『スマガ -STAR MINE GIRL-』

『スマガ -STAR MINE GIRL-』

『スマガ -STAR MINE GIRL-』は2008年にWIN用として、
ニトロプラスから発売されました。

いつものニトロとは違う路線っぽくて気になった作品でしたが、
やってみれば、ある意味いつも通りだったのかな・・・

スマガ

<ストーリー>


簡単に言ってしまうと、うんこマンと呼ばれる記憶喪失の主人公が、
何度死んでも諦めずに生き返り、ハッピーエンドを目指す物語。
魔女とかの出てくる世界でコメディ調に進行しつつも、
ループやセカイ系といったオタク層に好まれそうな素材の詰まった作品。

寒いパロネタが多いのですが、画面の演出が効いているので、
わりと序盤は気にならず楽しかったりします。
っていうか、最初はこれはアタリかと思ったので、序盤の印象だけなら良作クラスかも。

ただ、ループで何度も戻るために飽きてくるわけでして。
しかもクリアに何十時間も費やす羽目になるので、
最後の方は苦痛でしかありませんでした。
ライターに推敲するとか纏めるという発想がないのでしょうか。
ただぶち込めば良いってものでもないですし、
ストーリーのご都合主義も長さのせいで余計に鬱陶しく感じますし、
全体的に質より量な子供向けの作品なのでしょう。
一見するとそれまでのニトロらしくないようにも見えるのだけれど、
結局のところ厨二向けという意味では同じなんだなと思ったり。
そもそも、個人的にはいつものニトロなら、
もうスルーしようかと思っていたところに、
新しい方向に挑戦と言われて気になってしまったという感じでして。
それだけに、余計にガッカリしてしまったものです。
まぁ、うんこマン、うんこマンって言われると、
「アダルト」ゲームって何だろうなって思ってしまいますね。

ネタとかには特に目新しい部分も感じられなかったのだけれど、
一時のブームとかも去ってこういうのが減った時期だけに、
新規者には逆に新鮮に見えたのかなって感じ。
後の某SFゲームやらこれを元ネタにしたようなアニメやらの反応を見ていると、
ユーザー・視聴者の主だったところが入れ替わっているのでしょうね。

それと、もう面倒だから名前も書いちゃいますが、
私は『まどマギ』もネタ的に特に新鮮さを感じられずつまらなかったので、
ぶっちゃけどうでも良い話でもあるんですけどね。
アニメの感想を書いていた時は、文句ばかり書いていたように思いますし。
まぁ厳密に言えば、映像とかは良かったけれど、脚本が下手だったということですが。
両者は似ていると言えば似ているけれど、肝心な部分は両作品以前に他でもあるし、
しいて言うならばパクリ元が一緒だったというだけで、
本作とまどマギをあえて比べる必要もないような。
少なくともこれが元ネタだと言えるほど、本作にしっかりしたオリジナリティなんてないでしょ。

っていうか、仮に似ているのだとしても、アニメの奴はずっと時間が短いですからね。
私は楽しめなかったけれど、他方でファンになった人もいるわけで、
短時間でそれを成し遂げたってのは、それなりに凄いということなのでしょう。
アイデアが秀逸だったとしても、それをどう仕上げるかで雲泥の差が生まれます。
原石も磨き方次第で輝きは全然違った物に変わるのです。
単に文章を垂れ流すのではなく、推敲し纏め上げ、
伝えたいことを的確に伝えるのがプロだと思うのですけどね。
まどマギが宝石ならば、無駄な部分を削れていない本作は、
山に転がっている原石でしかないと思ってしまいます。

<ゲームデザイン>


ジャンルはノベル系のADV。

人生をやり直すADVと言うと、古くは84年頃からあるのですが、
もっと限定してハッピーを目指してループするADVも、
それなりの数が発売されています。

これは個人の好みの問題かもしれないのですが、
こういう試行錯誤しながら、やり直す系統の作品は、
プレイヤーに直接動かさせる方が好みなんですよね。
そのままだとバッドに向かってしまう、何とか回避するもまたバッドに、
それをまた回避・・・ってあれこれユーザーに実際に考えさせるADVもあるわけで、
ゲームという媒体を選んだのならば、
単なるノベルでなく相応の工夫の仕方もあったのでは。
絶対にノベルがダメというわけではありませんが、
数あるADVのジャンルの中であえてノベルを選んだのならば、
それなりの理由を示してもらいたかったものです。
そうでないと、安易にノベルにしただけの安っぽい作品に見えてしまいますから。

<総合>


私は基本的に好意的に解釈しようと思いますので、
本作プレイ当時は上手くいかない部分はあったにしろ、
何か変えようとはしているのかなと、その点に今後期待したいとの思いはありました。
だからこの時点では判断がつかないところもあったのですが、
その後の作品をプレイするに、単に作り手の底が浅いだけだったんだなと。

少なくとも、根本的なゲームに対する考え方が合わないようです。
私は一見するとシンプルだけど実は奥が深いとか、
単純そうなのに実はいろいろやれるって作品が良い作品だと思うんですよね。
ファミコン初期の名作アクションとかが分かりやすいでしょうか。
SLGにしても良いとされる作品ほど、
直観的にすぐにプレイできつつも奥が深かったりするものです。
逆に駄目なのは、やれることが多そうなのに、単に複雑で面倒なだけで、
実はほとんど一本道なSLGとかですね。
それはADVだって同様で、根幹となるストーリーがあって、
でもいろいろ脇道にそれることができるとか、
プレイするたびにいろんな発見があるとか、
それでいてユーザーに強いるのではなく楽しみ方はユーザーに委ねると、
そういうのが良い作品だと思うのです。
少し言い換えると、ユーザーに自由に遊ばせているはずなのに、
それでいて作り手の伝えたいメッセージが伝わってくる物ですね。
有名なノベルゲーで例えるなら、初代『かまいたちの夜』とかがそうですね。

本作に限らずこのライターの作品は、
ユーザーも巻き込みいろいろありそうなのにもかかわらず、
実際にはいろいろ強制されてしまい、一本のレールに乗せられてしまうわけでして。
説明書だけ異常に分厚いのに一本道なSLGのようなもので、
構造的には駄目なゲームデザインの典型例のようなものです。
シナリオとグラフィックにしか興味が持たれなくなった市場だから、
こんなちょっと目先を変えただけでも、まかり通ってしまうのかもしれませんけどね。
また主観的にも、初めてサフランライスを食べたときのガッカリ感というか、
なまじ期待だけ煽るだけに、その中身のなさや、
普通のノベルゲーよりも少ない自由度にガッカリしてしまうのです。

お釈迦様の手のひらの上の悟空というのか、井の中の蛙というのか、
狭い知識でADVとはこうだと勝手に思いこんで決めつけて、
それに対し上っ面だけで対処しているかのような姿勢が見えてしまうわけでして。
だから同じ穴の中にいる人には凄く見えても、
その外側にいる人には酷く空虚で浅く滑稽に見えてしまうと。
同じ姿勢が続く限り、このライターの作品はダメなままなんでしょうね。
その後の作品にしても、
俺のテキストを読めと速度調整機能をあえて削った昔のリビドーの社長と、
我の強さで同じ匂いがします。
まぁ本作の時点で見切れずに2作も費やした私も、
まだまだ見る目が足りないのでしょうが。

ランク:E(駄作)

スマガ

関連するタグ WIN /ADV /ノベル系 /


月影のシミュラクル   緋のない所に烟は立たない  いつまでも僕だけのママのままでいて
カテゴリ「2008」内の前後の記事





管理者にだけ表示を許可する

トラックバック http://advgamer.blog.fc2.com/tb.php/2144-9bdec4cd
| ホームへ戻る |