものだったり伝奇だったりするのですが、
年間に発売される数が少ないことから、
そういう非萌え・非恋愛のストーリー・シナリオ重視作品をダーク系として、
主に90年代後半に一つにまとめて読んでいたわけです。
だから本作も90年代後半に出ていれば間違いなくダーク系に分類されるし、
当時のダーク系が好きな人なら満足できると思うのですが、
ゼロ年代に入って非萌えのストーリー・シナリオ重視作品が減り、
ダーク系なる言葉も絶滅しかかることで、
本作の存在を知る機会が限られてしまい、
出来の良さのわりにマイナーになってしまったのでしょうね。

尚、ここまでちょっと曖昧な表現を用いていましたが、
本作はストーリー自体は決して目新しいものでもないし、
整合性にも少し難があります。
また例えばハーレム系でラッキースケベや良い方向にばかり進む場合、
ご都合主義って文句を言われますよね。
私は鬱ゲーなどで全てが悪い方向に進むのも、
それはそれで一種のご都合主義だと思うわけでして。
ゼロ年代前半の鬱ゲーで評判が良いからやってみたら、
悪い意味でのご都合主義ばかりで萎えた経験も結構ありましたが、
本作もその傾向があるんですよね。
だから厳密にはストーリーが良いとは思わないし、
ストーリー重視作品とも思いません。

しかし、最初から最後まで暗い展開が続き、
その後味の悪さや鬱な気持ちを抱かせるのは、
テキストの描写が良かったからであり、シナリオは良かったのでしょう。
だからストーリー重視の人には向かないけれど、
鬱ゲー好きでシナリオ重視な人には向いた作品だと思いますね。

<グラフィック>


物語以外の部分を見てみると、
グラフィックは決して良いとは思えなかったです。
塗りや原画が良くないのはプレイ前に分ることですが、
ここにCGが欲しいと思う部分でなかったりしますから。
殺人やイジメなど過激なシーンが結構あるだけに、
そこに該当するCGを用意するだけでも話題性は全然異なってきますからね。

<感想・総合>


結構欠点の多い作品ですので、総合では佳作ってところでしょうか。
ただ、私は個性を重視しつつも全体で判断するのでそうなりましたが、
一点でもって判断する人もいるわけですし、
そういう人には良作以上になる可能性もある作品なのでしょう。

具体的には、イジメ関連の鬱ゲーが好きな人で、
ストーリー重視ではなくシナリオ重視で判断する人ですね。
その点だけで判断するのであれば、
間違いなく良作以上に感じられるはずですから、
未プレイであるならオススメできると思います。

ランク:C-(佳作)

偽りの教室

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