最近のADV事情(洋ゲー)と、カジュアルゲームについて その2

最近のADV事情(洋ゲー)と、カジュアルゲームについて その2

現在のADV事情の2回目です。前回の要点だけ挙げますと、
カジュアルゲームの中にアイテム探し(HOG)というジャンルがある。

そのHOGもHOG+ADVという、
ADV要素の強い作品が増えてきたということです。

さて、そこで前回最後の続きの話で、
そもそもHOGとADVとは違う物なのかという話から入ります。

確かに、途中で何かをやりながら絵や音を通じて物語を楽しむという、
大雑把な方向性はHOGもADVと一緒なのです。
従って、これもADVなのだと言うこともできるのでしょう。

おそらく国内のオタク向けゲームのクリエイターならば、
そういうADVと表現するような発想になるのだと思います。
だから現在のオタク向けADV、具体的にはアダルトゲームやギャルゲーですが、
これらはADVという名の下、実質的にはノベルゲーばかりになっています。

本来はADVとノベルゲーは異なるものであり、楽しみ方も異なります。
だから最初のころ、80年代や90年代頭くらいまでは、
両者を別個のものと考える人が多かったですし。
しかし絵や音を通じて物語を楽しむ点では共通しますし、
両者の複合的な構造の物や中間的な構造の物も混在し増えていくことで、
次第に垣根が薄くなっていき、ノベルゲーもADVに含んで語られるようになりました。
そして本来的意味合いの純粋なADVが絶滅に近付くことで、
ADVという名の下にノベルゲーだけが残ったのが、
アダルトゲームやギャルゲー系のADVの現在です。
現在と言っても、こういう状況はもう10年以上続いていますので、
ノベルゲー=ADVと勘違いするユーザー・クリエイターも多数います。
ノベルゲーに従来のADV要素が含まれた作品に対し、
その要素をSLG要素と表現するケースを何度も見てきましたから。

まぁ言葉遣い自体は本来は些細な問題なのかもしれませんが、
ジャンルが異なるということは楽しみ方も異なるということです。
分かりやすい例で言うならば、思考型の戦略SLGに対し、
アクションゲーム的視点で爽快感がないと言うのは筋違いというものでしょう。
過去のADVの名作に対しノベルゲーにリメイクしろという意見も見かけましたが、
「信長の野望」は時代遅れだからFPSにしろと言うくらい、
私にはナンセンスな意見に見えてしまいます。

HOGもADVに含めることは十分に可能であり、
むしろノベルゲーよりもADVらしくあるようにすら見えます。
しかし、ここでは割愛しますが、
ADVのゲーム性を判断する4つの指標からは駄目とされる、
従来的なADVでは嫌われるような部分をむしろ特徴として特化させたのが、
HOGなのでしょう。
だからHOGをADVに含んで考えることはできたとしても、
ADVと表記してADVとして捉えられてしまうと、
楽しみ方を見誤られてしまうおそれがあるのです。
古い固定観念に縛られることなく、
カジュアルゲームの中のHOGと別に括ってしまう方が、
先入観なくユーザーに楽しんでもらう観点からは正解なのだと思います。
だからADVではなく、あえて「Hidden Object Game」とした点は、
私は非常に素晴らしいなと感じました。

とは言うものの、かつて国内でADVの中にノベルゲーが増殖していき、
現在はADVの名の下にノベルゲーが氾濫しているのと同様に、
現在はHOGという名の下に、HOG+ADVという複合的な存在や、
むしろADVが中心になっている作品も登場しています。
昔のADV好きは一時期非常に肩身が狭く、遊びたい作品が激減しました。
飽きたなら止めれば良いのですが、別に飽きたのではなく、
遊びたいジャンルの作品がなくなってしまったのですよ。
昔のADV好きに向いた作品は現在ADVと称されるゲームではなく、
現在はHOGの中にこそ存在するのでしょう。

最近のADVに関してもう少し語ることはあるのですが、その点は次回にまわすとして、
とりあえずノベルでないADVをプレイしたいけど見当たらないと考えるならば、
Hidden Object Game(アイテム探し)が狙い目とだけ言っておきます。

ゲーム業界では80年代のADVとRPGの言葉遣いの問題など、
ジャンル名と実質面がずれていく現象があるだけに、
ジャンルによる区分は一見すると分かりやすいようで、
実はかえって分かりにくくなってしまっているのが難しいところですね。

区切りが良いので、今回はここまで。


ついでに、ADV色の強い優れた作品を1つ紹介。
グラフィックとムービーで魅せることに重点が置かれた、
『ダーク・パラブルズ:赤ずきん姉妹団』です。

ダーク・パラブルズ:赤ずきん姉妹団

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