『聖娼女 ~性奴育成学園~』

『聖娼女 ~性奴育成学園~』

『聖娼女 ~性奴育成学園~』は2013年にWIN用として、
Frillから発売されました。

これは様々なシチュに対応した良質な抜きゲーでしたね。

聖娼女

<概要>


商品説明によるあらすじは以下の通り。
私立白百合ヶ丘学園――。
ここは教養ある子女を育成するための名門校として知られていた。
しかし、この由緒ある学舎には裏の顔があった。
あらゆるVIPたちの肉欲を満たすための、高級性奴育生所である。
女学生たちはその候補生であり、専門家による調教を受け、
牝娼婦へと仕立て上げられるのだ。
この学園にひとりの男が招かれる。
時沢直巳。裏社会では悪名高き女衒である。
彼は学園長の命を受け、新たな娼婦を育成するために、
少女たちを淫靡に蝕んでいく。

<ストーリー>


ヒロインを堕として娼婦に育成してしまおうって作品ですね。
まず良い点から書きますと、横軸の幅が広いことです。
どういうことかと言いますと、本作には5人のヒロインがいるのですが、
ヒロインによってアナル中心だったり、コスプレだったり、
恋人プレイだったり、寝取りだったりと、シチュを並べると皆異なるのです。
この横軸の幅広さにより、飽きずに別のヒロインもやろうって気になれますし、
とても良かったと思います。

次に、基本的に丁寧に描かれています。
本作は後述するようにヒロインを選択すればイベントが見られるのですが、
各ヒロインを攻略するには20回以上選択する必要があります。
その過程で、最初は嫌がるのに無理やり、嫌がるけど体は感じて、
最後は身も心もと段階を踏んでいますので、基本的に丁寧に描かれているのでしょう。
また攻略の半ば辺りから客の相手をさせますので、
堕ちた後の展開が長いことも良かったと思います。

尚、娼婦を育てるという目的の作品ですので、
ヒロインたちは主人公以外の男性とも頻繁にHをすることになります。
良質な抜きゲーという噂だけでヒロインを独占したい人がプレイすると、
間違いなく痛い目にあってしまうでしょう。
また堕ちる過程が丁寧なのは私にはプラスなのですが、
言い換えればすぐにはHシーンとならないということでもあり、
即Hシーンが見たい人にも向かないのでしょう。
その点は事前に注意すべきでしょうね。

さて、問題なのは良作から上の上積みがあるのかということなのですが、
先ほどから「基本的に」と書いているところにあり、
自分で丁寧にと書いておきながら常に疑問が頭をよぎっていたわけでして。
確かに本作は横軸は多彩なのですが、縦軸、
つまりそのヒロインのストーリーはどうなのかということなのです。
主人公はその道のプロのはずなのですが、
大半は既にある弱みを見つけて脅してってパターンです。
従って、ヒロインごとの設定を上手く活かしたものが少なかったです。
女教師に関しては、旦那さんを上手く絡めていますので、
寝取りとしての側面も有しつつ良く描けていたと思います。
かように良く描けているルートもあるのですが、
全体的に展開自体はどのルートも似たり寄ったりの同じことの繰り返しであり、
どうしても単調に感じてしまいます。
上述のように堕とす過程は丁寧と書きましたが、
パターン化された堕ちる描写の枠にはまりすぎて、
これはこれで一種のテンプレ描写ではないかなと思ってしまいます。
本作は全員を娼婦にするのがおそらく正史なのでしょうが、
個別ENDはあっさりしていますし、
全体的に堕とす描写以外の部分でのヒロインの掘り下げが少し弱いのかなと。
なまじシチュの多彩さという横軸が優れていただけに、
ちょっと単調な縦軸のストーリーラインの弱さが目立ってしまいました。

また先ほどからシチュの多彩さは褒めていますが、特に過激なシーンはないわけでして。
だから初心者でも誰でも万人が楽しめるという抜きゲーという側面もあるのですが、
全体的に何かここっていうこだわりがあるユーザーには物足りないのかなと。
ブランド過去作にあるような、
例えば痴漢ものにおける主人公の痴漢に対する美学のようなものも本作にはありません。
堕ちる描写にしても、調教SLG的な「繰り返す」手法を用いつつも、
調教SLGや調教SLGの要素も取り入れたADVよりは浅いですしね。
万事がそんな感じですので、広く浅い初心者向き抜きゲーなのでしょう。
私もプレイ直後はいや~楽しかった~と思ったのですが、
書こうとするたびに、いろいろ引っかかってくるような、そんな作品です。

<ゲームデザイン>


ジャンルはノベル系のADV。
画面にヒロインの顔が表示されまして、
どのヒロインとのイベントを見るか選ぶだけです。
20数回選択すると、個別ENDを見るか本筋を追うかの選択肢が出てきます。
そのような構造ですので、攻略は極めて容易です。

<グラフィック>


CG枚数は標準的で、差分は多いのですが、
同人の優れた作品を同じ値段分集めれば本作以上になりますし、
そう考えると特に多いというほどでもないのかなと。

まぁでも、原画が私の好みということもありますが、
塗りを含めてCGの質は極めて高いです。

本作にはもう1つ特徴があり、「バルーンウィンドウシステム」という、
吹き出しと同じようなものがHシーンで使用されています。
期待していたのはこの部分だったのですけどね。
常連の方なら気付いている人もいるかもしれませんが、
ADVにおける画面の用い方というのは、
長きに渡り私がこだわっている部分でもあります。
吹き出しとか漫画的手法は80年代からありますし、
これまでにも何本も紹介していますからね。

そもそもテキストの表示方法の多彩さという部分では、
90年代半ばまでのPC88やPC98時代の方が優れています。
windowsの時代になり逆に減っていき、次第に画面下部の、
下3行ほどのテキスト欄での表示のものばかりになっていきました。
それをゼロ年代前半の人は、システムの洗練だの統一だの、
完成度の上昇などと言っていたわけですね。

私はグラフィックとテキストは近い位置にあった方が良いと考えます。
差分による表情や立ち絵の変化があっても、
テキスト欄が分離して下部に固定されてしまうと、
その変化を見逃してしまうおそれがありますからね。
だからテキスト欄はキャラに合わせて変動するのが最適と考えます。
特に立ち絵の動きが増えている今日では、
テキスト欄の移動は更に有効に作用しうるでしょう。
だから本作でも噴出しはHシーンだけでなく、
立ち絵など通常部分にも使って欲しかったと思うくらいです。

でもゼロ年代前半のユーザー的な発想だと、
これってせっかく洗練され統一されたはずの表示方法から昔に戻ることであり、
駄目な手法となるのでしょうか。
まぁ本作はそんな人向けに普通のテキスト表示もできるようにしてありますので、
批判は回避できるのでしょうけれど。

私がむしろ知りたいのは、ゼロ年代後半辺りから始めたような、
今の比較的若いユーザーがどう捉えるかなんですよね。
私のように作品により吹き出しや変動式もありと考えるのか、
それともゼロ年代前半的に下部固定こそが最高と考えるのか。
その辺は非常に気になるところです。

というわけで、私は基本的にはこういう試み自体は大好きです。
ただ、肝心の作りこみは甘かったかなと。
右からバルーン(噴出し)が順次表示されるだけという単純なのが大半であり、
これでは同様の噴出し構造を採る現在の同人以下です。
過去の作品だってもっと柔軟に用いているものも多いですし、
決して本作の長所と呼べる域にまでは達していないでしょう。
こういうシステムを導入した時点で基本的に好印象ではあるのですが、
実際にプレイしてみての感想は、むしろガッカリの方が大きかったですし。

<総合>


上述のように幅広い層に対応し、基本的には非常に良質な抜きゲーです。
絵やキャラが好みということもあり、プレイ中は楽しかったです。
なので、絵が好みであれば、プレイして損はしないでしょう。

ただその上で、もし違う原画であれば評価は全く異なっていそうで、
やっぱり私が楽しめたのは原画に依存する割合がかなり高かったのかなと。
幅広い層に対応していることは良いのですが、
個人的には同ブランドの痴漢専用車両シリーズの方が、
「こだわり」が感じられて好きでしたしね。
そのこだわりの感じられない浅さが万人向けにもつながりうるのでしょうが、
同時に弱点でもあるのでしょう。

まぁFrillは好きなブランドだったのですが、近年は少し迷走気味でしたからね。
ブランド内の代表作と比べると物足りなさは残るものの、
それでも今年は復活かと上向きに感じられただけでも嬉しかったものです。

ランク:B-(良作)

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