『巨乳ファンタジー外伝2』

『巨乳ファンタジー外伝2』

『巨乳ファンタジー外伝2』は2013年にWIN用として、
WAFFLEから発売されました。

リュートの物語完結編。
初代巨乳ファンタジーの主人公の物語としては、これが最後になります。

巨乳ファンタジー外伝2

<概要>


ジャンルはノベル系のADV。
選択肢は数個しかないので、クリアは非常に容易です。
ヒロインの個別ルートはなく、ルートは2つだけ。
純粋に「リュートの物語」を読み進めるという構造になっています。

舞台は『巨乳ファンタジー外伝』から5年後になっており、
直接の続き物であるだけに前作からのプレイを推奨します。
一応本作から始めてもプレイ中に意味が通じないということはないのですが、
前作から多数のキャラが登場し、知っているか否かで思い入れも異なりますので、
余程のことがない限り順番にプレイすべきなのでしょう。
順番としては『巨乳ファンタジー』『巨乳ファンタジー外伝』、そして本作となります。
『巨乳ファンタジー2』は異なる主人公で時代も初代より遡りますので、
基本的にはプレイしなくても大丈夫です。
ただ、本作で名前の出てくる一部のキャラが2で活躍していますので、
2をプレイしていると更に思い入れが増します。
従って、理想を言えば2もプレイした方が良いのでしょうね。

<感想>


物語は仮面を付けた記憶喪失で全裸の男が、港に現れるところから始まります。
これが主人公のリュートです。
既に王になっているリュートですが、今作では記憶喪失で囚人として始まるために、
また一番下の立場から逆転で成り上がっていくことになります。
そのため大雑把な流れとしては、初代巨乳ファンタジーのような感じになります。

一見すると幸運の連続にも見える展開は、ご都合主義とも言えるのでしょう。
また初代と似たような流れは、マンネリとも捉えられかねないでしょう。
そのような批判が生じる危険性が常にあるにもかかわらず、
プレイしていて素直に楽しいと思わされてしまう。
シナリオが上手いとか私に合っていると言えばそれまでなのでしょうが、
分ってはいてもやっぱり面白い物は面白いですね。
統治者として上の立場からの手綱裁きよりも、
下の立場からのし上がっていく行く立志伝を描く方が、
ライターの良さがいかんなく発揮されるように思います。
初代に似た序盤の展開はライターの一番強いと思える分野だけに、
マンネリと分かっていても多くの人が面白いと感じるのでしょう。
シリーズの良さがきちんと受け継がれている作品ですので、
これまでの作品を楽しめた人ならば間違いなく楽しめると思います。

さて、一言で表現すると「いつも通りの面白さでした」となるのですが、
それだけでは味気ないですからね。
もう少し細かく見ていきたいと思います。
シリーズ合計だとA4で1000枚を超える大作の完結編ですし、
ずっと楽しめた者としては完結編には普段以上の評価をしたくもなるのですが、
いろいろ勿体ない作品でもありました。

まず、初代の時点で本作が予定され、様々な謎が本作で解決とかって流れならば、
完結編を高く評価することもできるのでしょう。
しかし上述のように、キャラの思い入れの違い程度であり、
本作だけでも話は通じます。
これは新規も入ってきやすいという良い面もあるものの、
分断されているだけに完結編だからと高く評価する理由にはなりません。
タイトルの付け方からするに、人気だから続きを書いたということなのでしょうし、
仕方ないのかもしれませんけどね。
何れにしろ、そういう作品なので、
完結編だからと言って特別扱いする理由はないのでしょう。

次に、主人公のハーレムを形成する王妃たちは、数が増える一方です。
そして多少の個人差はあるものの、
どのヒロインにも数パターンのHシーンがあります。
過去のヒロインを大事にしようとする姿勢も分かりますし、
特定のキャラのファンなら嬉しいのでしょうが、
限られたCGの多くを前作ヒロインに割いたために、
本作の新ヒロイン自体は数が3人と少ないですし、シーン数も決して多くはありません。
従って新作としての新鮮味は、どうしても弱くなってしまいます。
ここは難しいところでもありますけどね。
あちら立てれば、こちら立たずで。
個人的にはファンディスクなら前作ヒロインを大事にすべきと思うものの、
外伝と言いつつ実質的には続編であるだけに、
新規のキャラを重視した作りの方が良かったと思います。

そのCGの使い方で、もう一点。
この作品は読んでいて、とにかくテンポが良いです。
なんかもう最近はノベルゲーを読んでいて、1時間もしないで飽きてくるんですよね。
それだけだと自分が年なのかとも思ってしまいますが、
ごく限られた数人のライターに関しては、今でも時間を忘れて読むことができてしまいます。
本作のライターである鏡裕之さんもその一人になりますね。
本作を見ていると、テキストが肌にあう、展開が早いというのもありますが、
立ち絵や効果音で済ませられる部分はそこに委ねるという姿勢も見られ、
それが全体の一体感やテンポにもつながったのでしょう。
私は、仮にテキストだけを抜き出して読んで、
それで完全に意味がつながってしまうシナリオは、
ゲームのシナリオとしては失格だと思っています。
それは絵や音やシステムと融合していないってことですからね。
その点で不満を抱いてしまう作品も多数あるのだけれど、
本作は委ねる部分は委ねるという感じで上手かったと思います。
じゃあ、この部分が作品の大きな特徴となるかというと、必ずしもそうでもないわけでして。
上記の様に本作は前作からのヒロイン+本作のヒロインということで、
多くの女性キャラが登場します。
各キャラに複数回のHシーンがあることにより、CGのほぼ全てがHシーンに回されています。
Hシーンだけが取り柄の作品の場合、CG全部がHシーンというのは良いことなのでしょう。
本作も巨乳に特化した作品ですので、仮に巨乳にしか価値のない作品だったならば、
このCGの使い方でも問題はなかったかもしれません。
しかしね、本作のファンになる人って、もちろん単に巨乳に釣られた人もいるでしょうが、
多くはライターのシナリオにも魅力を感じていると思うのですよ。
せっかく燃える展開があるのだから、HシーンのCGを少し削ってでも、
シナリオ上のイベントシーンにもCGを割り振って欲しかったなと。
イベントでのCGがないものだから、読んでいる最中は楽しくても、
あぁ~楽しかったであっさりと終わってしまい、記憶に残りにくいのです。
これが山場のシーンに一枚でもイベントCGがあればシナリオは更に盛り上がるし、
また違った印象を残せたでしょうに。
匙加減一つで、楽しさはぐっと増していたと思うだけに、
どうしても勿体なく感じてしまいます。

シナリオ関連でもう一点。
上述のように、読んでいて素直に楽しかったです。
その点に対し、ライターが上手いと書くのは簡単なのでしょう。
ただ、ゲームシナリオの場合、単に自分の肌に合っただけでしょと、
どうしてもそう考えてしまいます。
エロゲでシナリオが良いとされる最近のライターの作品でも、
全然楽しめない物も多いですからね。
だからこそ余計にも上手い下手ではなくて、
自分に合うか合わないかの問題と思えてしまうのです。
とは言うものの、シナリオ全般というのではなくて、
このライターのこの部分がと限定できる場合には、
上手いと断言しても構わないのかなとも思うわけでして。
本作の場合、ある意味最も新鮮で面白く感じられたのが、
敵であるイベリア国王(49歳)とその王妃や側近との会話でした。
ウィットに富んだ大人の会話という感じでしょうか。
今のエロゲ市場には、若者向けの厨二的な展開を上手く描けるライターは、
それなりにいるのかもしれません。
しかし大人の会話を上手く描けるライターは、一体どれだけいるのだろうかと。
その点で、現在唯一無二のライターかもしれませんし、
その価値を以て上手いライターと評することもできるのでしょう。
だからね、このイベリア関連のキャラを最後まで維持できていれば、
私はキャラの魅力というポイントを通じて、本作を名作としていたと思います。
しかし、最後は他の雑魚と変わらないやられ方をしてしまったわけで、
ちょっと残念でしたね。
良い戦記ものには良い敵役もつきものですし、
会話で見せたキレを最後まで行動に反映できていれば、
文句なしに名作と感じられたでしょうに。
この辺は、今後の作品に期待するとしましょう。

最後に、営業上の戦略で様々な特典を付けることは良いと思うのですが、
購入時期で作品の内容に変化が出てしまうものは、
個人的には好きになれませんね。
作品だけでなく、ブランドそのものに対する好感度もグッと下がりますし。

<総合>


というわけで、久しぶりに時間を忘れて読み終えました。
私が時間を忘れて一気に読めるのは、現在のアダルトゲームに限るならば、
鏡裕之さんとエルフの土天冥海さんくらいしかいないのかも。
そういう意味では、もし私が「シナリオだけ」を重視するのであれば、
本作も名作扱いにするのでしょうけどね。

しかし私はシナリオもゲームを構成する一要素としか思っていませんし、
上述のように惜しいポイントが幾つもありましたので、
総合でも良作としておきます。
ちょっとした匙加減で何倍にも面白くなりえただけに、勿体なかったですね。

まぁでも、シリーズ通してずっと楽しめましたし、出会えて良かったシリーズでした。
私自身、当初は巨乳特化に興味なしと敬遠していましたし、
色物っぽいタイトルで少し損をしているように思いますが、
エロもシナリオも楽しめる作品を望んでいるのであれば、
おすすめできるシリーズだと思います。

ランク:B-(良作)

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