『Rendezvous ~ランデブー~』
『Rendezvous ~ランデブー~』は2000年にWIN用として、
Melodyから発売されました。
今宵、貴方とロマンスを・・・
こういう大人向けの雰囲気の作品は減ってしまいましたよね。

都会の片隅で静かに訪問者を待つBAR 『Rendezvous』。
そこへ登場する、様々な役柄の人物達・・・。
今宵、貴方とロマンスを。
BAR 『Rendezvous』を舞台に、複数の登場キャラクター達が複数の役割を演じ、
そしてそれらによって紡がれる複数の物語。
ゲームを幾度か進める事によって、新たな選択肢・シナリオが出現し、
そのシナリオによって、キャラクターは全く違う設定となり、
異なるシチュエーションを楽しむ事ができます。
一日の終わり、それこそ傍らに一杯のお酒でも控えさせながら、
雰囲気を楽しみつつ、ゆったりと遊んでください・・・。

BAR 『Rendezvous』から始まる物語ということで、登場キャラは皆大人です。
アダルトゲームと言いながらも、WINDOWSの時代に入ってからは、
萌えという名の下にキャラの低年齢化ばかり進行しまして。
大概のヒロインは高校生になってしまいましたし、
それどころか高校生の設定であるにもかかわらず、
外見上は高校生にも満たないような、萌え絵が氾濫するようになりました。
その萌え絵の時代は今も続きますし、
他方で低価格商品を中心に熟女ものもあるのですが、
すっかり熟れきったオバチャンなわけですよね。
まぁ、私はロリも熟女も大好きなので、だから今でもプレイしているわけですし、
好きなものが残っているから構わないと言えば構わないのですけどね。
でもさ、エロゲってロリと熟女しかいないのかよ、
一番ユーザーの年齢層に近いはずの中間層が、
もっといるだろうにと思うわけでして。
ロリでも熟女でもない、妙齢の大人の女性が、
今のアダルトゲームには徹底して欠けているのですよ。
仮に設定上は20代の女性であっても、見た目が幼かったら意味がありません。
本作で、まず最初に目に入ってくるのがグラフィックであり、
大人の女性の魅力、アダルトな雰囲気がしっかり伝わってきます。
こういう絵柄の作品は、個人的には大好きだし、
もっと増えても良いはずなんですけどね。
今のエロゲは細分化されて~なんて言う人もいるけれど、
それってシチュだけだよね。
ゲームジャンルとか物語の種類とか、
シチュ以外に関しては全然細分化されてないじゃん、
むしろ細かい女性の区分なんて減ってんじゃんって、
個人的には激しく異論を唱えたくなりますね。
本作は2000年の発売なのだけれど、
20世紀最後の年だけあって、主流は萌え系になりつつも、
探せばまだこういう作品も残っていたという時代でもあり、
アダルトなお姉さまとWINDOWS以降の綺麗な塗りが組み合わさった、
貴重な例とも言えるのでしょう。
塗りということで補足すると、これはサンプルCGを見た方が早いですが、
光線というかライティングが独特で、
それが他所の作品との違いを生み出すと共に、
よりアダルトなムードを演出していた感じですね。
かように各イベントCGも高品質でしたが、枚数も差分抜きで112枚ありましたし、
量の面でも満足でしたね。
ジャンルはノベル系ADVになります。
今のノベルゲーは、共通ルートがあって、
そこから誰かの個別ルートに入っていくパターンばかりです。
しかし本作は、選択肢により次々にストーリーが分岐していくタイプであり、
個別のヒロインにシナリオが従属するタイプではありません。
PC98時代には多く見られたものの、その後減っていったタイプになります。
もう少し厳密に見ていきますと、登場キャラは同じであるものの、
ストーリーによってキャラの役割がガラっと変わるタイプになります。
例えば『かまいたちの夜』のオマケシナリオなんかでも、
ストーリーの方向性やキャラの役割が本編からガラっと変わりますよね。
そういう路線をイメージしてもらえば、分かりやすいのかなと。
つまりノベルゲーって言っても、構造的にいろいろあると思うのですが、
今のアダルトゲームの大半はヒロインごとにシナリオがある、
つまりヒロインにシナリオが従属する構造なわけです。
ヒロイン主導ってことで、ぶっちゃけどれも「キャラゲー」なんですよね。
サウンドノベルや本作なんかは、シナリオがヒロインに従属することはなく、
主人公の行動によってストーリーが変化する、主人公主導な作品なわけです。
この類の作品は、最近は本当に少なくなってしまいましたが、
PC98時代は主流だったんですよね。
本作を製作したMelody自身も、96年にPC98用の『暗闇』を発売しています。
『暗闇』は、あるクリスマスの夜、
突然動かなくなったエレベーターに閉じ込められたことから始まるという、
限定された空間から始まるシチュエーション・マルチストーリー・ADVでした。
本作はエレベーターの中からバーへと範囲が少し広くなり、
キャラや雰囲気が大人向けに変更されたものの、
特定の場所から物語が始まるという基本的な方向性は同じであり、
『暗闇』の流れを汲む後継的な作品とも言えるのでしょう。
この手のシチュエーションマルチストーリーADVは小粒なものになりがちなので、
名作だと語り継がれることも少ないし、
私自身も名作として紹介することは、まずないと思います。
でも、この類の作品も主観的には好きですし、
もっと増えても良いと思うのですけどね。
先程の、今のエロゲは細分化して~って話のぶり返しになるけれど、
初代かまいたちやPC98時代のノベルゲーのように、
次々分岐して枝分かれするツリータイプのノベルゲーも減ってしまったし、
更に本作のように役割を代えて様々なシナリオを楽しむタイプも、
今では絶滅に近いじゃんって思うわけでして。
ノベルゲーという枠組みの中でも、細分化どころか、
特定の路線に偏っていってるだけだよねって思ってしまうのです。
さて、上記の様に本作はBAR 『Rendezvous』での出会いから始まる物語であり、
シナリオの数は全部で19本あります。
恋愛であったり、サスペンスであったり、ハッキングだったり、
コメディだったりと、いろいろですね。
一つ一つのシナリオは短いので、掘り下げという面では少し弱いのでしょう。
一本のシナリオを深く掘り下げて楽しむのではなく、
様々な方向性の物語を味わうのが本作の楽しみ方ということですね。
まぁ、そういう作品ですので、典型的な恋愛ノベルゲーが好きな人とは、
本作は相性が悪いのでしょう。
ただ、決して一つ一つのシナリオは長くはないけれど、
今みたいに無駄な部分もないですし、テンポよく楽しめますので、
個人的にはこういう路線もありだと思います。
本作に音声はありません。
本作は2000年の作品ですからね、
当時は抜きゲーには音声が付いていることも多かったですが、
シナリオゲーの多くには音声が付いていない時代でもありました。
だから音声のないことは、まだ特に不満にもならなかった時代ですし、
本作のサウンドは高品質で雰囲気が良かったので、
全体では満足できた感じですね。
尚、2007年に発売されたダウンロード版では音声が付いています。
私は未プレイですし、音声が付いたことで、
オリジナルの持つ雰囲気の良さを消してしまう可能性はあります。
だから一概に決めつけることはできないのですが、
音声が欲しいならダウンロード版を検討した方が良いのでしょう。
一応下のリンク先はDL版なので、音声付きです。
名作というのは、そんなに一杯出てくるわけもないですから、
過去の名作の影を追いかけることは、ある意味不毛なことかもしれません。
だから求めているのは、必ずしも名作レベルの作品ではないのです。
良作・佳作レベルで構わないから、もっと一杯こういう作品をプレイしたいなと。
繰り返しになりますが、細分化とか言っても、
結局萌えだのNTRだの特定人気ジャンルの中での細かいシチュが増えただけで、
もっと広い枠組みでは細分化どころか統一化しているだけなんですよね。
だから多様性が失われたという内容の記事を以前にも書いたわけですけれど。
本作は内容的にも映像的にも失われし路線の作品であり、
当時面白かったというよりも、今になってありがたみを感じるような、
何だか無性に懐かしくなってくる作品なのです。
ランク:B(良作)

関連するタグ WIN /ADV /ノベル系 /
缶詰少女ノ終末世界 母爛漫 クダンノフォークロア
Melodyから発売されました。
今宵、貴方とロマンスを・・・
こういう大人向けの雰囲気の作品は減ってしまいましたよね。

<概要>
都会の片隅で静かに訪問者を待つBAR 『Rendezvous』。
そこへ登場する、様々な役柄の人物達・・・。
今宵、貴方とロマンスを。
BAR 『Rendezvous』を舞台に、複数の登場キャラクター達が複数の役割を演じ、
そしてそれらによって紡がれる複数の物語。
ゲームを幾度か進める事によって、新たな選択肢・シナリオが出現し、
そのシナリオによって、キャラクターは全く違う設定となり、
異なるシチュエーションを楽しむ事ができます。
一日の終わり、それこそ傍らに一杯のお酒でも控えさせながら、
雰囲気を楽しみつつ、ゆったりと遊んでください・・・。
<グラフィック>

BAR 『Rendezvous』から始まる物語ということで、登場キャラは皆大人です。
アダルトゲームと言いながらも、WINDOWSの時代に入ってからは、
萌えという名の下にキャラの低年齢化ばかり進行しまして。
大概のヒロインは高校生になってしまいましたし、
それどころか高校生の設定であるにもかかわらず、
外見上は高校生にも満たないような、萌え絵が氾濫するようになりました。
その萌え絵の時代は今も続きますし、
他方で低価格商品を中心に熟女ものもあるのですが、
すっかり熟れきったオバチャンなわけですよね。
まぁ、私はロリも熟女も大好きなので、だから今でもプレイしているわけですし、
好きなものが残っているから構わないと言えば構わないのですけどね。
でもさ、エロゲってロリと熟女しかいないのかよ、
一番ユーザーの年齢層に近いはずの中間層が、
もっといるだろうにと思うわけでして。
ロリでも熟女でもない、妙齢の大人の女性が、
今のアダルトゲームには徹底して欠けているのですよ。
仮に設定上は20代の女性であっても、見た目が幼かったら意味がありません。
本作で、まず最初に目に入ってくるのがグラフィックであり、
大人の女性の魅力、アダルトな雰囲気がしっかり伝わってきます。
こういう絵柄の作品は、個人的には大好きだし、
もっと増えても良いはずなんですけどね。
今のエロゲは細分化されて~なんて言う人もいるけれど、
それってシチュだけだよね。
ゲームジャンルとか物語の種類とか、
シチュ以外に関しては全然細分化されてないじゃん、
むしろ細かい女性の区分なんて減ってんじゃんって、
個人的には激しく異論を唱えたくなりますね。
本作は2000年の発売なのだけれど、
20世紀最後の年だけあって、主流は萌え系になりつつも、
探せばまだこういう作品も残っていたという時代でもあり、
アダルトなお姉さまとWINDOWS以降の綺麗な塗りが組み合わさった、
貴重な例とも言えるのでしょう。
塗りということで補足すると、これはサンプルCGを見た方が早いですが、
光線というかライティングが独特で、
それが他所の作品との違いを生み出すと共に、
よりアダルトなムードを演出していた感じですね。
かように各イベントCGも高品質でしたが、枚数も差分抜きで112枚ありましたし、
量の面でも満足でしたね。
<ゲームデザイン・ストーリー>
ジャンルはノベル系ADVになります。
今のノベルゲーは、共通ルートがあって、
そこから誰かの個別ルートに入っていくパターンばかりです。
しかし本作は、選択肢により次々にストーリーが分岐していくタイプであり、
個別のヒロインにシナリオが従属するタイプではありません。
PC98時代には多く見られたものの、その後減っていったタイプになります。
もう少し厳密に見ていきますと、登場キャラは同じであるものの、
ストーリーによってキャラの役割がガラっと変わるタイプになります。
例えば『かまいたちの夜』のオマケシナリオなんかでも、
ストーリーの方向性やキャラの役割が本編からガラっと変わりますよね。
そういう路線をイメージしてもらえば、分かりやすいのかなと。
つまりノベルゲーって言っても、構造的にいろいろあると思うのですが、
今のアダルトゲームの大半はヒロインごとにシナリオがある、
つまりヒロインにシナリオが従属する構造なわけです。
ヒロイン主導ってことで、ぶっちゃけどれも「キャラゲー」なんですよね。
サウンドノベルや本作なんかは、シナリオがヒロインに従属することはなく、
主人公の行動によってストーリーが変化する、主人公主導な作品なわけです。
この類の作品は、最近は本当に少なくなってしまいましたが、
PC98時代は主流だったんですよね。
本作を製作したMelody自身も、96年にPC98用の『暗闇』を発売しています。
『暗闇』は、あるクリスマスの夜、
突然動かなくなったエレベーターに閉じ込められたことから始まるという、
限定された空間から始まるシチュエーション・マルチストーリー・ADVでした。
本作はエレベーターの中からバーへと範囲が少し広くなり、
キャラや雰囲気が大人向けに変更されたものの、
特定の場所から物語が始まるという基本的な方向性は同じであり、
『暗闇』の流れを汲む後継的な作品とも言えるのでしょう。
この手のシチュエーションマルチストーリーADVは小粒なものになりがちなので、
名作だと語り継がれることも少ないし、
私自身も名作として紹介することは、まずないと思います。
でも、この類の作品も主観的には好きですし、
もっと増えても良いと思うのですけどね。
先程の、今のエロゲは細分化して~って話のぶり返しになるけれど、
初代かまいたちやPC98時代のノベルゲーのように、
次々分岐して枝分かれするツリータイプのノベルゲーも減ってしまったし、
更に本作のように役割を代えて様々なシナリオを楽しむタイプも、
今では絶滅に近いじゃんって思うわけでして。
ノベルゲーという枠組みの中でも、細分化どころか、
特定の路線に偏っていってるだけだよねって思ってしまうのです。
さて、上記の様に本作はBAR 『Rendezvous』での出会いから始まる物語であり、
シナリオの数は全部で19本あります。
恋愛であったり、サスペンスであったり、ハッキングだったり、
コメディだったりと、いろいろですね。
一つ一つのシナリオは短いので、掘り下げという面では少し弱いのでしょう。
一本のシナリオを深く掘り下げて楽しむのではなく、
様々な方向性の物語を味わうのが本作の楽しみ方ということですね。
まぁ、そういう作品ですので、典型的な恋愛ノベルゲーが好きな人とは、
本作は相性が悪いのでしょう。
ただ、決して一つ一つのシナリオは長くはないけれど、
今みたいに無駄な部分もないですし、テンポよく楽しめますので、
個人的にはこういう路線もありだと思います。
<サウンド>
本作に音声はありません。
本作は2000年の作品ですからね、
当時は抜きゲーには音声が付いていることも多かったですが、
シナリオゲーの多くには音声が付いていない時代でもありました。
だから音声のないことは、まだ特に不満にもならなかった時代ですし、
本作のサウンドは高品質で雰囲気が良かったので、
全体では満足できた感じですね。
尚、2007年に発売されたダウンロード版では音声が付いています。
私は未プレイですし、音声が付いたことで、
オリジナルの持つ雰囲気の良さを消してしまう可能性はあります。
だから一概に決めつけることはできないのですが、
音声が欲しいならダウンロード版を検討した方が良いのでしょう。
一応下のリンク先はDL版なので、音声付きです。
<感想・総合>
名作というのは、そんなに一杯出てくるわけもないですから、
過去の名作の影を追いかけることは、ある意味不毛なことかもしれません。
だから求めているのは、必ずしも名作レベルの作品ではないのです。
良作・佳作レベルで構わないから、もっと一杯こういう作品をプレイしたいなと。
繰り返しになりますが、細分化とか言っても、
結局萌えだのNTRだの特定人気ジャンルの中での細かいシチュが増えただけで、
もっと広い枠組みでは細分化どころか統一化しているだけなんですよね。
だから多様性が失われたという内容の記事を以前にも書いたわけですけれど。
本作は内容的にも映像的にも失われし路線の作品であり、
当時面白かったというよりも、今になってありがたみを感じるような、
何だか無性に懐かしくなってくる作品なのです。
ランク:B(良作)

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2014-09-14