『白中探険部』

『白中探険部』

『白中探険部』は2003年にPS2用として、
タイトーから発売されました。

グラフィックの優れた作品であり、
今となっては珍しい非ギャルゲーのADVですね。

白中探険部

<概要>


商品説明を引用させてもらいます。

中学生時代の夏と20歳になった現代の夏を行き来しながら、
ふるさとの郷愁と今の自分を見つめ直すことができるアドベンチャーゲーム。
全編にわたるフルボイスと立体音響システムが
懐かしいあの頃を思い出させてくれる。

ストーリーは主人公が久しぶりに
故郷の海と山に囲まれた町に里帰りする場面から始まる。
ゲーム自体は故郷に集まってきた古い友人たちと共に夏を過ごす
「現代編」パートと、
その友人たちと過ごした8年前の中学生だった頃を回想する
「少年編」パートで構成されている。
「少年編」でエピソードを集め過去の出来事を思い出し、
「現代編」のアドベンチャーモードで行動していくことで、
消えたヒロインを救い出すことに繋がっていく。

<グラフィック・サウンド>


このゲームの一番の特徴を挙げるとするならば、
それはグラフィックになるのでしょう。
まず主観的なことから言いますと、市場に蔓延している萌え路線と明らかに異なり、
とても好ましく見えたものです。
まぁ私の場合は萌え絵も好きではあるので、萌え絵が嫌いなのではなく、
「同じような物ばかり」という状況が嫌いなだけなんですけどね。
だから萌え絵でないから好ましいというのは正確な表現ではなく、
市場の多数派と異なる独自路線を選んだから好ましいと見えたということです。

そのグラフィックの中でも、特に魅力を感じたのが背景でした。
案の定と言いますか、本作の背景製作にも、ゆうろさんが加わっているようでして。
単に私がファンなだけかもしれませんが、
ゆうろさんの関わった作品の背景は良いですね。

グラフィック部分では、立ち絵の動きも良かったです。
目パチ口パクは当然のこととして、
立ち絵が変わるときにアニメーションで自然に変化するのです。
決して斬新というわけでもないですが、
今でも珍しいのも確かですし、この当時なら尚更です。
またPS時代よりも自然に動いているので、進化を感じることもできました。
この部分に関しては10年経った今でも、PCのノベルゲーと比べ物になりません。
PCのノベルゲーの大半は立ち絵の動きや演出が良いとされる物でも、
人形劇みたいにピョンピョン飛び跳ねさせているだけですからね。
他のノベルゲーもこの作品を見習って欲しいものです。

また途中で挿入されるアニメーションも良く、
個人的にアニメーションのあるゲームが好きなこともあり満足でした。

他方で、原画自体にはあまり魅力を感じなかったかなと。
立ち絵も動きは非常に感心したものの、塗りとかは思ったほどではなかったです。

この作品はサウンドへのこだわりもセールスポイントになっており、
具体的にはダイマジック社が開発した、
「DVXサウンド」という技術が使用されています。
専門的なことは分かりませんが、ここも良かったと思いますね。

<ゲームデザイン>


ジャンルはノベル系のADVになります。

本作の存在を雑誌で初めて知ったとき、
真っ先に興味を持ったのが「リコレクションシステム」でした。
要所要所で過去がフラッシュバックされるとのことで、
システムというからには、どのようにゲームに関わってくるのだろうって。

しかし、ここは完全に見掛け倒しでしたね。
単に通常はノベルゲーとして進行するけれど、
過去を思い出す場面ではアニメになりますよってだけです。

<ストーリー>


ストーリー自体は可もなく不可もなく普通だったかなと。
まぁ田舎の風景とノスタルジックな雰囲気がありますので、
基本的には万人に好かれやすいと思いますけれど。
もっとも、その一般人も含めた万人向けADVが減っているだけに、
希少性はあったように思います。

ストーリー重視って人は物足りないかもしれませんが、
雰囲気を楽しめる人なら満足できる確率は高くなるでしょう。

<総合>


ストーリー部分が普通なのでね、そこだけなら佳作というのもあるでしょうが、
個人的にはグラフィック面での収穫や満足したこともあり、十分楽しめたのかなと。
何より2Dのノベルゲーで萌えを排除したのは貴重ですからね。
その貴重さも加味して、良作としておきます。
ストーリーしか興味ありませんと過度に偏っている人でなければ、
基本的に万人が楽しめるタイプの作品だと思いますね。

それにしても、90年代くらいまでは、
ゲーム機のADVよりもPCの方がアイデア面等で優れていたのですよ。
斬新だと言われるゲーム機のADVの大半は、既にPCではなされていますから。
しかしノベルゲーだらけになり、進化がグラフィックや演出部分に限られることで、
資金力のあるゲーム機のADVの方が進化を感じさせる物が増えてきたと。

オタクユーザーは自身の遍歴からゲーム機→PCゲーで語ることが多いですが、
実は発展の遍歴を見たいなら時代的にはPCゲー→ゲーム機なんですよね。
その矢印の分岐点となるのが本作の発売されたゼロ年代前半なのだろうなと、
そんなことも感じた作品でした。

ランク:B-(良作)

白中探険部



関連するタグ PS2 /ADV /ノベル系 /


  面影レイルバック      ヤミと祝祭のサンクチュアリ   それでも妻を愛してる2
カテゴリ「2003」内の前後の記事





管理者にだけ表示を許可する

このゲームは、好きな声優さんが主題歌歌ってたということで、気になってましたが、あのベストエンディングのラストシーンをどう見るか、ですね。

あくまで体感アドベンチャーとして売り出されたというわけなのですが・・・。

> このゲームは、好きな声優さんが主題歌歌ってたということで
坂本真綾でしたよね。
坂本真綾&菅野よう子となると、それだけで期待したくなります。

> あくまで体感アドベンチャーとして売り出されたというわけなのですが・・・。
ベスト版のパッケージや公式ページからは削除されたようで。
体感アドベンチャーとは何ぞと思っていただけに、シナリオ面の不満は避けがたいですかね。

トラックバック http://advgamer.blog.fc2.com/tb.php/2076-0855782d
| ホームへ戻る |