エロゲ専用ハードとディーオー

エロゲ専用ハードとディーオー

前回、PC以外でのアダルトゲームということで少し書いていて、
それで思い出したのがエロゲ専用ハードの話でした。

まぁ、途中からD.O.の話になってしまっていますけどね。

<エロゲ専用ハード>


特に新しい話ではなく、10年以上昔の話になります。
そもそも私が読んだのは99年3月頃に発売された雑誌なので、
もしかしたらもっと早くに他所でも話していたかもしれないですが、
とりあえずその頃の出来事だと思って読んで頂ければ。

その昔、D.O.(ディーオー)というブランドがありました。
ありましたって、過去形じゃまずいのか。
10月に『家族計画』のリメイクである『家族計画 Re:紡ぐ糸』が予定されているとかで、
ブランドは一応まだ存続しているみたいですからね。
家族計画 Re:紡ぐ糸
もっとも、もう7年以上新作を出していないので、
D.O.を知らない人も増えているかもしれません。

D.O.は前身のアダルティン時代を含めれば80年代のPC-88時代からゲームを作り、
90年代前半から半ばにかけては「妖獣戦記シリーズ」「ブランマーカーシリーズ」
「星の砂物語シリーズ」などで、90年代半ばには「虜シリーズ」で有名であり、
95年とか96年とかその辺りまでは4強という表現をするならば、
エルフ・アリス・アイデス・D.O.って感じだったと思います。
また背後の母体が強いからか、
WINDOWS化の前に既にTOWNSとかで音声付のゲームを出し慣れていたからか、
他所では使えないような豪華な表声優を使える強みとかもあり、
WINDOWS化にいち早く対応できる基盤もありました。
更に社長が初代ソフ倫の理事長も務めていたので、
簡単に言ってしまうならば、当時凄く「力」があったブランドだったんですね。

で、その社長が言うには、PCのアダルトゲームの割合が非常に増え、
一般PCゲーメーカーも一度ゲーム機中心になってしまうと、
再びPCゲーに戻ることが難しくなっている。
またハードメーカー同士が競い合うことで、
昔のようにソフトメーカーの意向をハードメーカーが汲んでくれなくなったと。
だからwindowsの時代になって増したソフト開発の負担を減らすために、
共通のエロゲ専用ハードを作りたいのだと。

今でもバグを頻繁に出すブランドはありますし、
それでいてジャンルは大半がノベルゲーばっかですからね。
個人的にはエロゲ専用ハードみたいなのがあった方が、
制作のしやすさの観点からも、
またプロテクトの観点からも良いと思うのですけどね。
だから、この記事を読んだときは期待したものです。

まぁ、単なる一ブランドが言うだけなら妄想程度にしか思えないのでしょうが、
上記のようにD.O.はソフ倫などでも力を持っていましたし、
バックにある母体も大きかったですからね。
実現するための先導者としては最も相応しい存在でもあったのでしょう。

加えて時期的なものもあります。
社長も新ハードを作るのが最終的な目的としつつも、
当然それが難しいことも分かりきっています。
そこで既存のハードをOEMで供給してもらい、
それに年齢制限用のチップを埋め込むことで、
少しずつ軌道に乗せたいと考えていたようです。

この既存のハードに関しては名前は挙げられていませんが、
当時はサターン説が有力でしたっけか。
サターンは18推のアダルトゲームの移植作で20万本位売れるだけの実績もあり、
それでいて98年にはドリームキャストが発売され、
ハードとしての役目は終えましたからね。
売れ残りを再利用するのは十分ありえると思ったし、
計画を読んでいる分には決して不可能でもないと思ったのですが、
結局実現しませんでしたね。
エロゲ専用ハードを望んでいただけに、個人的にはかなり残念でした。

<D.O.>


駄目になった理由は知りませんが、
そもそも中心となるべきD.O.自体が99年は不振でしたから、
他の事まで構っていられないってのもあったのでしょうか。

D.O.はこれまでダーク系の作品を得意としていましたので、
WINDOWS以降の恋愛ゲームの勢いが増す中で、
年間売上のトップ争いをするほどの作品はありません。
しかしwindowの時代になっても虜シリーズはヒットしていましたし、
トップ10以内に作品を送り込むくらいには売れていたんですよね。
また年間に複数の新作を発売することで、
それらを合算したトータルでの売上も多かったでしょうし。

内部でのゴタゴタとかは興味なかったので、
何かで目にしていても今では全く覚えていないのですが、
それまでブランドを支えていた広崎さんはいなくなりますし、
これまでのダーク系から恋愛系に路線変更もし始めていました。
メンバーが代わろうとも路線が変わろうとも、
複数の新作が順調に売れていれば問題なかったのでしょう。
しかし99年に発売された新作は『加奈 ~いもうと~』だけであり、
しかもセールス的にも失敗したんですよね。
たった1本でそれが売れなかったら、そりゃ厳しいし、
新ハードなんて言ってられないでしょう。

しかしまぁ、『加奈』はHP作ってレビューするような人にはうけたのだけれど、
どうにも一般受けしないというのか、売上につながらなかったわけでして。
山田一作品はその後も『星空☆ぷらねっと』『家族計画』と続きますし、
レビューサイトなんかではどれも評判は良いのですけどね。
私も好きなのもありましたし。
でも、売れないんだよな~

私は『加奈』は数ヶ月遅れてのプレイでしたが、
よっちゃんが作曲したこともあって『星空☆ぷらねっと』は発売日買いだったし、
『家族計画』も発売日前からずっと注目していたんですよね。
今のように何でもすぐOHPからダウンロードできる時代でもなかったので、
店頭でのグッズも大きな意味を有していました。
『家族計画』も25Pほどのファンブックがあり、
このファンブックにはテーマソングとデモを収録したCDが付いていました。
私、このファンブックも2冊持っていましたからね。
(下の画像のこれです。)
kazokukeikaku22.jpg

また『家族計画』は2001年の発売だったので、当初は音声がありませんでした。
その後に音声を追加した「絆箱」が発売されたのですが、
何か無駄にグッズやらオマケやらじゃらじゃら付いて高くなっていたため、
ちょっと買いきれませんでした。
もっとも、その後、声付きのゲームだけを単独で「追憶」として出したので、
それは買ったんですよね。
何度か訪れてくれた人なら分かっている方もいるかもしれませんが、
私はグッズやらリメイクやらにほとんど興味を示さないタイプなので、
発売前のファンディスクとかリメイク版とかを有しているのは、極めて稀なケースです。
個人的には何だかんだでそれくらい応援していたんだけどな・・・

未だに山田一=田中ロミオがピンと来ないのですが、
いつだったか今のアダルトゲーム業界は好きな物を作らせてもらえないとか、
何かそんな感じの発言をしていたんですよね。
でも、それは業界全体でなく、単にあなた個人の話でしょうにと思ったわけで。
D.O.は新人でもとにかく書かせる社風だったから、
最初は好きに書かせてもらえたのかもしれません。
でも、どんな社会でも自由や権限や裁量が認められるのは結果を残した人にであり、
売上という結果を残せない人の意見がいつまでも通るわけがない。
売れない作品しか作れない人の自由にさせていたら、
どういう結末になるか分かりきってますからね。

最初の作品は知名度がなかったからとの言い訳もある程度は理解できますが、
内容が本当に支持されていたのなら口コミで知名度は上がっていきますし、
次の作品からは売上という目に見える形で反映されていくものです。
当時の典型例がkeyなんでしょうね。
タクティクス時代の『MOON.』はダーク系という内容的なものもあり、
好きな人は好きだけど人を選ぶって感じでしたが、
人気で王道の学園恋愛ものに舞台を移した『ONE』が口コミで支持を広げ、
『Kanon』で売上がトップ10入りしてトップブランドの仲間入りをして、
『AIR』で年間トップにまで登りつめたと。
(まぁ、そっからは勝手に転げ落ちていった感がありますが。)

プレイをしたユーザーの多くに本当に支持されていたのなら、
keyほどの極端なシンデレラストーリーにはならなくとも、
近いような成長を見せるはずなわけでして。
ましてやD.O.はkeyよりも過去の実績も基盤もあったわけですから、
keyのように0から這い上がるわけではないのです。
業界最大手クラスのブランドからの発売であり、
最初から注目され成功する条件は緩いはずなのです。
しかし現実には『家族計画』でも年間で70位程度だし、
一部の信者の声が大きいだけで、全体的には支持されなかったということなんでしょうね。
まぁ私は声は大きくないけれど、当時はファンだったのでね、
面白いのに何で売れないんだろうって不思議に思っていましたが、
データから判断するとそうなってしまうのでしょう。
私が考えていた以上に、当時のユーザーの大半には人気がなかったのでしょうね。
そして結果的には、この時期に最大手の一角だったD.O.は沈んでしまったと。
まぁ『家族計画』は今でも個人的には名作だと思っているし、
『星空ぷらねっと』も好きなのですが、
個人的には名作でも一般的に名作と言うのは本来はおかしいのかもしれませんね。
業界トップクラスのブランドを一気に傾かせた時期の売れない作品が名作と言っても、
プレイしていない人には意味が分からないでしょうから。

余談ですが、強く勢いがあったブランドの衰退原因もいろいろありますね。
エルフは新作出ない&蛭田氏離脱。
アイデスは主力をリーフに丸ごと引き抜かれた。
シーズウェアはバグ祭り&菅野氏離脱。
D.O.の場合は広崎氏離脱に加え新作を委ねた新人らの不振が大きかったのでしょうか。

<終わりに>


現実には、プロジェクトの頓挫には様々な要因が絡んでいるはずであり、
簡単にこれが原因とは言い切れないのでしょう。
ただ、個人的には2000年前後におけるディーオーの凋落と、
新ハードの頓挫が重なって見えてしまうわけで、
新ハードを望んでいたという立場からも、ディーオー作品のファンだったという立場からも、
単純にとても痛い出来事でした。

家族計画 Re:紡ぐ糸


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