『WONPARAウォーズ』

『WONPARAウォーズ』

『WONPARAウォーズ』は1993年にPC98用として、
ミンクから発売されました。

エルフから独立したミンクのデビュー作品になります。

wanpara01.jpg

<前置き>


Minkも20周年を迎えるようで、今ではすっかり老舗ブランドって感じですね。
元々ミンクは原画家の阿比留壽浩さんが作ったブランドです。
古くは『リップスティックアドベンチャー』(1988、フェアリーテール)や、
『DE・JA』シリーズ(1990、1992、エルフ)の原画をしていたので、
業界の中でもかなり古いですね。
元々キララ(後のアイデス、その後にF&Cへ。
カクテルソフトやフェアリーテールなどを擁する会社)にいて、
蛭田さんが独立して作ったエルフに移籍して、
今度は自らが独立してミンクを設立したと。
確か、そんな感じだったと思います。

本作は阿比留さんが原画を担当したわけではないのですが、
原画家が作るブランドだけにグラフィックには自信を持っていたようでして。
とは言うものの、グラフィックだけではゲームは成立しません。
そこでどんなゲームを作るかとなるのですが、
ストーリーでは既に有名なエルフやアリスには敵わないから除外。
製作陣の中にSLGに詳しい人がいるということで、
SLGとして製作、発売となったそうです。

アダルトゲームを手掛けたメーカー・ブランドは無数にありますが、
今でも、その大半がADVでのデビューになると思います。
RPGは90年代までは絶対的な人気を有したジャンルですし、
今でも当たれば大ヒットにつながります。
だからRPGでデビューというのは分かりますし、
実際にそういうブランドもありますが、
SLGでデビューというのは本当に珍しいと言えるでしょう。

またアダルトゲームの変遷を辿った場合にも、
ADVやRPGと比べてまともなSLGが出てくるのは遅いです。
以前書いた記事の統計を見れば正確な数が出てくるのでしょうが、
とりあえず覚えている範囲では、80年代はADVが中心であり、
90・91年頃にRPGが増え、SLGが増えるのはその後ですからね。
業界的にようやくSLGが作れるようになってきたところに、
SLGでデビューするブランドが出てきたということで、
93年に『WONPARAウォーズ』でミンクがデビューしたというのは、
業界的には結構意味があったということなのでしょう。
まぁ、ノベルしか興味のない今の人には興味のない話かもしれませんが。

<感想>


設定としては、男と女が分かれて争っている世界があり、
そこに主人公が訪れます。
主人公は劣勢の男軍を率いて、女軍と戦うことになります。

ゲームジャンルとしてはSLGとして紹介されることが大半なのですが、
実は変則的です。
画像を見てもらえばわかるのですが、戦術SLGとチェスの融合なのです。
なので、SLG+TBLと表現しても構わないのでしょう。
慣例に従いSLGとしておきますが、端的にTBL扱いでもありかもしれません。
wanpara02.jpg
敵のクイーンを取ればクイーンは脱いでくれますし、
次の面に進むことになります。
ルールとしてはクイーンを狙った方が早いのだけれど、
歩兵以外のファイターやビショップといったユニットに関しては、
取ると女の子が脱いでくれます。
グラフィックの質と量(確か130枚以上とか)が目玉でもあるだけに、
ターンの許す限りで回収しながら進めるのがミソなのでしょう。
wanpara03.jpg

因みに、一部のCGはスクロールします。
スクロールする大画面のCGが用いられるのも、
この頃のちょっとした流行りのようなものでした。
他所の記事でも書いたのですが、私はスクロール数の多い作品は苦手でしたが、
本作のような2画面程度のスクロールなら迫力を感じられ、素直に楽しめましたね。

<総合>


SLGでデビューとは言っても、その実態はSLGもどきっぽい物でもありますし、
2作目からはADVになってしまうので、SLG専門ブランドというわけでもありません。
そのために位置付けが難しいところがあるのも確かなのですが、
意外とSLGもどきの作風と美麗なCGというのが、
その後に続くミンクの作風として当てはまるのかもしれませんね。

話題作となった『ぺろぺろCandy ~陽の章~』に、
表裏の関係である『しゃぶり姫 ~陰の章~』。
セールス的にも大ヒットになった『夜勤病棟』など、
一時期は非常に伸びて勢いのあった時期もありましたが、
これらは美麗なCGとSLGもどきっぽいゲーム性を有していましたから。
多くが上手く機能していなかったのも確かなものの、
何か一工夫しようとする姿勢は好きだったので、
何だかんだで買い続けてきたブランドでもあったんですよね。

本作に関してはゲーム部分だけを見れば佳作程度なのですが、
発売に至る意義やグラフィックなどの他の長所も加味しまして、
総合では良作としておきます。

ランク:B(良作)

ワンパラウォーズ

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