<小説> 八つ墓村 (横溝正史)

<小説> 八つ墓村 (横溝正史)

『八つ墓村』(横溝正史)

金田一耕助シリーズ長編第4作であり、代表作の1つですね。
感想というより、昔から思っていたこととかを少々。

八つ墓村

<概要>


商品説明は以下の通り。
「戦国の頃、三千両の黄金を携えた若武者が、
七人の近習を従えてこの村に落ちのびた。
だが、欲に目の眩んだ村人たちは八人を襲撃、
若武者は「七生までこの村を祟ってみせる」と叫び続けながら、
七人とともに惨殺された。
その後不祥の怪異があい次ぎ、半年後、落人殺害の首謀者、
田治見庄左衛門が家族・村人を切り殺し、
自らの首をはねて死ぬという事件が起こった。
この事件の死者が八人出たことで、村人は恐怖のどん底にたたき込まれた。
村人は落武者の怨念を恐れ、犬猫同然に埋めておいた八人の死骸をとりだすと、
八つの墓をたて、明神として祟めることにした。
以来、この村は“八つ墓村”と呼ばれるようになったという―。
大正×年、田治見庄左衛門の子孫、田治見要蔵が突然発狂、
三十二人の村人を虐殺し、行方不明となる。
それから二十数年、謎の連続殺人事件が再びこの村を襲った…。」

<感想のようなもの>


横溝正史の代表作ですね。
横溝正史の本を一時期ずっと集めていまして、
全部新刊だときついということもあり、古本屋巡りもしたものです。
もちろん代表的なものは文庫の新刊で購入しており、
集めだした本当の最初の頃に購入したのが『八つ墓村』でした。
そもそも興味を持ったときに、代表作は何かと聞いて、それで教えてもらったのが、
『八つ墓村』と『獄門島』と『本陣殺人事件』だったのです。
今にしてみれば、凄く真っ当な物を薦めてもらったようで。
普通だったら一冊ぐらい、自分の好みとか混ぜちゃいそうですからね。

今でも金田一耕助シリーズの代表作はと聞かれれば、『獄門島』と答えます。
でも、横溝正史で一番の代表作はと聞かれれば、私は『八つ墓村』と答えますね。
尚、小説的価値だの細かいことを一切抜きにして、
単純に読んで一番好きなのは『悪魔が来りて笛を吹く』です。

つまり、こうなるわけですね。
『獄門島』・・・金田一耕助シリーズの代表作
『八つ墓村』・・・横溝作品の代表作
『悪魔が来りて笛を吹く』・・・個人的ベスト
3冊挙げろと言われれば、このラインナップになります。

注意してもらいたいのは、『八つ墓村』も金田一耕助シリーズの1つであること。
でも、横溝作品の代表作であっても、決して金田一耕助シリーズの代表作ではない。
それは『八つ墓村』の主人公は寺田辰弥であり、金田一耕助ではないからです。

『八つ墓村』を初めて読んだとき、
ドラマの影響もあってとにかく金田一耕助の活躍が見たかったものでね。
事件の最後にちょこっとだけ出てくる『八つ墓村』は、
実はあまり好きではなかったのですよ。
金田一耕助、ほとんど関係ないじゃんって思ったものですから。

しばらくして、余計な思い込みを取り除いてから、それでようやく楽しめたと。
そして、二次元の世界と萌えへの依存度が高まるにつれ、
どんどん好きになっていったと。

<萌え>


というのも、本作はミステリーであり、冒険譚であり、
寺田辰弥と里村典子とのラブロマンスなのですよ。
いろんな側面があるので、特定の何かにこだわると面白さを逃しがちで、
素直に読むのが一番楽しめる作品のように思います。

そしてこの典子というのが辰弥を兄のように慕う妹のようなキャラで、
その一途に辰弥を想う姿に萌えてくるのです。
最初は美人ではないという設定に引きずられて、
あまり好きでもなかったのですけどね。
読み返す度に、その仕草や言動が可愛く思えてくるのです。

有名な作品なのでね、もうあちこちでミステリーとしての魅力、
冒険譚としての魅力は語られつくしていると思います。
なので、その辺は真面目な考察サイトに任せまして、
ここでは一切省略します。

本作は映画やドラマでも何度もやっているのですが、元がかなりの長編ですからね。
どうしても内容の一部が削られてしまいます。
またドラマは金田一耕助をメインにせざるを得ませんから、
内容面の改変も余儀なくされるのです。
そうなると中心はミステリー部分になり、
辰弥の冒険譚やラブロマンスはカットされやすいわけでして。
典子の作品内における最大の意義は辰弥との恋愛ですから、
金田一耕助視点のミステリーとしては不要なんですよね。
だからドラマなどではモブに毛の生えた程度の存在だったり、
時には存在自体が削られてしまっています。
金田一耕助作品として放送する以上仕方ないのかもしれませんが、
やっぱり残念なわけでして。
一度は辰弥を主人公にして、
典子との冒険と恋愛をしっかり描いた作品も見てみたいものです。
(映像化作品全部を見たわけではないですが、まだありませんよね?)

<オマケ>


最後に余談ですが、角川の文庫版を新刊で集める気力がなくなった原因は、
表紙の変更にもあります。
子供が見たらトラウマになりそうな、あの怖い表紙が最高だったのに、
今の表紙では物足らないのですよ。
それだったら古本屋でぼろくても昔のを集めた方が良いですし。
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ふと懐かしくなったので本棚を探してみたのですが、
『八つ墓村』の文庫を新品で購入したのが平成元年(1989年)とのこと。
さすがに、ぼろくなってしまいました。
栞も当時のもので、パーカーの万年筆の代表作、
「デュオフォールドインターナショナル」が新発売とあります。
この時は35000円だったのですね。
duof111.jpg
マイナーチェンジされて全く同じのはないかもだけど、
似たようなのが今は定価52500円なので、15000円程値上がりしています。
まぁ10年程の間に倍以上になったボッタクリのモンブランよりは、
はるかに良心的なのでしょうけれど。
因みに私は、パーカーはボールペンの、
「デュオフォールド チェックシトリン」しか持っていません。
当時は文房具に興味がなかったし、
今もボールペン中心で万年筆は8本しか持っていないですが、
それでもこういうのを見つけると何だか面白いものですね。

八つ墓村


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