『ラブラブル ~lover able~』

『ラブラブル ~lover able~』

『ラブラブル ~lover able~』は2011年にWIN用として、
SMEEから発売されました。

イチャラブに重点を置いた恋愛ゲーになります。

ラブラブル

<概要>


ジャンルはノベル系のADVになります。

季節は夏。主人公・愛沢晴樹と、その妹・花穂は、
両親の仕事の都合により引っ越しを余儀なくされた。
様々な事情により叔父の元へ預けられることになったふたり。
両親と叔父の交わした約束により、ふたりは新しい町で叔父の経営する
カフェレストランで、バイトをしなくてはならなくなる。
これから向かう店がどんなカフェか想像を膨らませる妹に、
世話になる叔父に失礼の無いよう気を引き締める兄の晴樹。
そんなふたりの期待を裏切るように、
今日もビーチサイドカフェ・フルーティアからは、
叔父でもある店長の悲痛な叫びが木霊する。
「嫌だぁぁぁ!!絶対仕事なんてしたくない!! 
今日は一日何があっても休むって言ったでしょォォォォ!!」
「いい加減にしてください!! みんな必死に働いてるんだから
店長も頑張るのが当然じゃないですか!!」
「俺が時給払ってるんだから当然じゃん!! 
俺、自分で働きたくないから人雇ってんだよ!? わかる!? ネェ!!」
白い砂浜と店長の悲鳴が絶えない、
都心から電車で気軽に足を運べる活気に満ちたリゾートシティ。
引っ越してすぐに出会う自分と同じタイミングで編入してきた笑顔の可愛い転校生。
口数は少ないが、いつもどこか楽しげに夏の空を見上げる
ちょっと不思議な隣の席の女の子。
部活に、バイトに、恋愛に、この夏一生懸命背伸びをする健気な後輩。
いつも隣で自分の腕をぐいぐい引っ張っていく。
そんな妹の見慣れた元気な後ろ姿。 夏の予定は白でいい。
一から始まる出会いと絆。ちょっとだけ口に出すのが恥ずかしい、
ハッピーエンドな恋、今始まる。

<感想>


ストーリーらしきストーリーはなく、
共通パートはギャグ中心に楽しくもヒロインらと仲良くなる様子が描かれ、
個別ルートでは選んだヒロインとのイチャラブばかりになります。

会話も楽しいですし、イチャラブに焦点を当て余計なものは削っているので、
イチャラブだけを求めていくのなら、まず楽しめるのではないでしょうか。

ブランドとしては『らぶでれーしょん!』からの流れを踏襲し強化となるでしょうが、
ここまで潔い構造を見ていて、ふと思ったのですよ。
私は恋愛ゲーも以前は大好きで、それなりにプレイしてきたと思います。
ただ、一杯やればやるほどに、作品間の違いを感じられなくなっていきます。
こちらが飽きるのと、供給側のネタが尽きるのとどっちが先なのか。
恋愛ゲーが急激に増え始めたのは95年からであり、
当時は恋愛ゲー元年と評した人もいました。
数が増えたことで、96年末の段階では雑誌などでも、
恋愛ゲーのシチュはもう出尽くした、
これからは変化が必要だとかって書かれていたんですよね。
シナリオ上のシチュは出尽くしたとしても、
ゲームとしての恋愛ものにはまだ可能性はあるのではと、
私なんかは期待もまだ持っていましたが。
その96年に好きだった作品に『Cherry Jam』があります。
これは1部では結ばれるまでを扱い、2部では結ばれた後のラブラブを描きます。
当時はイチャラブという言葉はなかったですが、
今風にいうならイチャラブゲーになるのかな。
とりあえず、大雑把な作品のコンセプトは本作と同じだと思います。
『Cherry Jam』は他にヒロイン視点でのヒントモードもあり、
ゲームとしての恋愛ものの在り方が考えられていて、
随所に工夫がなされた作品でした。
そういう作品があるから、恋愛ゲーはもっと発展しうると考えたのです。

しかし、その後の発展は多くの人が知るように、
泣きゲーだの鬱ゲーだのストーリーを強化する方向に進みまして。
まぁストーリー重視と言いながら、保険のように恋愛を前提に置きつつ、
その上でのストーリーですからね。
結局はヒロインとの恋愛や個別ルートから離れられないわけで、
個人的には、そんな制約や呪縛の中でのストーリー重視なんてのは、
まやかしでしかないと思ってしまうのですけどね。
シナリオ重視なんて表現されるのは、もっと性質が悪いわけでして。
ストーリーや設定もパクリやオマージュで独創性がないから、
違いは個々のテキストでしかない、だからシナリオ重視という表現になると。

仮に良いストーリーないしシナリオがあったとしても、
それは恋愛の描写・掘り下げとは関係ないものが大半であって、
これだけ恋愛ゲーがあるにもかかわらず、実は「恋愛もの」という部分に関しては、
その表現の工夫については長く停滞しているように思ってしまいます。
まぁコンシューマーの方は時々工夫した物が出てくるのですが、
コンシューマーのギャルゲーに見られるような努力が、
アダルトゲームではずっとなされず軽視されていたように感じます。

本作はストーリー性は希薄であり、その点を求める人にはもの足りないでしょう。
しかし「なんちゃってシナリオゲー」にありがちな、
変化の乏しいヒロインというのではなく、
時間の経過や関係性の変化によりヒロインの外見や内面も変化するわけでして。
まだまだ発展の余地や課題は残るものの、それでも周りにある他の恋愛ゲーよりも、
真摯に「恋愛もの」としての在り方に取り組んでいるように感じられました。

他方でヒロインの変化だけなら、
それこそ15年前から変わらないとの指摘もありえるでしょう。
15年前になくて今普通にあるもの、その一つが携帯であり、
本作では携帯メールでの甘いやり取りもあります。
時代に即したガジェットの利用は、
それだけで過去の作品とは違うのだという存在感を示し、
時代に即しているからこそ今プレイする価値・必要性があるのだと感じさせます。

そういった様々な工夫の積み重ねにより、
現代の恋愛ゲーとしての在り方を示しているようにも見えたわけで、
好印象を抱いたものでした。

<総合>


上記のように基本はイチャラブゲーなので、
イチャラブ好きな人のためのゲームと言えるでしょう。
私はヒロインとのイチャラブだけを描いていたら酷評していたかもですが、
イチャラブを盛り上げるための工夫が感じられることから楽しめましたし、
その点を評価して良作と考えます。
もっとも名作と言うには、もう少しインパクトのある工夫が欲しいので、
その辺は今後の課題となるのでしょうね。

ランク:B-(良作)

ラブラブル

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