パソコンゲーム80年代記とゲームジャンルの話

パソコンゲーム80年代記とゲームジャンルの話

先日、整理をしていたら幾つか懐かしい本が出てきたのだけれど、
その中に『パソコンゲーム80年代記』という、
80年代のPCゲーを振り返る書籍が含まれていた。

そこでその本について少し触れつつも、今回のメインとして、
読んでいて面白いなと思ったゲームジャンルの話についてを少々。

<パソコンゲーム80年代記>


まずは、一応この書籍の内容について。
タイトルにあるように、80年代のPCゲーを総括する本である。

「メモリアルコレクション」として89年までの作品を年別に扱ったり、
「ジャンル別ぐらふぃてぃ」として、
各ジャンル(AVG、RPGなど)別の10年の歩みを紹介しているのだが、
如何せん実質的に90ページほどしかない書籍でもある。
従って個々の内容に関しては、どうしても薄くならざるを得ない。
本書は90年の発売であり、私が購入したのは大分後のことであるが、
好きな作品に対し「あ~懐かしいな」という想いは出てきても、
新しく何かを知ったということはほとんどなかった。
購入前には自分の知らない良作があればという想いもあったのだけど、
残念ながら期待通りにはならなかったようだ。
なので当時の有名どころを知っているような人、
私程度の知識を有している人には得るものは少ないだろうけれど、
他方で80年代全体を扱ったPCゲーの本はほとんどないわけで。
そのため当時のことを全く知らない人ならば、資料として面白いかもしれない。

ただ、読んでいて興味をもった点が一点あり、
それが今回の本題であるゲームジャンルの話となる。

<ゲームジャンル>


今はネットがあるので、検索すれば情報が得られやすいのだけれど、
90年代くらいまでは自分もこれ何だろうってゲームも多く、
中古屋の店頭で悩んだことも多々あった。
店側でジャンルごとに分けていたりもするけれど、
ADVとかRPGとかSLGとかの古くからの大きな分類は存在しても、
アクションアドベンチャーとかシミュレーションRPGとか、
複合的な表現の作品用の棚を設けていないケースも多かった。
そのような場合、例えばアクションアドベンチャーは、
簡潔な表現だとA・ADVとなるわけで、ACT・Aというのは見たことがない。
そしてADVという文字があるからか、
それとも日本語の文法的な問題で前の語が後ろにかかり後ろが主と考えたのか、
とにかくA・ADVはADVの棚で売られていたりする。
ADVもACTも同等に好きな人なら問題ないのだけれど、
ACTが嫌で他ジャンルをプレイしている者にとっては、
ADVと思って購入したらアクションが主でしたなんてのは、
金の無駄でしかないわけで、非常に悔しいのである。
シミュレーションRPGにしても略せばSRPGであるからか、
RPGの棚に多く見かけたように思う。
もし自分が中古屋の店員で、かつゲームに興味がないのであれば、
A・ADVはやっぱりADVの棚に置いてしまっただろう。
この記載方法では、仕方ないことかもしれない。
つまりアクション主体のゲームをA・ADVと表現する、
根本的な部分がおかしいのであり、ずっと不満に思っていたものである。

80年代当時の私はジャンル表記に全く興味がなく、
だから個々の作品がどう表現されていたかも覚えていなかった。
だから『パソコンゲーム80年代記』を読んで初めて知ったのだけれど、
この本の中で自機がパワーアップするシューティングが、
アクションRPGとして発売されていたという記載があった。
青は藍より出でて~ではないが、
シューティングは広義にはアクションと言える。
単にシューティングゲームが非常に発展し数も増えたので、
アクションではなくシューティングという表現が早くから普及しただけで。
だからシューティングゲームをアクションと表現する点は全く問題ない。
アクション(シューティング)で、自機の成長要素があるから、
後ろにオマケでRPGという文字を付けたと。
従ってアクション(シューティング)RPGの場合、
当時の感覚では前のアクション(シューティング)こそがメインなのであり、
大雑把な分類ではRPGではなくACTに属するのである。
ジャンル名が二つ並んだ場合にどちらが主であるのかの意識が、
ジャンル名の誕生した80年代と、それ以後とでは異なるということなのだろう。

因みに、RPGとは何ぞやという問題に対し、
「PPGとは役割を演ずるゲームの略であり、役割を演じるとは~」などと、
禅問答のような意味不明な解釈論をする人が増えていくのは90年代以降である。
TRPGの戦闘・育成部分に焦点をあてコンピューターゲーム化したのがCRPG、
更に略してRPGと知っている80年代からの人の場合、
役割を演じて~などと言い出す人はほとんどいないと思う。
ただ私は戦闘と育成がセットで主要素になっていることでRPGと考えていたので、
もっと大胆に成長要素があればRPGと付けちゃうことがありえたというのは、
少し驚いたのだけれど。
まぁ小説でも、ミステリーブーム時には何でもミステリーとして売っていたので、
RPGがブームになることで、
ちょっとでもそれっぽい要素があればRPGと付けたいというのは、
結構大きかっただろうけどね。

SRPGにしても、ユニットが成長せず現有戦力をやりくりするのがSLGで、
そこに成長要素も伴ったSRPGが出てきたわけで。
SRPGの元祖については、ファイアーエムブレムというと、
古参のPCゲーマーは異論があると思うのだけれど、
あえて分かりやすい例としてFEを例に出すと、
初代FEってかなりSLG色の強い作品だったわけで、
成長要素は数値上は微々たるものだった。
少なくともレベル上げを楽しむゲームではなかった。
基本がSLGで、そこに成長要素(RPG)が加わるからSRPGと言えたのだろう。
もし80年代的感覚で、成長要素がFEの主に据えられていたならば、
RPG・SLGとなっていたんじゃないかな。
そういやタイトル名は忘れたけれど、
実際にRPG・SLGとして発売した作品もあったように思うし。

しかし語源などを知らない若いゲーマーだと、
SRPGの文字からRPGが主であると考える人がいても不思議ではない。
SRPGで、存分に育てることができないのが不満と言われた作品を、
これまでに何度も見てきた。
たぶんそのユーザーは、RPG的な要素を強く求めていたのだろう。
実際、SRPGの表現に即したように、今では成長要素が主のSRPGも増えているし、
そういう作品を望んでいたんだろうと思う。
もっともSLGが主であり、成長要素は従的なものという構造からするならば、
成長要素が乏しいことに不満を言うことは、根本的に筋違いなのだろう。

とりあえず古い書籍を読んでいて思ったのは、
ジャンルに関する表記はパッと見だと「サブ+メイン」という印象を抱きがちだし、
現に今はそう解釈する人も多いのだけれど、
ジャンル名が生まれた当初は逆に、
「メイン+サブ」のイメージだったということである。

関連するタグ 


月影のシミュラクル   緋のない所に烟は立たない  いつまでも僕だけのママのままでいて
カテゴリ「漫画・小説・ラノベ」内の前後の記事





管理者にだけ表示を許可する

このコメントは管理人のみ閲覧できます

fc2側の「おまかせ禁止ワードフィルタ」を利用する状態になっていまして、何かしらの単語がひっかかったようです。
利用しないに変更したので、今はたぶん大丈夫かと思います。

トラックバック http://advgamer.blog.fc2.com/tb.php/2390-abfddeb9
| ホームへ戻る |