『セーラー服いけな~い体験告白集 Vol.1 ロストバージン』

『セーラー服いけな~い体験告白集 Vol.1 ロストバージン』

『セーラー服いけな~い体験告白集 Vol.1 ロストバージン』は、
1988年にPC88用として、全流通から発売されました。

全3作発売された中の1作目になります。

セーラー服

<概要>


タイトル通り制服を着た少女たちが主人公であり、
彼女たちが自身の体験を告白するという内容になっています。

告白する内容はテーマごとに分かれていて、
「Vol.2 テンプテーション」では少女を待ち受ける甘い罠について、
「Vol.3 エクスタシー」では初めて迎えたエクスタシーについてになり、
この「Vol.1 ロストバージン」では初体験につき告白します。

<ゲームデザイン>


ジャンルはノベル系のADVです。
画面下部に3行のテキスト欄が表示され、選択肢もなく読み進めるだけです。
今もたまに選択肢のない完全一本道ノベルがありますが、それらと同じです。

今の表現に従えばノベルゲーとなるので、
ここではノベル系のADVと表記しておきますが、
当時の感覚で言えばデジタルコミックとかそんな感じになりますかね。

セーラー服2

尚、本作は3本の体験からなるオムニバスですので、
1つの話が終われば自動的に次の告白へと移るという構造になっています。
あぁ、そういえば、一時期のオムニバスブームみたいなものについて、
随所でアリスのDPSシリーズ(89年~)から始まったみたいな記載を見かけますし、
私もそういう風に書いたことがあるようにも思うのですが、
本作はそれより前の88年ですからね。
勘違いさせていたら申し訳ないのですが、
オムニバス作品自体は89年よりも前からあったということですね。

本作は単純に読むだけであるために、ゲーム性は皆無です。
故に当時多かった難易度の高いゲームを好むユーザーには合わなかったでしょうが、
コマンド選択の繰り返しのようなストレスとなる要素もありませんし、
こういうジャンルはこれで構わないのかもしれませんけどね。

<ストーリー>


女の子がそれぞれのロストバージンの話をするだけです。
まぁその女の子らがJCですので、
その辺が時代を象徴しているのかもしれませんが。
今だと、おそらく設定の時点で駄目でしょうから。

面白いかと聞かれるとそうでもないので、プレイしたことすら忘れそうですけどね。
他所でコラムだかを読んで、その際に本作の存在を思い出したもので。
だから今から考えると、人によっては資料的価値が少しはあったのかなと。
というのも、最初期のADVは主人公がプレイヤーの分身のような存在で、
コマンドでのやりとりはメタ的な要素も含んだものであり、
主人公の内面・心理描写は重視されませんでした。
その場面でどう考えるのか、どういう心理なのかは、
それは即ちプレイヤーのものであり、
分身である主人公が勝手に語るなよとなるわけです。

もっともストーリー性が増すに従い、次第に主人公の個性も増していき、
中にはいろいろ語る主人公も出てきたのですけどね。
主人公の言動からキャラの個性を読み解くことはあっても、
そこから更に奥に踏み込んだ内面の描写部分に関しては、
昔はあまり注目する人はいなかったのかなと思います。

オタク分野に限るならば、時代が変わったのは95年以降でしょうか。
アニメでエヴァが流行し、それに伴い主人公の内面に着目する人が増え始めました。
WIN95や萌えの普及に伴いアニオタ層がPCゲーに手を出すようになり、
そういった人たちはポストエヴァだかなんだか知りませんが、
主人公の内面を描写した作品を好んだように思います。
そのようなユーザーの変化に伴い、
アダルトゲームでも主人公の内面を描写する作品が増えていきますし、
内面や心理描写を重視するユーザーもますます増えていきます。

これらを裏から考えてみますと、
ユーザーの着目する点、求める点が異なりますので、
エヴァ以前に内面や心理を描写した作品があっても、
あまりPCゲーのユーザーに着目されることはなかったのでしょう。
そもそも当時のPCゲーのユーザーと、
オタクの視点を同一に扱って良いかも疑問はあります。
しかしあえて同一に扱うのだとしても、それ以前のオタク的視点で語るのであれば、
例えばガンオタに見られるように、80年代的オタクの視点からは、
アムロがここでどう考えたかなんかよりも、
世界観の広がり、UC何年にどこで何があり、何が開発されたとか、
そういった方に関心がありました。
だから心理描写云々に着目するユーザーは少なかったように思います。

そのため必然的に知名度は低くなっているものの、
PC98のゲームの中には幾つか主人公の内面を描いた作品もありました。
じゃあその起源はどうなるのかですが、
残念ながら私は興味のない分野だったのでよく分かりません。

ただ、男性主人公だとどうしてもプレイヤーの分身としての側面があり、
完全に両者を切り離して、
プレイヤーと異なる主人公の内面を描く作品は出にくかったと思います。

そういう意味では、男性プレイヤーが多い中での女性主人公のゲームというのは、
完全に主人公とプレイヤーが切り離されています。
本作のような女性主人公が語るというスタイルでは、
当然主人公の内面や心理が描写されることになりますしね。
きちんと調べていないので、
探せば本作よりも先にもっと他にあるのかもしれませんが、
方向性としては本作のような路線が、主人公とプレイヤーを分離した作品、
及び主人公の内面・心理を描いた作品の先駆けになるのではないかなと思います。
その意味で、面白いかどうかはさておき、
本作には資料的価値があるのかなと思うのです。

ランク:C-(佳作)

関連するタグ PC88 /ADV /ノベル系 /


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