『フォーサイト ~four-sight~』

『フォーサイト ~four-sight~』

『フォーサイト ~four-sight~』は1995年に、
ハイブリッド用(MAC&WIN)として発売されました。

3DCGの可能性を感じさせてくれた、独特のADVでしたね。

fsight123.jpg

<概要>


ジャンルはインタラクティブムービーになります。

CGクリエイター:窪田純子さんのデビュー作でもあり、
「見る」という行為に着目した作品でした。

具体的には「天秤」、「時計」、「眼球」、「顕微鏡」がモチーフになり、
3DCGで表現されたそれらの中へ向かって進んでいくことになります。

<感想>


fsight124.jpg

3DCGと言うと、空間的な広がりに目がいきがちだし、
外へ外へと広がっていく方向に私なんかも考えがちです。
また既に発売されている作品にも、
そういう空間的な外の広がりを表現した作品が多かったと思います。
しかし、3Dってのは、決してそれだけではないんですよね。
本作は外への広がりを追求する作品ではなく、
中へと向かうことで、その深さという点で3DCGを上手く活用していました。

暗めで無機質な画像を見ていると、
全体的な雰囲気は確かにシナジー幾何学の作品っぽいという印象も受けます。
しかしその方向性・ベクトルはまるで異なるような、
とにかく他の作品と異質な雰囲気の作品でありました。

それが男性クリエイターが多い中で女性の感性が発揮されたことから感じたのか、
それとも性別抜きに単に窪田純子さん個人のセンスが抜群だったのか。
その辺は何とも言えない部分もあるのですが、理由は何であれ、
おそらく誰がプレイしてもその異質さは感じ取れるのでしょう。

他方でゲーム性はあってないようなものであり、
ゲームクリエイターによるゲームというよりも、
インタラクティブなビジュアルという、
美大出身のCGクリエイターの作品という色彩の方が濃かったわけで。
本作に関しても国内外で高く評価されたにもかかわらず、
ゲーマーの間ではあまり知名度は高くないように思いますしね。
個人的には一つのアート作品と捉えた方が良いと思います。

空間的な広がりというのは何も当時に限った話ではなく、
技術の進化した今はより一層広がりが増しています。
だからこそでしょうか。
オープンワールド系の作品を見るたびに、
逆にこういう作品が思い出されてくるように思います。

ADVは、インディーズゲームが増えた今になり、
またクリエイターの個性・特徴を存分に表現した作品が、
高く評価されはじめているように思います。
主戦場となっているiOSのゲームなんかにしても、
拡大よりも深化の方向性の方が向いているようにも思いますしね。
本作がiOSとかで今出ていれば、もっと多くの人が注目しプレイしたでしょう。
3DCGの可能性の探究という意味では、
95年に出たことに作品としては意義があったと思います。
しかし残念ながら、
当時はクリエイターの思考についていけるユーザーが少なかったわけでして。
市場の成熟はゲームの進化だけでなく、ユーザーの成長も必要なのであり、
ここに来てようやく多くのユーザー側が追い付いてきたというのが、
現在なのかもしれませんね。

まぁ、その芸術性はともかくとして、
必ずしもゲームとして面白いって作品でもないですし、
総合では良作としておきます。
ただ、その独特の世界観が秀逸であることは確かであり、
一見の価値のある作品だと思いますね。

ランク:B(良作)

フォーサイト

関連するタグ WIN /ADV /


面影レイルバック   美少女万華鏡 -罪と罰の少女-  蒼の彼方のフォーリズム EXTRA1
カテゴリ「1995」内の前後の記事





管理者にだけ表示を許可する

トラックバック http://advgamer.blog.fc2.com/tb.php/2120-83768fea
| ホームへ戻る |