『想瞬譜 ~そうしゅんふ~』

『想瞬譜 ~そうしゅんふ~』

『想瞬譜 ~そうしゅんふ~』は2004年にWIN用として、
BLACK BOXから発売されました。

ちょっと毛色の異なる雰囲気が、逆に新鮮でした。

想瞬譜

<概要>


ジャンルはノベル系のADVになります。

心に秘めた恋。
気付かなかった恋。
そして、遠き日の想い出の恋。
三者三様の恋模様。ふと気付くと転がっている、
日常のどこかにある学生生活の淡い恋物語を綴った
3つのショートストーリー。

<感想>


同人作品であり元々のボリュームが多いわけでもない上に、
そこに3本の恋愛物語が収録されています。
そのため一つ一つは小粒な作品ですし、
特別なこともない普通の恋愛物語でもあるのかもしれません。

しかし本作は、全てが少女視点で語られた恋愛物語なんですね。
少女漫画風と言えば良いのでしょうか、
それともコバルト文庫風と言えば良いのでしょうか。
何れにしろ、その甘酸っぱい青春物語は、
他のアダルトゲームとは異なる雰囲気の作品だったわけでして。
典型的なアダルトゲームを一杯やっているような人ほど、
その合間にやると良い気分転換にもなれたのではないでしょうか。

ストーリーそのものが格別に優れているというよりも、
雰囲気であるとか全体の調和がとれていると感じさせる本作。

テキストは、丸文字のようなフォントを使用しており、
単純な読みやすさという意味では優れたフォントではないものの、
この少女視点の物語には合っていたと言えるでしょう。

グラフィックはセピア調になっていて、
線画でのアニメーションというのか、ちょっとした動画になっています。
これも他のアダルトゲームとは異なる雰囲気作りに貢献していますし、
本作の雰囲気の良さにつながっていたと思います。

<総合>


上でボリュームが少ないと書きましたが、
それはフルプライスの作品と比べたらの話です。
価格からすれば相応な量と言えるでしょう。

例えば単純なボリュームだけなら少ないであるとか、
セピア調はフルカラーより劣るであるとか、
丸文字はMSゴシックより読みにくいであるとか、
個々の要素を形式的に切り取って判断するのであれば、
本作への評価は辛いものとなってしまうのでしょう。

しかし、同人の低価格でボイス付きであることや、
物語の内容とフォントやグラフィックの調和など、
全体を捉えて考えるのであれば、
非常に纏まった作品なのだと思います。
それが言い換えれば、雰囲気の良い作品であるとか、
完成度の高い作品という言葉にもなるのでしょうけれど。

本作は典型的なアダルトゲームとは全然違うだけに、
典型的なアダルトゲームをストレートとするならば、
本作はスローカーブのようなものかもしれません。
その効果はストレートに慣れきった人、
つまり典型的なアダルトゲームに染まった人ほど大きくなると思います。
コバルト文庫や少女漫画好きにオススメするのはもちろんのこと、
個人的にはエロゲとは~って固定観念を持っているような人にこそ、
本作をすすめてみたくなりますね。

ランク:B-(良作)

想瞬譜

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