『サナトリウムの雌豚』

『サナトリウムの雌豚』

『サナトリウムの雌豚』は2010年にWIN用として、
黒雛から発売されました。

人はどこまでが人なのか。
雌豚が比喩では済まされなくなった物語。

サナトリウムの雌豚

<概要>


商品紹介は以下の通り。
「仄暗い昭和の歴史の最初の二十年。
世界の全てを巻き込んだ戦争が
終わりに差し掛かろうとしていた、最後の数ヵ月。
戦争の残照とも言える忌まわしい研究はいまだに続いていた。
『傷痍軍人ノ前線復帰ノ為ノ予備研究』 
帝国軍の秘密機関で行われていたその研究は、戦いに傷つき、
人として生きることすらままならなくなってしまった者たちを
復活させるための研究であり……
そして、それらを最後の肉の一片まで使い潰す研究でもあった。
幸いにして、そして不幸にして、
その研究の “成果” はただ一人の少女でしかなかった。
零号被検体・零(れい)。 
彼女はとある重病を生来背負って、
伊豆にある修道会系サナトリウムに収容されていた少女だった。
余命幾ばくもない彼女が
この全てが終わろうとしていた季節まで生きていられたのは、
若き天才科学者・尾崎のおぞましい研究の成果のため。
彼は先天的な免疫不全を利用して、
ヒトと異種動物間の臓器移植を実現しようと彼女を利用した。
その結果……彼女は命と引き替えに、
少女としての全てを失うこととなってしまった。
尾崎が移植に利用したのは、
人間とその臓器の配置と大きさが似通っている“豚”。
そう、少女は生きながらにして、
“雌豚” とされてしまったのである。
そしてこれは、その不幸な少女と、
その周囲で起きた出来事の最後の数ヵ月間の記録である。」

ジャンルはノベル系のADVで、
選択肢もない完全な一本道の作品になります。

<ストーリー>


主な登場人物は3人。
一人は主人公の尾崎で、上記のように科学者。
何よりも自分の研究を最優先させる男です。

零はその実験の唯一の成功例。
体の内部は次々と豚の臓器と替えられていき、
文字通り雌豚という状態にされてしまいます。

もう一人は華音。
尾崎の助手なのですが、尾崎を慕っています。
しかし尾崎の視線が常に零にしか向いていないことから嫉妬し、
零の臓器を自身に移植することで関わりを増していきます。

ストーリーの構造自体はシンプルなもので、
3者の愛憎を掘り下げた作品ですね。
無駄な日常描写など余計な部分は完全に削ぎ落としており、
ボリュームを求める人には物足りなく感じるかもしれませんが、
逆に一般的なノベルゲーには飽きた、
日常だの共通だのは要らないって人で、
シナリオを重視したいって人であれば、
楽しめる確率は格段に増すでしょう。
むしろ、そういう主流路線のノベルゲーに飽きてきた人には、
ぜひともやってもらいたい作品かなと。

体中を弄られ、加えて軍人どもの捌け口にされ、
零はもう一思いに死なせてあげようよとか思ってしまいます。
他方でそんな零に嫉妬する華音の狂気も、
どんどん増していきます。

こういうダークなのは好みですので、個人的には楽しめました。
ただ、描写も丁寧なので、
好きな人はかなりはまる可能性はあるものの、
若干展開が単調な部分もあり、
丁寧さがかえってあだになった可能性はありますかね。

まぁ輪姦だの獣姦(豚にやられます)だのがありますし、
引く人は引くくらいの内容はあると思いますので、
それを見て単調と感じるこちらの神経が、
そもそも麻痺しているだけかもしれませんが。

これ、たぶん設定の時点で普通の人は避けてしまうでしょうし、
逆に手を出すような人は、
過激であれば過激である方が良いって人が多くなるのでしょう。
でもシナリオ重視でエロ的な過激さはそれ程でもないので、
エロ的な過激さを求める人には物足りなくなるおそれもあり、
でもその感想を迂闊に信じて普通の人がやると、
うぇ~ってなってしまいかねない、
ちょっとややこしいパターンかもしれません。
そういう部分もひっくるめて、
重い設定のシナリオ重視と考えるべきかと。

最後も決してハッピーではないですが、
それでも生きてて良かったと思えたのならば、
僅かでも救いはあったのでしょう。
その点でも、やって良かったなと思わされます。

<グラフィック>


グラフィックということで、
CG自体は獣姦だのいろいろあるのですが、
あまりエロいという感じではないのかも。
個人的には、むしろ綺麗って印象でした。

<総合>


Hシーンのシチュエーションだけを見ると、
過激な抜きゲーに見えると思います。
でも、あまり抜きとしては実用的ではないのかなと。
一本道ということもありますが、
とにかく1つの物語を読みたい人向けです。
まだこういうシナリオ重視のゲームも残っていたのだなと、
個人的には少し安心してしまいますね。
もう1つ突き抜けたものが足りないかなとも思いましたが、
これはこれで替えの利かないオンリーワンな作品であり、
再評価して名作としておきます。

ランク:A-(名作)

サナトリウムの雌豚

ダウンロード版
サナトリウムの雌豚DL

関連するタグ WIN /ADV /ノベル系 /


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