『X -エックス-』

『X -エックス-』

『X -エックス-』は1995年にPC98用として、
スタジオメビウスから発売されました。

「レズが世界を救う!!」というコンセプトの、
『悪夢』や『絶望』で有名なスタジオメビウスのデビュー作になります。

エックス03

<概要>


忘れた頃に新作が出てくるため、
よくここまでもっているなと思わされるスタジオメビウス。
そのスタジオメビウスの名を一気に有名にさせたのが、96年の『悪夢』でした。

『悪夢』は陵辱特化という分かりやすいコンセプトで、
しかもありそうでいて他になかったということもあり、非常に売れまくったものです。
(抜きゲー・オカズゲーはいくつもあったのですが、
シンプルな凌辱特化というのが意外となかったのです。)
その『悪夢』はスタジオメビウスの2作目であり、
デビュー作だったのがこの『X -エックス-』でした。

デビュー作でよくこの題材を選んだなという気もしないでもないですが、
レズが世界を救うという、明るくちょっとお馬鹿なノリの、レズ特化の作品でした。

<ゲームデザイン>


ジャンルとしてはノベル系のADVになるのでしょうか。

オープニングイベントとエンディングを含めれば全部で10のシーンがあり、
まずどのシーンを見るのか選ぶことになります。
もちろんオープニングは最初でエンディングは最後に見るのですが、
その他のイベントは任意の順番で見ることができます。
プレイヤーにできる選択はそれだけで、
各シーンに入ると選択肢だのコマンドだのは一切なく、後は本当に読み進めるだけです。

単純な構造ゆえに、ちょっとでもゲーム性を期待すると物足りないでしょうが、
これは今風に言えば抜きゲータイプの作品なんでね。
中途半端に面倒臭いよりは、こっちの方が良いように思います。

<ストーリー>


主人公は異世界のカウンセラーということで、
基本的にはいろんな女の子をカンセリングすることになります。
カウンセリングと言っても、Hばかりなんですけどね。
主人公が女ということで、レズシーンの集合体って感じです。

まず良い点を書きますと、一見するとシナリオらしきシナリオはなく、
Hシーンばかりのように見えます。
それはそれで間違いないのだけれど・・・これはテキストが良かったのかな~
何か妙にエロいだけでなく、阿呆で軽い妙なノリが心地良く、
何だか楽しめちゃうんですよね。
Hシーンだらけなのに、そのHシーンの中に上手く作品の特徴を織り込んでいるわけで、
ここはこの作品の魅力と言えるのでしょう。

最近は、エロ描写がテンプレっぽかったり、
挙句の果てには他所のゲームから流用して問題になったケースもあります。
エロゲでエロテキストを書くのが嫌なら、何でエロゲで出すのでしょうね?
キャラの個性は日常シーンでのみ語ることができるというわけではなく、
Hシーンを通じてキャラの個性を表現することもできるだろうし、
またそういうことができるライターこそ、
上手いシナリオライターと言えるようにも思うのですけどね。
ひと昔前の、シナリオ重視とか言われる頃のシナリオライターは、
ネットの存在もあって今でも名前を見る機会は多いです。
でも、本当に凄いと思えたライターがごく僅かしかいないのは、
単に自分に合う合わないだけの問題ではなく、
エロゲというフィールドで上手くエロを盛り込めた人がほとんどおらず、
それで違和感が残るケースが多かったからでもあるんですよね。

少し脱線しかけましたが、本作はほかにも、
ネコ耳娘など人外っぽい様々なキャラが登場しますので、
対応属性や守備範囲の広い雑食性の人ほど楽しめるのではないでしょうか。

<グラフィック>


逆に悪い点として、ここはグラフィックとも関連するのですが、
上記のように本作はシナリオ上はレズシーンだらけのレズ特化作品です。

にもかかわらず、CGで女性が絡み合っているシーンが1つしかありません。
他は一人だけが写っているのです。
CGだけ見ると、これがレズ特化作品だとは思わないでしょう。
一体何を考えているのかと・・・
そういうわけなので、レズ目当てで、しかも女の子同士の絡みをCGで見たいのならば、
ハズレと思ってしまうでしょうね。

もっとも、当然ながらテキストはあるし一人は写っているのだから、
後は脳内で補完できるっていうのであれば、楽しめる可能性は高まるでしょう。
そして原画は飛鳥ぴょんさんなので、キャラは可愛いですし、
一枚のCGのクオリティは非常に高いですからね。
エックス01

またCGのクオリティが高い上に一人しか写っていないということで、
逆にレズは苦手って人でも楽しめるかもしれません。

<総合>


レズ特化作品のはずなのに絡みのあるCGが少ない、
それ以上に絶対的なボリュームが少なすぎるといった問題も多い作品です。
次の『悪夢』と比べると、完成度は雲泥の差です。
だから酷評する人がいても、それはそれで納得してしまうのですけどね。

でも何かこれ、妙に好きなんだよな~
飛鳥ぴょんさんの可愛い絵で、Hシーンが満載ですしね。
中身もないかもしれないけれど、プレイ中のストレスもないですしね。
明るくお馬鹿なノリも良い味になっていますし。
『悪夢』より完成度が落ちるのは間違いないのだけれど、
でも『悪夢』より好きという、そんな変わった作品でした。

余談ですが、Xという一文字のタイトルは検索が不便ですよね。
本作は95年の発売で、この時期くらいからだと思うのですが、
一文字とか文字数の少ない作品を何本か見かけたのですが、
ネットの普及していない時期ならではの付け方かもしれませんね。

ランク:C(佳作)

エックス

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